アロマテラピーなど、アロマについて勉強した方なら精油やアロマオイルの扱い方はよくご存知かと思いますが、素人は取り扱い方を知らずに中毒事故を起こすことがあります。
皆さんは、アロマについてどんなイメージを持っていますか?
僕は数年前に、小瓶に入ったアロマオイルを使用するタイプの加湿器を使っていたことがあり、その際、いくつかの香りを楽しんでいました。そのとき僕は……
「アロマって天然成分だし、身体にはまったく害が無いだろう」
と、思っていました。
でも、そうではなかったのです。消費者庁が「子供のアロマオイルの誤飲の危険性」に警鐘を鳴らしています。
極少量でも、おう吐、下痢のほか、けいれん、皮膚障害など
アロマオイルには、植物から香り成分を抽出し非常に高濃度に濃縮したもの、合成香料を含むもの等、種類によっては、極少量であっても、おう吐、下痢のほか、けいれん、皮膚障害などを生じる危険な成分が含まれていることがあります。
大人は、アロマオイルを舐めたり飲んだりしたいとは思わないでしょう。
でも、子供は違います。
消費者庁は、「小さな瓶にかんきつ系などのいい香りやきれいな色の液体が入っているため、子どもが興味を引きやすく、誤飲の危険性がある」と言います。そして、少しでも口に入れると重症化する危険性があるというのです。
知らなかった……。
特に0〜2歳の赤ちゃんは、なんでも口に入れたがります。確かに、あのアロマオイルの小瓶は興味津々の対象になりそうです。
■関連リンク
小さな瓶に入ったアロマオイルの保管に注意!:消費者庁
そもそも3歳未満の乳幼児に、アロマテラピーをしてはいけない!
アロマの正しい使い方を広め、アロマテラピー検定も実施する「公益社団法人 日本アロマ環境協会」は、ウェブサイトに子供への使用の注意が書かれています。
3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わないようにしましょう。
3歳以上の子どもでも、精油の使用量は、成人の使用量の10 分の1程度から始め、多くても2分の1の程度とし、使用にあたっては十分に注意を払いましょう。
また、そもそもアロマテラピーとは何なのか? については、日本アロマ環境協会は以下のように定義しています。
アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法※ である。アロマテラピーの目的は以下の通りである。
- リラクセーションやリフレッシュに役立てる。
- 美と健康を増進する。
- 身体や精神の恒常性※ の維持と促進を図る。
- 身体や精神の不調を改善し、正常な健康を取り戻す。
※ 自然療法 人間が本来もっている自然治癒力を高めることにより、病気を未然に防ぐ、治癒を促す、体質を改善するなど健康の維持、増進を図ること。
※ 恒常性 体内の変化や環境の変化にかかわらず、体内環境を一定の範囲で維持するしくみ。
■関連リンク
公益社団法人 日本アロマ環境協会
安全に楽しむために:日本アロマ環境協会
子供が誤飲してしまったときは?
また、同ページ内には、「精油を飲用してはいけない」「精油を目に入れてはいけない」「原液を皮膚につけない」など、危険な行為も紹介されています。誤飲に関しては、「子供の誤飲がわかったときは、口の中を大量の水ですすぎ、吐かせずに、すぐに医師の診察を受ける」とあります。
口の中を洗ったら、中毒110番や小児救急電話相談などに、すぐ電話相談しましょう。
アロマオイルや精油は天然成分だから特に害は無い、というのは間違いです。僕のように勘違いしていたり、安易に考えている方がいましたら、どうぞご注意ください。
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