育児・子育て中の人とばかりいると、ほかの子との比較・競争になってしまう

音声配信プラットフォーム「Voicy」に、のもきょうさんこと野本響子さんというパーソナリティーさんがいらっしゃいます。

僕は彼女の番組がとても好きです。チャンネルを始めた第1回から聞いています。最初は、ライター・文筆家、そして元パソコン雑誌の編集者という彼女のお仕事に興味を持ったのですが、今は子育ての先輩としてとても有意義な話にいつも心動かされています。

ちなみに、のもきょうさんはマレーシア暮らし。元々日本で仕事をしながら子育てをしていたのですが、10年ほど前、お子さんが小学校の頃にマレージアへ移住しました。以来彼女はは、マレーシアでお仕事をされながら(日本向けにたくさんの本を出されています)、お子さんはマレーシアの学校に通っています。

そんなのもきょうさんのVoicyを聞きながら、子育て中の人付き合いに関して思わずハッとさせたれたエピソードがありましたので、僕の経験も交えながらシェアします。

異文化から学ぶことの重要性

ハッとさせられたのは、第517回「テンパったときに考えちゃダメな話」と、異文化から学ぶことの重要性について、という配信回。

全12分程度のお話ですが、後半(チャプター2)の「文化から学ぶことの重要性について」のエピソードについて、ここではご紹介させてください。

以下、のもきょうさんのお話をかいつまんで引用します。

 

育児・子育ての人間関係、他人とつい比べがち

育児・子育て中は、どうしても自分と近い人の話を聞きたくなり、近い属性で集まりがち。

同質性の高い人たちと集まる問題点は、比べてしまうこと。

たとえば、赤ちゃんの夜泣きがひどいという悩みを抱えているとします。他の育児中のママに相談して「うちの子どもは本当によく寝てくれて、7時間とか8時間とかぐっすりなんだよね」なんていわれると、「えっ、なんで?」と比較のフェーズ(局面)に入ってしまうのです。

どうしてあの子はしっかり寝ているのに、うちの子はずっと夜泣きしてるんだろう。何がいけないんだろう……みたいな比較が始まってしまう。

たくさんの子どもを育ててきたママだと、子どもはひとりひとり性格が全然違うし、育てやすさも全然違うということを知っている。だけどそうはなれないから「おっぱいが足りないんじゃないか」「ミルクが足りないんじゃないか」「私のしつけの問題かな」など、自分を責めてしまう。

そうして、あらぬ方向へ思考が暴走してしまうのです。

 

自分とは違うバックグラウンドを持つ人と話す重要性

マレーシアの学校は多様性がすごく高い。

同じクラスの中に、現地のマレー系に加え、中国、インド、アフリカ、そして日本など様々です。わが子に「お友達の〇〇君は何人?」と聞いても、「えっと……よくわからない。聞いたことがない」と答えるほど、違いを意識しないほどに多様性がごく当たり前になっています。

それぞれの子どもたちは、それぞれの文化圏の嗜好を持っている。つまり、違っているのは当たり前ということです。

一方で、子育てをする親が同質性の高い人たちだけで集まっていると、どうしても競争になってしまう。「〇〇ちゃんはできたのに、うちの子はまだ」など、常に比較が入ってしまうのです。

もちろん「ミルクの温度はどうするか?」「オムツはどこのが良いか?」などの情報も欲しいだろうけど、それ以外の人間関係も大事。

だから、同質性の高い人たちとの比較・競争にならないような「赤ちゃんがいるの私だけなんですけど」みたいな環境にあえているのも一つの手です。周囲の人を多様にしておき、自分とは全然関係ないところから、たまには学んでみるのも良いのではないでしょうか。

 

比較・競争に終始しないよう、子育て以外の多様な人と付き合おう

以上、のもきょうさんのお話をご紹介させてもらいました。ポイントのみ勝手にかいつまんでお伝えしたので、もっと詳しく知りたい方は、ぜひVoicyでの放送を聞いてみてくださいね!

さて、僕はそんなお話を聞き、ガツーンとやられました。

なぜなら「育児・子育てのことは同質性の人と集まった方が良い」と考えていたからです。

 

わが家には小学3年生の息子(9歳)がいます。

子どもが生まれる前、僕は子どもには全く興味がありませんでした。SNSで、子どもが生まれてから子どもの投稿ばかりする人をみて、「あぁ、同じような投稿ばかりでつまらないな」と感じていたのです。だから僕は、妻の妊娠がわかったときに、ブログもSNSアカウントも子育て用に新設しました。

そして、わが子が生まれてから僕の思いは一変。

子どもって、本当に可愛い。わが子は只今9歳ですが、いつまでこれが続くのだろうと思うほど、毎日「あぁ、かわいいな。大好きだな」と思えます。

しかも、わが子だけでなく、すべての子どもたちが可愛く思え、子育てに奮闘するママやパパのことも愛おしく感じます。保育園では父母会会長を務め、現在、小学校ではPTA副会長2年目です。

子どもたちに関われることに、何よりの幸せを感じています。

僕は「全く興味がない」から「最も興味がある」に変わったのです。

 

そんな経緯もあり、「育児・子育て中の方は、同じ状況の方とつながるのが最善である。なぜなら共感しあえるから」と僕は思い込んでいました。

しかし、のもきょうさんのお話を聞き、確かに比較・競争は起きてしまうな、と気付かされたのです。

しかも比較・競争は、子どもの年齢を重ねるごとに加速します。「習い事は何をしている?」「うちは大手の塾へ行き始めた」「親の仕事は何?」「持ち家? 賃貸?」……など。

嫌味たっぷりな会話ではなく、ごく自然に出てきたとしても、やはり比較・競争の心が芽生えます。

のもきょうさんがおっしゃるように「あらぬ方向へ思考が暴走してしまう」可能性は確かにあるのです。たとえば、子どもを見ずに、親のエゴや見栄で判断してしまう。そしてママ友・パパ友もあいだにジェラシーが発生してしまう。ぎくしゃくしてしまう、上下関係をつくってしまう。

しかもそれが子どもにも伝播し、親の虚栄心を見抜いたり、子どもが自分を卑下することにもつながりかねません。

だからこそ、子育て以外の人間関係も意識してつくり、もっと広い視野で俯瞰(メタ嗜好)できるな環境に自分自身を置くことも大事だったのです。そうすることで、比較や競争に巻き込まれづらくなり、肩肘張らずにわが子の成長を喜べたり、子育てにおいて新しい気づきや学びが得られたりできそうです。

 

もちろん、同質性のコミュニティーを否定するわけではありませんが、「比較・競争が生まれてしまう」というのは僕の中では盲点でした。わかっていたけど、認知していなかったのです。

のもきょうさんのお話を聞いて、あえて多様な人と付き合う重要性について理解することができました。ありがとうございました。

言われてみれば当たり前のことですが、言われないと気づかなかった。同じように感じた方もいるのではないでしょうか。

のもきょう(野本響子)さん関連リンク

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