小学校の運動会に不審者、児童をビデオ撮影 PTAと学校でできる5つの無断侵入対策

福岡県久留米市の小学校で、運動会開催中に無断で侵入し、児童を隠し撮りしていた男が逮捕される事件がおきました。

小学校の運動会は、児童の保護者や兄弟だけでなく、卒業生も応援にきたり、地域の町内会の方や市区町村の教育委員会の方などを来賓としてお招きすることもあります。つまり、地域の恒例行事としても一面もあるのです。

そんなイベントにおいて不審者対策をするというのは難しくはあるのですが、僕自身、小学生男児の父親として、またPTA副会長を2年経験した保護者として、できる無断侵入者対策・不審者対策について考えてみました。

許可なく小学校に無断侵入、カメラで児童を撮影

まずは事件について、概要をお伝えします。

事件概要

  • 小学校の運動会に、児童をビデオカメラで撮影する不審者
  • 教頭が110番通報
  • 男(59歳)は「私の認識では運動会とは一般の人も見学できる催しで、誰でも自由に敷地に入って見学できるものだと思う」と容疑を否認

事件発生は、2024年5月25日(土)。福岡県久留米市南薫西町の小学校にて。

学校からの110番により駆けつけた警察ですが、現行犯逮捕に至った理由について以下のように報じられています。

現行犯逮捕に至った理由

  • 男は保護者ではない
  • 学校からも招待されていない
  • 学校に侵入する正当な理由がない
  • さらに、前月の4月以降、市内の公園などで児童を撮影し、警察から複数回に渡り警告を受けていた

つまり、警察としては「またお前か……」といった経緯だったのでしょう。

参照記事

【対策1】無断入校禁止を掲げる

ではここから、無断侵入者対策・不審者対策についての5つのアイデアをお伝えします。

まず、今回の事件において、逮捕された男は「私の認識では運動会とは一般の人も見学できる催しで、誰でも自由に敷地に入って見学できるものだと思う」と弁明しました。

確かに、その認識がある方もいるでしょう。

ただ、子どもの撮影が目的で「知らなかった」が言い訳でしか無い場合も考えられます。そうしたことを防ぐため、学校の門や受付などに「断入校禁止」「入校には許可証が必要です」といった注意書きをわかりやすく掲げておくと良いでしょう。

そうすることで、無断侵入を未然に防いだり、しらばっくれを阻止したりできるようになります。

【対策2】入場券・入校許可証の発行

運動会を参観できる方に対して、事前に入場券や入校許可証を発行します。

受付で入場券等を見せないと入校できないようにしたり、観戦時も常時札を下げておくようにするなどで、無断侵入を防いだり、無関係の方の撮影に気づきやすくなったりします。入場券等に関しては、紙に印刷したものや、デジタル配信しスマホの画面を見せるようにするタイプがあるかと思います。

もし忘れた方がいたら、身分証明書を提示いただき、記名してもらう方法があります。

また、来賓に関しては事前にリストをつくっておき、受付で「お名前をお願いします」とチェックするようにすると良いでしょう。リストは来校者には見えないようにしてください。

【対策3】リストバンドを巻いてもらう

音楽の野外フェスなどで導入されているリストバンドを活用します。入場時に受付でチェックを受けた者は腕に巻いてもらいます。

これがあれば、受付無しで侵入した者に気づきやすくなります。また、学校を出入りする際の受付チェックも負担軽減になります。

【対策4】先生・主事・PTAでパトロール

先生方、主事さん、PTAで協力し、運動会開催中に会場を見回るようにします。

学校視点・保護者視点があることで、より不審者に気づきやすくなるでしょう。また、担当者は「パトロール中」などの腕章を巻いておくことで、不審者に対して「この学校は厳しそうだな……」とプレッシャーを与えることもできます。

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【対策5】事前に参観マナーを伝えておく

保護者など来校者に対し、事前に参観マナーを伝えておきましょう。たとえば、「自分のお子さんの競技が終わったら、他の学年の保護者に前列を譲りましょう」など。

そうすることで、終始撮影を行っている者がいたら、「この人、どうもおかしいな」と気づける可能性が高まります。

不審者に声掛けする際は要注意

以上、5つの無断侵入者対策・不審者対策をお伝えしました。

あと重要なこととして、不審者だと気づいた際の声掛けは注意が必要です。暴力的な反攻をされ危害を加えられる可能性がありますし、撮影ではなく凶悪的な犯行を計画している者かもしれません。

保護者・PTAとして「あの人、どうもおかしい」と気づいた際は、いきなり声掛けせず、必ず学校側に相談するようにしてください。学校は不審者対策というのを受けているので対処してもらえます。

参考までに文部科学省が発行する「学校の危機管理マニュアル」をご紹介します。40ページほどありますが、ザッと目を通しておくだけでも有意義です。ぜひご覧ください。

学校における不審者への緊急対応の例
文部科学省「学校の危機管理マニュアル」より
不審者かどうかを見分けるポイントの例不審者侵入時の教職員の役割分担(P.29 (ヘルプカード) 参照)に従い、他の教職員に連絡し、協力を求める。
文部科学省「学校の危機管理マニュアル」より

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