最近の小学校の教育って、すごいんです!
「体質が古臭く、進化しない」
「大人になって使える学習をして欲しい」
そんな愚痴をこぼす方をちらほら見かけますが、実際の現場を見てみたら「全然そんなことないじゃないか。むしろ、大人の仕事に即活かせそうなすごいことをやっている……」と気づかされたのです。
小学校、生活の授業「町探検」
小学校では「生活」という授業があります。
わが家の小学2年生の息子が通う公立小学校で、生活の一環で「町探検」が行われました。児童たちが数名のチームに分かれて、地域のお店、施設、公園などを実際に訪問します。
事前に、担任の先生から保護者に向けて「引率のお手伝い募集」の案内をいただいたので、僕は参加させてもらいました。
これは小学校学習指導要領に則した教育活動のひとつです。以下、生活「教科目標の構成」より引用。
小学校学習指導要領より
- 活動や体験の過程において,自分自身,身近な人々,社会及び自然の特徴やよさ,それらの関わり等に気付くとともに,生活上必要な習慣や技能を身に付けるようにする。
- 身近な人々,社会及び自然を自分との関わりで捉え,自分自身や自分の生活について考え,表現することができるようにする。
- 身近な人々,社会及び自然に自ら働きかけ,意欲や自信をもって学んだり生活を豊かにしたりしようとする態度を養う。
【町探検1】小学生が自分達の目で見て、取材
僕は、中学校を探検するチームの引率者になりました。「先生と一緒に行くのかな?」と思っていたら、大人は僕ひとりでした。笑
小学2年生の児童数名を従え、徒歩で近隣の公立中学校へ。交通事故などに遭わないよう、しっかり注意。
そして到着。
職員室にいらっしゃった先生に「町探検の一環で子ども達を連れてきました」とお声掛けし、副校長先生に案内いただくことになりました。中学校の副校長先生へは、事前に小学校から連絡してもらっていたのでスムーズです。
副校長先生にガイドしていただきながら、学校内の施設を見てまわります。教室、理科室、体育館、校庭、トイレなど。
子ども達は先生の話を聞きながら、メモを取ったり、iPadで写真を撮ったりします。
【補足】iPadは学校からひとり1台づつ支給されています。関連記事:公立小学校で配布された iPad のスペックと重量(東京都世田谷区)
【町探検2】インタビューをする
施設内の案内を受けた後は、インタビュータイム。
子ども達が事前に用意していた質問事項や、その日に感じた疑問などを副校長先生に投げかけます。
「何クラスありますか?」
「どんな授業がありますか?」
「先生にとって、大変なことは何ですか?」
副校長先生は丁寧に答えてくださいました。その回答をメモしたり、iPadで動画撮影をしたりしています。
【町探検3】iPadのアプリ「Pages」を使ってレポート
中学校訪問を終え、教室まで児童達を送り届けたら、僕の引率としての任務は完了です。はぁ、楽しかった!
ここからは取材したメモや写真をつかって、レポートにまとめます。iPadにインストールされているApple純正アプリ「Pages」を使って、文章と写真で構成(Microsoft Wordのようなアプリです)。
【町探検4】iPadのアプリ「iMovie」を使って動画編集
わが家の息子が通う公立小学校では、2年生の1学期から動画編集を授業で学ぶようになりました。
動画をカットしたり、写真をスライドショーのようにしたり、文字入れしたり。
今回の町探検で撮った写真・動画も編集して使うようです。使用アプリはPadにインストールされているApple純正アプリ「iMovie」です。
【町探検5】各チームがプレゼンテーション
今の小学生は、授業の中でプレゼンテーションをします。
その方法は主に2つ。
- 教室の前へ出てスピーチ(言葉や資料を使って発表)
- クラウドへアップロードし、クラスメイトにシェア
先生に提出して終わりではなく、みんなにプレゼンするところまで行うのです。今回の町探検でもきっとそうなると思います。クラウドは「Microsoft Teams」などが使われています。
【町探検6】すべてをまとめて町のガイドマップを完成させる
町探検は、数名のチームに分かれて全数十箇所を訪問します。
最終的にはそれらをまとめて、自分達の町のガイドマップを完成させます。自分達が暮らしている街には、どんな施設やお店があり、それはどんなところなのか。マップを見れば一目瞭然!
学校教育は、めっちゃ有益! すごく役立つ!
今回は以上です。
小学2年生のたったひとつの授業を垣間見て、「今って、こんなにすごいんだ」と驚かされました。
僕は、フリーランスのWebコンテンツクリエイターです。メディアの運営や記事作成に携わっているのですが、小学2年生達の様子を見ながら「これって僕が日頃、仕事でやっていることじゃないか……」と感じました。
取材をして、コンテンツをつくる。
いやー、こんな素晴らしい経験が学校でできるなんて羨ましいです。
取材をするのには、準備や度胸が必要です。記事を書いたり、動画編集をしたりするには、スキルが必要です。プレゼンテーションスキルを身につけるには、場数が必要です。
「学校教育は古くさい。授業で学んだことは社会で役に立たない」
というのは、完全に間違いであることがわかりました。今の学校って面白いかも!
小学校のお子さんがいらっしゃるママ・パパは、ぜひ機会があれば授業のお手伝いに参加してみてください。昔と今の違いにびっくりしますよ。
先生、ありがとうございます。
そして子ども達、頑張っていてかっこいい! 将来が楽しみです!!
なるほど
「孫が私たちの先生になる」
今度会う機会の質問など、教えてもらうことを整理しておこう