不妊症の認定期間が、WHOに合わせて2年から1年に短縮。ただし日本人の性行為回数は世界最低。

不妊症の認定期間が、WHOに合わせて2年から1年に短縮。ただし日本人の性行為回数は世界最低。

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不妊症の認定期間が、WHOに合わせて2年から1年に短縮。ただし日本人の性行為回数は世界最低。

不妊症とは、定期的な性生活を送り、とくに避妊などをしていないのに、2年以上妊娠しない場合」と、日本の産婦人科では定められています。いわゆる妊活期間が、2年を超えれば不妊症ということです。

それが今年2015年の8月より、1年以上妊娠しない場合は不妊症」に短縮されるようです。

実は、この2年という期間は世界的にみれば異例なのです。世界保健機関(WHO)では、12ヶ月(1年)で不妊としています。そのため、日本も世界基準に合わせ、2年を1年に短縮するということです。

“希望しても2年以上妊娠できない状態と定義している不妊症について、日本産科婦人科学会は、この期間を「1年以上」に短縮する案をまとめた。全国の産婦人科医から意見を聞き、8月にも正式決定する方針。

不妊症:定義「1年以上」に短縮へ 産科婦人科学会:毎日新聞より一部引用 ”

定期的な性生活って?

不妊治療を受けると、第一段階は「タイミング法」の治療を受けることになると思います。毎日女性の基礎体温を測り、排卵予定日を予測し、その日に合わせて性交渉をするというものです。

しかし、それは治療が始まってからの性交渉であって、本来はタイミング法に頼らずに「定期的な性生活」を行うことが望ましいということです。ただ、日本では夫婦間の性生活について欧米ほどオープンではないので「安定的」という何ともぼやけた表現をしています。

アメリカでは、「週3回以上の性行為を行えば、2年以内に95%の確率で妊娠する」との調査結果が発表されています。『週3回』≒『2〜3日おきに1回』を目安とし、不妊かどうかを見極めているようです。

日本では、1年間での不妊症認定は早いのでは?

イギリスのコンドームメーカーDUREXが2007年に調査した「夫婦間の性行為の平均回数ランキング」によると、日本は「年間48回 / 週0.92回」で、世界最下位だったようです。

これを週3回のペースに合わせるには、今の3倍の回数が必要となります。

世界の3分の1しか性行為がない日本人が、不妊症認定の期間を世界基準に合わせるには、無理があるのではないでしょうか。冒頭で紹介した毎日新聞の記事には、性行為についての記述はありませんでしたが、日本においては2年が妥当じゃないのかな、と思います。

2年を1年に短縮する背景には少子化対策もあるのだと思いますが、やはり不妊症と認定されると心にグサリと来るものがあるでしょう。

私事ですが、自分たちは子供が欲しいと思ってから授かるまでに1年以上掛かりました。嫁さんから「とりあえず検査に行ってみよう」と何度かお願いされたのですが、そのとき僕は、断固拒否していました。なぜなら、妊娠しない原因が自分にあった場合、その重荷を受け止められないと思ったからです。もし、妻側の問題であれば「俺たちに子供はいなくてもいいよ」という心づもりでしたが、もし自分が種無しとなると……。

欧米では、子供が授からない夫婦が養子を迎えるのは一般的です。日本で里親として子供を迎えているのは年間は数千件ですが、アメリカでは1年間に10万件以上もの養子縁組が行われており、むしろ迎えたいという方が多くて競争が起きているようです。

日本では、不妊症で精神的にも経済的にも追い詰められている夫婦のようすが、テレビなどで良く報じられています。そのため「不妊症=苦しみ続ける」という印象を持っている方は多くいるでしょう。不妊症の認定期間が2年から1年に短縮されれば、不妊症の方の数が今の倍以上に膨れ上がるはずです。その方たちへ、負担の少ない治療や、他の選択肢なども合わせて用意してゆかないと、社会に苦しみを増やしてしまうのではと、不安を感じます。

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