若いうちに採取・保存する凍結卵子。闘病前の不妊対策としての活用も

最近、テレビなどで「女性が若いうちに卵子を冷凍保存している」という、ニュースを見掛けるようになりました。

「卵子凍結は晩婚化を助長するのではないか?」
「これによって不妊に悩まされる夫婦が減る」など、

賛否両論あったのが印象的です。

 

“通常は体外受精のために採卵したものの、夫の精子が採取できなかった場合などに、卵子を無駄にせず保存する目的で使われる。最近は、自分の卵子を若いうちに採取・保存し、将来の妊娠に備える技術として注目を集めている。

コトバンク「卵子凍結」より一部引用”

凍結卵子の費用、70万円〜100万円 + 保管料年間1万5,000円

ちなみに、凍結卵子の費用は「70万円〜100万円」と言われており、それに加えて保管料として2年目以降は年間1万5,000円ほど掛かるとの事です。ただ、卵子を一個保存しておけば良いと言う訳ではありません。出産成功率は10%程度なので、卵子10個程度を保存していないと、備えには成りにくいそうです。

  1. 初期費用「70万円」
  2. 年間保管量「1万5,000円」
  3. 卵子「10個」
  4. 保管期間「10年」とした場合。

費用は、835万円となります。さらに、体外受精時にはさらに費用が掛かり、結果的にかなり高額で不確定な不妊対策(リスクヘッジ)といえます。

闘病生活に入る前に、卵子凍結で不妊から守る!

卵子凍結は、高齢妊娠・出産への活用だけでは無いそうです。

血液のがんと言われる白血病や悪性リンパ腫。この病気の治療法として、放射線照射や抗がん剤投与があり、それにより不妊になる可能性があります。そこで「病気と戦うことにが不妊つながらないように、治療の前に卵子を冷凍保存しておく」といった卵子凍結の活用もあるそうです。

こういった女性を支援するために、NPO団体「全国骨髄バンク推進連絡協議会」が、2013年11月29日『こうのとりマリーン基金』の設立の発表をおこないました。

 

いまは大変だけど、がんばっていつかは元気な赤ちゃんのママになるんだ。

「こうのとりマリーン基金」は、そんな未来への希望をつなぐために、未受精卵子の保存、受精、着床を経済的に支援します。本基金は「給付」制度となりますので、これを受けた方に対して返済を求めることはありません。

<給付対象になる方>
・今後、造血幹細胞移植や抗がん剤治療を開始する予定で未受精卵子保存を希望される女性患者。
・過去に血液疾患の治療を受けた元女性患者、保存していた未受精卵子を使用して妊娠を望む方。
・日本国内に居住し、日本国内で治療中であること。
・対象年齢は日本生殖医学会の年齢制限基準に準じます。
・世帯の所得が、当基金の定める額を超えていない方(所定の算定表により算出します)。

*「こうのとりマリーン基金」は、東京マリンロータリークラブからのご厚意を原資に創設されました。

NPO団体 全国骨髄バンク推進連絡協議会『こうのとりマリーン基金』より一部引用(【追記】記事公開が終了しました)”

 

医療の進歩は日進月歩。ただ、今回の卵子凍結含め、不妊治療の多くは保険対象外となっています。そのため、不妊治療を行うご夫婦は、非常に大きな経済的負担をしいられる事となるのです。

こうのとりマリーン基金は、NPO法人(特定非営利活動法人)によるもの。非常にありがたい存在ですね。

全国骨髄バンク推進連絡協議会の代表は、世界遺産でも知られる京都・醍醐寺の第103代座主である仲田順和氏。前代表、故市川團十郎氏のあとをついで、新会長として運営にあたっているそうです。「新会長就任のお知らせ」より

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