洋間と和室、ベッドと布団。育児に適しているのはどっち?
新婚の頃はダブルベッドで夫婦ふたりでのんびり寝ていても、赤ちゃんが生まれると寝具について考えるようにになります。「同じベッドのまま、親子3人が川の字で寝ていてもいいのかな?」……と
僕は、息子がハイハイを始めた生後8ヶ月の頃に、「育児は洋間より和室がいい」「ベッドより布団がいい」と考えるようになりました。理由は以下のとおりです。
和室・畳のメリット、洋間・フローリングのデメリット
和室のメリット
- 畳の部屋は、適度に柔らかいので転んでも安心
- 食事中など、抱っこをしたり、寝かせたり、適度に自由にさせられる
洋間のデメリット
- フローリングは硬いので、転ぶと痛い
- ダイニングテーブルは高いので、ハイチェアーに座らせるか、常に抱っこが必要
布団のメリット、ベッドのデメリット
布団のメリット
- 寝相が悪くても、転落する心配なし
- たためば部屋が広くなる
ベッドのデメリット
- 幼児は寝返りが激しく、転落しやすい
- 片づけられない、部屋が狭くなる
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子供も大人も寝返りしよう! 寝相の悪さは健康の証
さて、本題に入る前に、少し私ごとを。
僕は腰痛持ちで、つい先日ひどく悪化し「15日間のほぼ寝たきり生活」を送りました。現在、改善に向けて努力をしているところです。治療に通いながらストレッチなどの運動を行い、腰痛に関する専門書や雑誌、ウェブ、テレビ、ポッドキャストなどから沢山の情報を得て勉強もしています。そんな中、とても興味深いテレビ番組に出会いました。
NHKの番組「ガッテン!」の、『解禁!腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』の放送回です。
この番組では、腰痛の治し方だけでなく、なんと健康な人を腰痛にする恐怖の実験まで行われたのです。健康な若い男性を棺桶のような狭い空間に寝かせ、その上、胸・腰・足など横に数本の棒をかませ、寝返りが打てない状態を作りました。
そして、この男性が眠りについて、朝、目覚めると……。
イテッ! イテテ!!
これまで健康だった男性が、腰痛になってしまいました。
人は、寝返りを打つことで、背中や腰などの筋肉が固まるのを防いでいるのです。実際、慢性腰痛に苦しんでいる人たちは、健康な人に比べて、寝返りを打つ回数が圧倒的に少ないそうです。
腰痛、負の連鎖!
- 腰が痛いから、寝返りが打てない
- 寝返りが打てないから、ますます腰痛に
- まさに負の連鎖……
そこで慢性腰痛に人たちに、寝る前に「寝返りを増やしせるストレッチ」を習慣化してもらったところ、多くの方で寝返りが増え、腰痛が改善されました。
そうです。
寝相が悪いのはとても良いことだったのです。
寝返りをゴロゴロと打っているのは、健康の証!
ベッドで子供と添い寝をすると、親は寝返りが打てなくなる
欧米では、赤ちゃんは生まれた時からベビーベッドに寝かせると言いますが、日本などアジア諸国では添い寝が多いそうです。
わが家では、生まれて数ヶ月は赤ちゃんを真ん中にして川の字で寝ていました。ダブルベッドで。
しかし徐々に狭さを感じ、僕だけベッドの隣に布団を敷いて一人で寝るようにしました。ママは授乳をさせながら寝かしつけすることが多かったのと、息子もママがそばにいる方が断然安心するようだったので、ママのみ添い寝を続けたのです。
乳児はなかなか寝返りを打ちませんが、息子の場合、生後5ヶ月で初めての寝返りを打ち、生後8ヶ月でハイハイを始め、1歳で歩き回るようになる頃には、とんでもなくゴロゴロと転げ回るようになりました。大人の寝返りは仰向けから横向きになる程度ですが、現在3歳の息子を見ていると1回転しています。
グルン、グルン!
一方のママは、子供に気づかって極力寝返りをしないようになってしまいました。子供を下敷きにしてしまったり、子供を端に追いやって転落させないようにするためです。子どもを守るためにベッドの端っこで寝るので、クッション性が悪くて身体に良くありません。
それが習慣化したため、嫁さんは最近「寝起きは身体が痛い」と言います。
和室の布団。しっかりと寝返りが打てて、腰痛知らずの健康な身体に!
寝返りの重要性という観点からも、「育児はやっぱり和室で布団がいい」という気持ちがさらに深まりました。
なんといっても布団は高所からの転落が無いので、ほぼ無制限に部屋中転れますもんね。また、添い寝するママも、「マットレスの端っこでジッと耐えながら寝る」という心身のストレスからも解消されます。
腰痛になる要因は寝返りだけではありませんが、寝返りを打たないと腰痛になるという実験からわかるように、寝返りを打てない・打ちづらい状況が続くと、健康が損なわれる恐れがあるのです。
寝返りの比較
- 【洋間・ベッド】寝返りがうてる範囲が狭い
- 【和室・布団】のびのび寝返りできる
また「洋間に布団もありなのでは?」と思う方もいると思いますが、それはおすすめできません。なぜなら、すぐにカビが生えるからです。畳であれば水分・湿気の吸放出作用がありますが、フローリングにはそれがありません。布団やマットレスを床の上に敷きっぱなしで使用していると、あっとう間に裏面がカビだらけになってしまうのです(経験あり)。
どうしても洋間に布団を敷く場合は、週に2〜3回干すようにしましょう。
以上、育児にはやっぱり和室に布団が良い、という記事でした。
【注意】寝ているあいだの死亡事故
最後に注意喚起として、乳幼児の寝ているあいだの死亡事故事例をお伝えします。
2016年9月、大人用のベッドの側面に取り付けた別売りのベッドガードに、生後6ヶ月(体重8kg)の赤ちゃんが挟まり、窒息する事故が起きました。
母親が子供を寝かしつけ、車の中の荷物を取りに行くため部屋を離れたところ、赤ちゃんはママが居ないことに気付き、号泣。母親が戻ると、子供はベッドガードとベッドガードのあいだに挟まって顔がふさがり、窒息していたのです。
母親が部屋を離れたのは、たったの約2分間でした。
救急隊が駆けつけ、幸いにのも一命は取り留めました。
しかし、同様の事故は他にも起きていて、死亡事故にもつながった事例もあります。大人用ベッドは転落の心配があるので、こうしたガードを使用する家庭もあると思いますが、こんな危険が潜んでいたのです。
パパやるでは、この他にも就寝中の事故について紹介していますので、乳幼児を育児中の方は、以下の記事をご覧ください。
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