少子化加速、日本の出生数が初の100万人割れ。晩婚化も進み、初婚平均が男性が31.1歳、女性29.4歳。

僕が生まれた1973年、年間の出生数は209万人でした。そして今年2016年は、98〜99万人の見込みだと発表されました。明治32年の統計開始以降、初の100万人割れです。

1年間に生まれる赤ちゃんの数が、およそ40年間で半数以下になってしまったのです。

今日の日本経済新聞 朝刊一面(2016年12月22日)

2016年生まれの子どもの数が100万人の大台を1899年の統計開始以降で初めて割り込む。98万~99万人程度になる見通しだ。20~30代の人口減少に加え、子育てにかかる経済的な負担から第2子を産む夫婦が減っており、少子化の進行が改めて浮き彫りになった。
出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず 厚労省16年推計:日本経済新聞

少子化が困る最大の理由 年金、医療、福祉(介護)制度が維持できない!

社会保障給付費の推移
画像参照元:社会保障給付費の推移:厚生労働省

政府が、少子化対策に必死に(?)なっている最大の理由はこれです。

若者の人口は減り続けていますが、それに比べて高齢者は増加しています。お年寄りが増えることで、「年金」「医療」「福祉」の分野での支出が急増。1970年(昭和45年)は3.5兆円だった社会保障給付費が、2016年には118兆円に膨れ上がっています。

これらの資金源を支えているのは、主に働く世代です。

若者が減り続けると社会保障が維持できなくなるので、少子化対策に力を入れているのです。

少子化対策と言いつつ、保育園は足りない、社会は厳しい、年金も払えない

貯金通帳。貧乏でお金がない。

少子化のデメリットは、社会保障だけに限りません。

働く世代が減ると日本の国力(GDP、防衛力など)が低下し、経済が悪化すると国内の犯罪が増え、税収入が減ると治安維持や行政サービスが手薄になり、人口が減ると地方はますます過疎化し……などが懸念されます。

でもそんなことは、みんなわかっているのです。

それにも関わらず、近年のニュースを見ていると「保育園の新設に反対する運動が起きたり」「世界と比較し日本人男性の育休取得率・取得日数が極端に少なかったり」「妊娠・出産で女性が復職しずらかったり」など、子育てしやすい環境は整っていません。

 

また先日、国民年金に関してこんなニュースもありました。

国民年金の保険料を滞納している人のうち9割以上が、所得が低いため申請すれば支払いの一部もしくは全額を免除される可能性が高いことが分かった。(中略) 厚労省は「対象者のうち相当数が督促済み。強制徴収できる対象者はかなり限定的だ」としている。
年金滞納者、9割が免除対象 低所得者の強制徴収に限界:朝日新聞デジタル

近年、国民年金の納付率の低さが問題視されています。未納率はおよそ4割で、半数近い人が国民年金を支払っていないのです(参考:日本経済新聞)。そういった未納者を対象に電話や封書で督促を行なったところ、実際に支払えるのは1割程度で、9割は低所得のため免除対象者に該当することがわかったそうです。

簡単にいうと、

「年金はちゃんと払え!コラ〜」
「収入が低くて払えません」

が、実情だったのです。

 

問題をまとめると、以下のとおり。少子化はどうやったら打破できるんでしょうね?

  • 保育園が足りない
  • 企業は出産・子育てにまだまだ厳しい
  • 低所得者増加で、年金納付者が減少
  • 社会保障費が莫大

日本政府はかつて、少子化を推進していた

画像:池上彰のニュースそうだったのか!! テレビ朝日(2016年11月26日放送)より

テレビ朝日の「池上彰のニュースそうだったのか!!」で先日知ったのですが、昔、日本の政府は『なんとか人口を減らそうとしていたことがある』のだそうです。

1974年、日本教育会館虎の門ホールで「第一回 日本人口会議」が開催されました。このまま日本の人口が増え続ければ「食糧不足になる」「仕事がなくなる」と話し合われ、なんとか子どもの数を減らそうとしていたそうです。当時の新聞の見出しには「限りある資源 人口抑制を」と書かれています(毎日新聞 1974年7月2日)。

また、「子どもは二人までにしましょう」と、産児制限も推進されていたとのことです(朝日新聞 1974年7月5日)。

池上さんは「当時の日本政府の方針は達成された」「目先のことばかり考えて先を見る目がない」と皮肉っぽく締めくくっていました。確かに、そのとおりですね。

ちなみに、人口抑制政策を打ち出していた頃の首相は田中角栄。今、田中角栄ブームが再来していますが、彼を天才と言い切っていいのかはわかりません。

結婚の平均年齢が上がり、子どもが授かりにくくなっているという現状も

男女が座っている
「結婚しようよ」「年収は?」

また、最初の日経「出生率100万人割」の記事に、未婚率の上昇、初婚結婚年齢の上昇、についても書かれています。

婚姻数は16年1~7月の合計で36万8220組で前年同期に比べ0.7%減った。結婚する年齢も上昇しており、15年時点の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性29.4歳だった。晩婚化に伴い、第1子の出産年齢が上がると第2子以降の出産は減る傾向にある。
出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず 厚労省16年推計:日本経済新聞

生涯独身であったり、結婚時が高齢であったりすると、当然、妊娠や出産の機会は減るでしょう。女性の社会進出や、価値観の多様化などが背景にあると考えられますが、やはり経済問題、不景気による低収入が大きく関わっていると思います。

さて、皆さんはどうしますか?

日本の少子化と高齢化、そして人口減は、このままでは避けられないでしょう。

「まぁ、国がちゃんとしてくれるでしょ」と楽観視するか、「人工知能が発達して労働は機械が代用してくれる」とテクノロジーに期待するか、「外国の言葉や文化を学び、海外でも暮らせるように」と日本居住以外の選択肢も準備しておくか、それとも……。

とにかく、自分、そして家族にとって何が大切か。そんな本質的なことを考える良いきっかけになるのではないでしょうか。