いじめは、どうやって乗り越えるのか? SOSは喜怒哀楽を超えた緊急警報、絶望に追い込まないで

岩手県で、中学2年生の男子生徒が、いじめを苦に自殺。大きな話題になっています。

苦にしていたのは「いじめ」ですが、「SOSに応じてもらえなかった絶望」が自殺を決意する引き金になったと言われています。

【生活記録ノート】生徒からの助けを、無視した中学担任

生徒と女性担任が交換していたノートで、生徒は「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」と書いたが、担任は「明日からの研修 たのしみましょうね」と翌日からの学校行事(合宿)に触れただけだった。6月30日ごろの記述とみられ、このSOSが生徒の最後のメッセージとなった。

岩手・中2自殺:校長「いじめ知らなかった」:毎日新聞 より一部引用
(【追記】記事公開終了しました)

テレビ朝日「モーニングバード」
テレビ朝日「モーニングバード」

亡くなった生徒「ぼくがいつ消えるかわかりません。(中略) もう市ぬ(死ぬ)場所はきまってるんですけどねw まぁいいか……」

先生「明日からの研修たのしみましょうね」

 

テレビ朝日「モーニングバード」
テレビ朝日「モーニングバード」

亡くなった生徒「先生には、いじめの多い人の名前を教えましょう。もう限界です」

先生「上から目先(目線)ですね」

 

これら生徒から発せられたメッセージは、教育の専門家でなくても、SOSを発しているのがわかります。担任の先生に全責任がある訳ではありませんが、生徒を絶望に追い詰めたというのは、生徒を見守る立場にある先生として、やってはいけない行為でしょう。

いじめを乗り越える方法

ここからは、僕の「いじめ」に対する考え方を書きます。

いじめられた時、それを乗り越えるためにできることは、「立ち向かう」「耐える」「逃げる」といった方法があります。それらは、自分で判断して、自分で実践に移すことができます。

そしてもう一つ、いじめを乗り越える方法があります。それは「人に助けを求める」ということです。

ただ、他人に「自分がいじめられている」と伝えるのは、とても勇気がいることです。

大人の世界でも、パワハラやセクハラといった大人のいじめがあり、そのことを人に相談できず、辛い想いをしている人がたくさんいます。大人でも大変なことを、子供が実行に移すというのは、よほどの覚悟の上だと思うのです。

その一大決心をむげにされたら、もう手立てがなくなり、絶望の淵に立たされることになってしまいます。

警察嫌いの友人の話(先生に絶望させられた話とつながります)

僕の友人に、やたらと警察が嫌いな奴がいます。警察がそこまで嫌う理由を直接聞いた訳ではないのですが、日頃、何度も話をしているなかで、ピンと来ました。

彼が幼かった頃、家庭内である大きな問題が発生しました。子供だった彼には、どうすることもでません。

悩みに、悩み抜いて、交番に飛び込んだのです。

しかし、警察官からあしらわれてしまいました。なぜなら、警察は家庭内の問題には干渉できないからです。もちろん、暴力など刑事事件に関わる問題であれば、警察が対応してくれますが、彼の家でおきた問題はそうではなかったのです。

だけど、そんなことは子供にはわかりません。「もう、そこしかない……」と頼ったお巡りさんに何もしてもらえなくて、それがトラウマとなり、警察のことが一切信頼できない大人になってしまったのです。

悩んで、悩んで、悩んで、悩んで……人に助けを求め、そこで助けてもらえなかった場合、かなりのショックを受けるのだと思います。

SOSを感じたら、最優先で向かい合わないといけない

SOSを発信するというのは、よほどの事です。

喜怒哀楽という人の感情を表す言葉がありますが、SOSはその枠を超えた緊急警報。もしそれに気づく事ができたなら、ただちに向かい合わないといけません。

自ら命を絶った岩手県の中学2年生。自殺にいたる証拠として存在しているのが、担任と生徒のあいだで交わされた生活記録ノート(交換ノート)なので、特に担任のみがバッシングされているようですが、亡くなった男子生徒がSOSを発信していたのは、何も担任の先生だけではないかもしれません。

誰かがそのSOSを受け取って、そこで立ち止まって向かい合っていたら……。

過ぎたことを「もし……」と言っても仕方がないのですが、やっぱり可哀想で、悔やまれます。

いじめられている子へ

君が、人から暴力をふるわれたり、嫌なことを言われても、君は自分自身を責める必要はまったくありません。悪いのはいじめる奴です。君から見れば、いじめてくる奴は、強くて、すごい奴に思えるかもしれないけど、人を傷つけて喜んでいるというのは、とてもつまらない人間です。

そんなつまらない奴なんて、相手にしなくていいんです。でも、それでもしつこい場合は、「すごい奴、こわい奴」という思いを捨てて、「つまんねー奴だな!」と思うのです。そうすれば、「はいはいはい、また言ってるよ(またやってるよ)」と、これまでと見えかたが変わってきます。

それでもまだしつこい場合は、そいつがどんな嫌がらせをしたのかメモしておいてください。「いつ、どこで、何をされたか」。それがあれば、君が大人に助けを求めたとき、「ほんとうにいじめられているんだ」という事実を、信じてもらえることになります。大人の世界では、それを証拠といいます。

とにかく、「自分が悪いから、いじめられるのでは」と気を落とす必要はまったくありません。悪いのはいじめる奴で、いじめる奴は、とてもつまらない人間なのです。

SOSを受け取った大人へ

助けを求める言葉や態度を、無視しないでください。向き合ってあげてください。

これは大人でも同じだと思います。辛いときに、たった一人でそれを抱え込んでいたら爆発しそうになるでしょう。だけど、あなたの悩みを聞いてくれて、親身になって、味方をしてくれる人がいれば、ずいぶん心が楽になるのではないでしょうか。

心が楽になれば、冷静さを取り戻し、勇気を得て、新たな一歩を踏み出すことができます。

子供は大人と比べると、見えている世界が狭く、学校と家庭で行き詰ったら、逃げ場を失ってしまいます。新たな一歩を踏み出すことができるということを、まだ知らないのです。

子供がSOSを発信していたら、ぜひ立ち止まって向かい合ってあげてください。絶望の淵に追い込まないでください。

 

最後に。
岩手県の亡くなった中学2年生の男の子が、どうか天国で幸せに暮らせますように。

The Black Eyed Peas – Where Is The Love?

ひどい世の中だ。「愛」はどこへ行ってしまったんだ。神様、教えてくれよ……。

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