ストライダーで死亡事故、4歳男児が一般道路で車と接触

ストライダーに乗った子どもが車と衝突し、死亡する事故が起きました。

事故を報じた山陽新聞digitalによると、2018年9月13日、岡山県倉敷市の市道交差点で、ペダルがなく地面を蹴って進む幼児用二輪車『ランニングバイク』に乗っていた4歳の男児が、左折してきた軽貨物車と衝突。男児は全身を強く打ち、出血性ショックで死亡した、とのことです。

現場はゆるい下り坂で、交差点には信号機は無し。犬を散歩しながらの祖父と一緒にお出かけしていたところでした。

記事では、ランニングバイクのメーカー名・商品名の記載はありませんでしたが、男児が乗った物として、緑の「ストライダー」の写真が掲載されています。

*【追記・重要】翌年・2019年7月17日、消費者庁が声明を発表しました。「ペダルなし二輪遊具による子どもの事故に注意!-道路や坂道では乗らないこと、ヘルメットを着用することを徹底しましょう」

ストライダージャパンが声明発表「重大事故発生について」

ストライダーは、2007年にアメリカで誕生した子ども用自転車。ストライダー社創業者のライアン・マクファーランド氏が、自身の子どものために市販の自転車を改造してつくったのが始まりです。

その後アメリカで商品化され、2009年頃から日本でも輸入販売されました。

この事故を受け、現在日本でストライダーを正規輸入販売しているストライダージャパンが、公式サイトで声明文を発表しています。

ランニングバイクでの重大事故発生について

2018年9月13日夜、岡山県倉敷市において4歳のお子様がランニングバイク走行中に、市道交差点内で車と接触し亡くなるという痛ましい事故が発生いたしました。誠に悲しい出来事であり、心からお悔みを申し上げる次第です。

日頃よりストライダーをはじめとするランニングバイク全般の安全啓蒙及び使用ルールの周知を実施して参りましたが、それが行き届いていなかったことを重く受け止めております。誠に残念でなりません。

このような悲しい事故が二度と起きないよう、今後さらなる安全啓蒙活動、安全使用ルールの周知徹底を実施していく所存です。

また、日本キッズバイク安全普及推進協会(JKSA)とも連携し、事故防止に向けた取り組みを強化して参ります。

ユーザーの皆様におかれましても、ストライダーの安全 3 原則「公道走行禁止」「ヘルメット着用」「保護者監督のもとで遊ばせる」を、くれぐれもお守りくださいますよう何卒お願い申し上げます。

ストライダージャパン(株式会社 Ampus)
代表取締役 岡島和嗣

ストライダージャパン 公式サイトより引用

ストライダーの安全 3 原則「公道走行禁止」「ヘルメット着用」「保護者監督のもとで遊ばせる」

声明文にもある「ストライダーの安全3原則」とは、以下のとおりです。

ストライダー3つのルール
ストライダーは安全に遊ぶための3つのルールがあります。

  1. 公道走行禁止
    ストライダーは自転車ではありません。公道を走行する行為は絶対におやめください。
  2. ヘルメットの着用
    ストライダーで遊ぶ時は必ずヘルメットをかぶりましょう。
  3. 遊ぶときは保護者同伴
    お子さまが走行中保護者の方は決して目を離さないで下さい。

ストライダー3つのルール

1歳半から乗れるストライダー、ブレーキがないので公道での走行は禁止

ストライダーは、米国の安全規格「CPSC」と、EU加盟国の玩具安全基準「CE」を取得しています。

ストライダーの正規品には、1台1台にシリアル番号がラベリングされています。

玩具としての安全性は米国・EUでは保証されていますが、日本において、自転車として公道(道路)を走行することは禁止されているのです。

その理由は、ストライダージャパンの「よくある質問」ページに書かれています(参考元リンク)。

  • ストライダーがクランク(ブレーキ)が付いていないため、道路交通法上、軽車両(自転車等)ではなく遊具に該当する
  • 軽車両ではないので、公道を走行することは一切できない
  • ストライダーの対象年齢は1歳半から
  • 1歳半〜3歳の児童には、ブレーキレバーを握る握力は備わっていない

 

ストライダージャパンは、サイト内のあらゆるページに「ストライダーで公道を走行する行為は大変危険です・絶対におやめください」と記載しています。他にも、安全に走行するためのルールを周知させる活動や、無料メンテナンスキャンペーンなども実施しています。

■補足
ストライダーは対象年齢は、かつて2歳からだったのですが、2018年7月18日より変更になりました(参考元リンク)。

【旧】対象年齢:2歳~5歳
【新】対象年齢:1歳6ヶ月~5歳

消費者庁 道路では乗らない・ヘルメット着用を徹底

【年齢別】ペダルなし二輪遊具による子どもの事故発生件数
画像参照元:消費者庁 【年齢別】ペダルなし二輪遊具による子どもの事故発生件数

4歳児の死亡事故からおよそ1年後、消費者庁は「ペダルなし二輪遊具による子どもの事故に注意」と注意喚起を発表しました。資料より引用しながら紹介します。

2011年〜2018年にかけての事故発生件数は106件(医療機関ネットワーク事業発表) 。その数は年々増加しています。

年齢別では、3歳児が43件で全体の約4割と最も多く、それに続く2歳児(27件)と4歳児(26 件)を含めると9割を超えています。

危害を受けた部位としては、顔が全体の2/3を占め、頭部と合わせると、首から上で約8割となっています。4歳以下では頭部と顔の割合が高く、重心が頭 部寄りにあり、頭から落ちやすいためと推測されます。

また、事故発生場所は、およそ半数が一般道路です。そのうち半数超が坂道で発生しています。

主な事故事例

事故発生場所円グラフ
画像参照元:消費者庁 事故発生場所

ストライダーなど、ベダルなし二輪車は道路交通法上、自転車ではありません。そのため道路(公道)での走行はできないのですが、道路で走行し、事故が多発しています。

【事例1】坂道で止まれず電柱に激突(4歳)

ヘルメットは装着していたが、道路で乗っていた。坂を下りているときに止まれず電柱で顔面を打撲した。下唇が腫れ上がり出血。上の歯ぐきも出血。

【事例2】道路で一回転、顔から地面に激突(3歳)

下り坂を走行中、道路の凹みに引っかかって、止まれず頭から地面に激突し、その勢いで前方に 1 回転した。おでこに 1 センチ程度の切り傷、唇が腫れ上がり、左腕と 右膝に擦り傷。ヘルメットは装着していた。

【事例3】ヘルメット未着用で、道路で止まれず転倒(2歳)

ヘルメットを着用せず、道路で乗っていた。歩道を走行中、交差点で止まろうとした際によろけて右側に転倒。その際に走行中の自転車のスタンドに右側頭部を打撲し た。頭部の切り傷を1針縫合。

事故を防ぐための6つの注意点

  1. 道路で使用しない
  2. 坂道など危険な場所では絶対に使用しない
  3. 子どもだけで遊ばない
  4. ヘルメットを着用する
  5. 使用する前に部品に緩みやがたつきなどがないか、確認しましょう
  6. 定期点検だけでなく、自転車として使用する際には、念のため販売店や自転 車専門店に作業を依頼しましょう(*1)

*1. ペダルとクランク、チェーンをつけて、自転車としても使えるペダルなし二輪遊具もある。

ストライダーなどのキッキバイク、路上で乗るのは絶対にやめましょう!

キックバイク、別名バランスバイク、ランニングバイクは、ストライダーに限らずいずれも公道を走れるようには作られていません。しかも、対象年齢となる未就学児は、交通ルールを守ったり、しっかりとした安全確認をしたりすることはできません。

そうした状況であるにも関わらず、路上でブレーキのないバイクに乗っている子どもを多く見かけるのが実情です。

ご利用中の方は、どうか安易に路上で乗らせないよう、くれぐれもご注意ください

お亡くなりになった4歳の男の子に、心よりご冥福申し上げます。

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TBS NEWS より引用

 

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