息子が通う認可保育園で努めさせてもらった父母会(保護者会)の会長、一年間の任期が終わりました! 先日、新年度の役員チームにバトンタッチをし「開・放・感!」です。笑
父母会というのは、小学校で言うところのPTA。保護者が主体となる団体で、保育園と連携を取りながら親睦を深め、「子供たちの幸せのためにがんばろ〜!」という集まりです。新年度がはじまり、「父母会の役員になっちゃったよ。どうしよう……」なんてドキドキしている方は、きっと日本中にたくさんいることでしょう。
さて今回は、そんなフレッシュな父母会役員さんに向けて、僕が一年間経験してわかった「父母会運営のコツ」をお伝えします。ただし長文です。5,000字以上ありますので、興味がある方のみどうぞ!
【自己紹介】僕は初心者です。よそ者、保育園2年目、ひとりっ子
具体的なお話をする前に、まずは改めて自己紹介。
僕たち夫婦は、大阪出身の東京在住。子供はひとり息子で、世田谷区の認可保育園に通っています。
そもそも父母会やPTAって、地元に馴染みがある方が幹部としてリーダーシップをとるイメージがあるのですが、僕は「よそ者」かつ「保育園初心者」で父母会会長になりました。
息子は0歳児で保育園に入園し、1歳児クラスに進級するときに、前任者さんから「早めに役員を引き受けておいた方が楽だよ。重要な役職は4〜5歳クラスが引き受けてくれるからね〜」とアドバイスをもらいました。
だったら早いうちにやっちゃおうと思い、「はいっ! 来年のクラス役員は僕がやります」とクラスの保護者会で挙手。セコいきっかけから父母会役員へとなったわけです。
そして後日、父母会の役員が集まる会合に出席したところ、来年度の三役(会長・副会長)希望者がおらず、ジャンケンで決めることになってしまいました。そこで僕はジャンケンに、負けに、負けて……。
そうです。
やる気満々で会長になったわけではなく、「楽をしよう」とセコいことを考えていたら、まさかの会長になったというわけです。超かっこ悪い経緯ですね。
<父母会の構成>
・【父母会会員】100数十名
・【父母会役員】15名
・【役員男女比率】男性1:女性4
*「男女比率について」- 園児の保護者が役員となるので、対象はたいてい夫婦になるのですが、ほとんどの役員さんは妻か夫のいずれか一方が表立って活動しています。
父母会役員、3つの苦労と解決方法
さて、いよいよ本題。父母会役員をやりとげるコツを、「苦労」と「良かったこと」の両面から解説して行きます。
まずは、僕が直面した3つの苦労と、その解決方法から。
【苦労その1】知り合いがほとんど居ない。誰が誰だかわからない!
地元だったり、子供が年中・年長さんだったり、兄弟がいたりすると、すでに保育園内にママ友・パパ友・顔見知りが多いと思います。
でも、僕はさっぱりです。保育園は1年しか経験していないので、顔なじみは同じクラスの保護者さんと、お迎えの時によく会う保護者さん数名くらい。
新年度の父母会がスタートし、会長として「総会」や「入園式」で挨拶をしても、目の前にいる人の9割が知らない人。こんな一対大勢では、みんなの顔を覚えられない!
でも僕は、男だし、大阪弁だし、いつもラフな私服だし……などでインパクトがあり、すぐに覚えてもらえました。中には「パパやる見てますよ♪」なんて方もいてビックリ(パパやるでは認可保育園名を伏せているので)。
とにかく、僕は覚えられているのに、僕はみんなのことを全然覚えられない、という日々がしばらく続いたのです。せめて役員さんだけでも……と思っていても、それもなかなか難しかったです。
これは「特徴即メモ術」で、少しずつ克服することができました。それでも役員さん全員の顔を覚えるまで半年ほどかかりましたけどね。
■パパやる関連記事
保育園の先生や子供の名前を覚えるコツは、特徴をどんどんメモ。新学期の4月が最適!
【苦労その2】レスポンスがなく、やりとりが堅苦しくなる
うちの保育園では、役員間の連絡網はメーリングリストを活用しています。
LINEグループやFacebookグループなどのSNSを使う手もあるのですが、「プライペートまでつながりたくない」「ガラケーしか持っていない」などに対応するため、あえて旧式のメールを採用しているわけです。
僕が会長になったとき、最初に役員全員のメールアドレスをメーリングリストに登録し、確認用に一通のメールを配信しました。「挨拶文」と「届いていたら返信をお願いします。簡単に『届いたよ!』でOKです^^」といったシンプルな内容で。
でも、メールの返信は1〜2通しか来ない。残りの12〜13名からは何のレスポンスももらえなかったのです。メールアドレスの収集は手書きで用紙に記入してもらったので、「登録を間違ったかな……?」と、不安を感じていました。
あとでわかったのですが、みんなには届いていました。メールの返信は、どうも気をつかうのだそうです。
そこで僕は「交流しやすい雰囲気を作らないといけない!」と思い、ふたつのことを実行しました。
- (1)様付けではなく、さん付けにする。
- (2)父母会役員メールマガジンを毎月発信する。
まず(1)の「さん付け」は、仕事でもないのに「様」は堅すぎると思ったからです。僕は毎回「さん」で統一し、メールの文面もわかりやすさと明るさを重視して書くようにしました。
そして(2)のメールマガジンは、役員さん向けにほぼ毎月配信しました。内容は「各役員さんの1ヶ月間の活動実績」と「今後の予定」、そして「僕からの一言コラム」です。
メールマガジン配信の狙いは、「情報共有」と「みなさんの活動をサンクス&リスペクトしていますよ!」と、心を伝えるためです。なかには「メルマガすごくいいですね〜!」と返信をくださる方が出てきて、徐々にメーリングリスト内の堅苦しさが和らいで行きました。
■パパやる関連記事
PTAや父母会、保護者間の連絡網は何が最適? メーリングリスト、LINE、Facebook……それぞれのメリット・デメリット
【苦労その3】仕事と家事と父母会、両立が大変! 人に頼むのが苦手
父母会の役員は一年中忙しい訳ではありません。各担当さんは、自分の出番が来たときに活動すれば良いので、何もないときは何もありません。
僕の会長という立場は、みんなの活動を見守ることと、父母会と園長先生との橋渡しをすることです。年度の前半は父母会業務で忙殺されるような事はなかったのですが、後半の12月〜4月にかけては猛烈に忙しくなりました。
- 来年度の役員選出
- 父母会の決算準備
- 総会に向けての資料作成、など
実務は会計さんや書記さんがこなしてくれたのですが、事前準備や確認作業もあるので、僕もわたわたと忙しくなってしまったのです。そんなとき、個人的な仕事の忙しさが重なってしまい、特に1月中旬から2月中旬は、毎日3〜4時間しか睡眠時間をとれない日々が続きました。
夜、自宅で作業をしていると息子(当時2歳)が遊びに来てはかどらないので、毎晩カフェでパソコンとにらめっこです。
そんなときです。
副会長さんが夫婦で、熱烈に助けてくれました!
副会長さんのご家庭には0歳児と2歳児のふたりのお子さんがいるので、ただでさえ育児だけでも不眠不休になりがちです。でも副会長ご夫婦は、僕からどんどん仕事を奪い取ってくれて、次々とこなしてくれたのです。
「ヒーロー……」
心の中で泣きました。ありがとう!><
解決方法は、困った時は人に頼るということですね。僕の場合は、見かねた副会長が助けてくれただけですが。
保育園父母会最高! 役員をやってよかった3つ幸せ
苦労の次は、父母会の役員をやって良かったことを3つお伝えします。
【良かった事その1】子供たちがめちゃくちゃ盛り上がることがわかった
行事担当の役員さんが、プロの劇団に出張を依頼し、保育園で園児のために「人形劇」を披露してくれました。
子供って本当に純粋というか、ものすごく盛り上がるんです。「海外からトップスターが来日したのか!?」と思えるほどの絶叫ぶり。保育園がまるでフェス会場のように湧くのを目の当たりにしました。
これは父母会役員としてもモチベーション・アップ! 子供達ってめちゃくちゃピュアなんですね。そんな可愛すぎる子供心を知ることができました。
■パパやる関連記事
保育園で父母会主催のイベント「人形劇」。園児たちの大興奮っぷりに保護者も爆笑
【良かった事その2】保護者さんと交流が持てる
父母会といっても、保育園全体のイベントだけではなく、各クラス単位での親睦会も実施しています。
僕たちのクラスでは、去年一年間に3回、休日に家族で集まって遊びました。室内の会場を借りて料理をケータリングしてもらったり、お弁当持参で公園にゴザを敷いてピクニックをしたり。
保育園は働いている親がほとんどで、送迎時はいつも慌ただしく親同士の交流があまりありません。でも、休日に集まることで、ゆっくりと交流することができるのです。僕の嫁さんは、ここをきっかけに他のママとLINEやメールを交換して、週末に公園で一緒に遊んだり、遊び場情報を交換しあったりするようになりました。
■パパやる関連記事
ゆる親睦会のススメ。保育園・幼稚園、保護者の集まりは「地元の公園集合」が気楽で最高です!
父母会・保護者会の会長って何をしたらいいの? 他の保育園とパパ会をしました
【良かった事その3】地域に関われる嬉しさ
ひとつひとつのミッションを、複数の役員が力を合わしてこなして行く。
やっているときは大変なこともありますが、他の保護者さんから感謝されたり、子供達から喜ばれたりすると、「やってよかった!」と感じます。疲れや苦労は一瞬で吹き飛びますね。
これは個人的なことなのですが、僕は大阪の岸和田市という街で生まれ育ちました。「だんじり祭」という大きなお祭りが毎年開催されているのですが、地域ぐるみで何ヶ月にも渡って準備をします。そんな祭や寄り合いがあるのが当たり前の環境でずっと生活していたので、東京に引っ越してから「仕事」と「家庭」だけというのは、ちょっと物足りなく感じていました。
保育園の父母会役員をさせてもらいながら、「祭に情熱を掛けていたあの頃みたいだな……」と、ふと懐かしさが蘇ることがあったのです。
僕たち家族はよそ者です。父母会に参加することで地域活動に関われたのは、純粋に嬉しかったです。
父母会新年度につたえたこと
さて、ここまで僕が父母会会長を経験してわかったことをお伝えしましたが、最後に、来年度の役員さんに伝えたことを少しご紹介します。
▼僕が配信した最後の「父母会役員メーリングリスト」より
★新役員の皆さんへ★
新たにはじまる1年間、どうぞよろしくお願いします。
「上手くできるかな?」「どんな空気感なのかな?」という不安があるかと思います。でも、ほとんどの役員さんが、初めての役員経験です。ぜひ、皆さんで助け合いながら盛り立ててください。このメーリングリストは、役員間のコミュニケーションツールですので、まずは気楽に投稿してみるのも良いと思います。
もちろん、困ったり、悩んだりしたときは、前任者へもご相談くださいね。
★旧役員の皆さんへ★
一年間に渡り、お役目ご苦労さまでした。クラスを越えて皆さんとご一緒できて楽しかったです! 今後は、次の役員さんのサポート役として、どうぞよろしくお願いします。
★最後に★
そもそも保育園とは福祉施設です。
親が働いていたり、病気だったりなどの理由で、家庭で十分な保育ができない方をサポートするために保育園があります。そうした生活環境のなかで、父母会の役員を引き受けるというのは、誰しも容易なことではありません。
僕は一年間の役員を経験させていただき、父母会の役員とは、相互に思いやり、助け合いながらやって行くものだと理解しました。僕自身はずっと手探りでしたが、皆さんに助けてもらいながら、なんとか4月までたどり着くことができたと強く感じています。
ささいなことでも気を配ってみる。
それが父母会運営のコツであり、父母会そのものの役割でもあるのかなと思います。
それでは皆さん、以上です。
総会にてよろしくお願いいたします。
新年度の役員チームにバトンタッチする役員総会では、僕は去年の反省を踏まえて、みんなで自己紹介をしあったり、集合写真を撮ったりしました。また、僕は見た目が胡散臭いオジサン会長でしたが、新会長さんは喋りが上手で明るく美人の女性です。きっと楽しい父母会になるんじゃないかなぁと思っています。
僕のやり方が正しい訳ではありません。
父母会の役員になってしまった方、他の方も不安を感じていると思うので、まずは堅苦しくならずに雰囲気作りから始めてみてはどうかなと思います。がんばってください!