ゲームと駄菓子、禁止にすると他所で執着する

X(旧 Twitter)で、「小学3年生の息子にゲーム機を与えていない。でも、友達は持っている。どうすべき?」というご家庭のお母さんの投稿が話題になっていました。

この話題はうちにとってもタイムリーで、僕自身が思うところもあったので、ブログ「パパやる」で書いてみます。ちなみに、わが家の息子は現在小学4年生。去年、小学3年生の4月にNintendo Switchを購入しています。

小3息子。ゲームを与えていない我が家。お友達がみんなSWITCHを持ってきて遊んでいるらしく、『仲間はずれにされたくなくて、持ってるけど家にある』と嘘を付いていると打ち明けられた。お友達がSWITCHで遊んでるときは、ひとりでボール遊びしているらしい。 さて、どうするか…

 

引用元:はるるん 投資初心者(現在ポスト非公開)

息子の友達が「スイッチを持って集合な!」と遊んでいるのを見て、小学3年生でゲーム機を購入

Nintendo Switch

わが家の息子はゲーム好き。でも、プレイするのはもっぱらパソコン。5歳の頃からMacで遊んでいます。ゲームのスキルだけでなく、今ではキーボードのタイピングも爆速です(ローマ字打ち)。

夢中になったパソコンゲーム推移
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そんなパソコン派の息子ですので、家庭用ゲーム機には一切興味がありませんでした。しかし、小学校の友達(男子)の多くがNintendo Switchを持っていて「スイッチを持って集合な!」みたいな遊び方をしているのを見て、夫婦で話し合った末、親の判断で購入を決意。小学3年生、9歳の誕生日にプレゼントしました。

ただ、親の意向で買ったので、やっぱり触るのはパソコンばかり。しばらくはスイッチにほとんど見向きしなかったのですが、数ヶ月経った頃に「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」や「スプラトゥーン 3」などを友人と楽しむようになりました。

……と、ここまでが前置き。ここからが本題です。

ゲームをしたがっている子にゲーム機を買い与えないと、友達の家など他所で執着する

Nintendo Switchを楽しむ子どもたち
うちに遊びにきてくれたお友だち

子どもに対して、ゲームを禁止にしているご家庭は結構あります。

ただし、すべてを禁止にする訳では無く、「学習系のゲームアプリなら良い」「パズルゲームならOK」「ファミコンやプレステなど昔のゲーム機はさせている」など、一部を解禁している場合があります。最近のゲームは、課金やオンライン対戦などで子どもをゲーム中毒にさせる要素が高まっているので、親として警戒する気持ちは理解できます。

しかし子どもが小学生になり、友達同士で遊ぶようになると、どうしてもゲームに触れる機会が出てしまいます。Nintendo Switchを公園に持ってくる子はたくさんいますし、学校でもゲームの話題で盛り上がっています。また、学校から支給されるタブレットやパソコンでYouTubeを開けば、ゲーム実況の動画がどんどん出てきます。

そもそもゲームにさほど興味が無い場合は良いのです。先日、小学校で知り合ったパパとの会話で「僕自身ゲームが好きなので息子にもさせてみたら、全く興味を示さなくて公園遊びばかりなんです」とおっしゃっていました。他にも、兄弟でゲームへの興味の差がすごくある場合もあります。

でも、ゲームにとても興味があるにも関わらず、親から禁止されている場合は違います。子どもはすごく我慢を強いられます。「ゲームをしたいのに、親にゲームを与えらていないのでできない」「友達ともゲームで遊べない」「友達との会話に入れない」など、ストレスを抱えてしまうのです。

わが家はゲームにある程度寛容ですので、うちに遊びにきた子はゲームに触れることになります。ゲームを禁止・規制している子が遊びに来る際、可能な場合は事前に「うちはゲームをするけど大丈夫ですか?」と、その子の親御さんに伝えています。

そうして遊びにきた子を見ているとすぐに気づくのですが、すごくゲームに執着するのです。

うちに来たらゲームができると知っている子は必死。ゲーム機を独占して「これは俺のだ!」と言わんばかりに、延々とNintendo Switchのコントローラーやスマートフォンを握りしめ続けます。

1分、1秒でも、多くゲームをしようと目の色を変えています。

スナック菓子・駄菓子禁止も同様、親のいないところで執着する

学童保育(世田谷区・新BOP)で出るお菓子の見本
学童保育(新BOP)お菓子の見本

これと同様の現象は、スナック菓子・駄菓子でも起きています。

小学校に上がると、学童保育(通称:学童)を利用されるご家庭は多いかと思います。その際、学童で駄菓子がでるのです。

わが家は東京都世田谷区の公立小学校に通っていて、世田谷区が地域の児童館と連携して各学校内に設置している新BOPと呼ばれる学童を利用させてもらっていました。そこでは、毎日スナック菓子や駄菓子が振る舞われました。

家庭で駄菓子などを禁止されている子は、すごく必死になるそうです。たとえば、みんな2〜3個選んで食べているときに、ガバッと大量に取ることがあると聞きます。

また、先のゲームのときと同様に、駄菓子禁止の子がうちに遊びに来た際は、口いっぱいにお菓子を頬張っていました。こちらも、可能な場合は事前に「うちはスナック菓子を食べているけど大丈夫ですか?」と、その子の親御さんに伝えています。

ひと口でも多く、1秒でも長く、お菓子を食べようと焦っている様子です。

お菓子禁止の子が、お友達の家でお菓子を大量に食べる漫画のワンシーン
画像:野原広子・著「赤い隣人~小さな泣き声が聞こえる」より引用

【カリギュラ効果】禁止されるほど欲求が高まる心理現象

カリギュラ効果についての解説文

カリギュラ効果という言葉をご存知ですか?

1980年にアメリカ・イタリア合作の映画『カリギュラ』が語源で、過激な内容のため一部地域で公開禁止になり、それが逆に人の「観たい」という欲求を高めてしまったことが語源です。

カリギュラ効果
障壁が高いほどやる気が出る

 

子供の頃、「やってはいけません」と言われたことほどやってしまい、親や教師に怒られた経験はないだろうか。これは子供に限ったことではなく、禁止されるほどその物事に対する欲求が高まるという心理的な影響によるものだ。もちろん大人の方が子供より自制できるだろうが、禁止によってその事が余計に気になったり、欲求が高まることは間違いない。

 

中村和正・著『買わせるための心理学』より引用

 

つまり、子ども本人は強く望んでいるのに、親が「ダメだ」と禁止することによって、逆に欲求を高めてしまうという訳です。

これは広告でも使わる手法で、「痩せたい人以外は絶対に見ないでください」「本気の人以外は買わないでください」などのキャッチコピーで興味を惹きつけます。また、日本では昔話でも、決して開けてはいけない玉手箱を開けた『浦島太郎』や、絶対に覗かないでくださいと言われて戸を開いてしまった『鶴の恩返し』などがありますね。

広い世界で生活していて自制心がある大人でもそうなのですから、狭い世界で生きていて自制心が育っていない小学生なら、なおさら禁止されればされるほど欲求を高めてしまうでしょう。

しかも、子どもは親に禁止されているから、外でゲームをしてしまったことや駄菓子を食べてしまったことを親に言えません。親に嘘をついたり、秘密を抱えさせてしまうことにもなるのです。

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禁止ではなく、ルール作りがいいかも

親御さんの中には「絶対にゲームをさせたくない」「スナック菓子・駄菓子は絶対に食べさせたく無い」と望んでいる方もいらっしゃるでしょう。

でも、子どもが成長するにともなって、子どもは自分自身で友達関係を育んでいきます。そうした中において、禁止一辺倒の子育て方針は無理があるといえそうです。

親の意向を押し付けられるのは幼児期まで。小学生入学頃を目安に、子どもの成長に合わせて親子で対話をし、各家庭ごとのルールを考え、そのルールをブラッシュアップし続けるのが良いと、僕は考えています。

長い目で見れば、親子関係が良くなり、子どもの心の成長も支えられることになるのではないでしょうか。

もし、ご意見・ご感想などあれば、コメント欄やSNSでお声掛けいただければ嬉しいです。子育てはいつも悩ましいですね!

ちなみに冒頭のお母さん、この後、Nintendo Switchを購入したそうです。Xを通じてたくさんの意見が寄せられ、それを夫婦で見て購入を決意。そしてお子さんは「夢みたい」と大喜びとのことです。

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