子育てをして気づいた、日本の社会保障のありがたさ。妊娠中から高校生になるまで、もらえるお金まとめ

独身、新婚の頃は、社会保障のありがたみなんてサッパリわかりませんでした。住民税はバカ高いし、国民健康保険はバカ高いし、年金も払い損な気がしてしょうがない……。

見えないところで恩恵を受けているのかも知れないけど、生活費を切り詰めて、税金・保険・年金を払っているのがとにかく辛かった。上京したばかりで生活が苦しかった頃、国民年金の支払いが遅れると、回収代行業社から催促の電話がかかってくる。そのたびに「すいません。しばらく生活費が厳しくて……。月末にはとりあえず1ヶ月分支払いますので!」なんて、まるでサラ金に追われているかのような惨めな気分にもさせられました。

が、しかし!

子育てが始まってから、その想いは一転。行政に対して、「ありがとうございます!」という気持ちが急上昇。(汗) 妊娠発覚から育児中まで、受けた社会保障の恩恵をザッと紹介しますね。

妊娠発覚。まずは、役所とお巡りさんに感謝!

おなかに赤ちゃんがいます。たばこの煙から守ってください。

妊娠がわかったとき、まずは自分が暮らしている(住民票がある)市区町村の役所に「妊娠届け」をし、母子健康手帳をもらいに行きます。母子手帳には医療費の割引チケット(申請書)が同梱されていて、それを使えば産婦人科での検査費用が大幅に安くなります。

あと余談なのですが、僕たち夫婦が役所で手続きを終えたあと、役所前で夫婦で母子手帳を手に記念写真を撮ろうとしたんです(自撮りで)。すると、となりの交番のお巡りさんが「撮りましょうか?」と声をかけてくれました。警察官にシャッター押してもらえるなんて! 「おめでとうございます」と祝福もしていただき、お巡りさんにこんなにも優しくしてもらったのは初めてでした。街は暖かいんだなぁ〜。

母子健康手帳を発行する役所、そして親切なお巡りさんに感謝です!

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母と子の保険バッグ(東京都世田谷区)
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出産時は、費用の負担、さらに手当てまで支給

感無量!無事に赤ちゃん産まれました!育良クリニックにて。

出産には、分娩費と入院費がかかります。良心的な病院では総額42万円程度で収めてくれます。ただし、設備やサービスによって、もっと高額な病院もあります。では、なぜ42万円なのかというと、国民健康保険加入者は「出産育児一時金 」として42万円支給される(お金をもらえる)ので、それと同額にしている病院が多いのだと思います。

ということで、出産は実質無料、ということに。

さらに、出産する母親が会社勤めなどをしている場合、産前42日+産後56日の期間中、「出産手当金」として給与の3分の2が支給されます。産後すぐは法律で就労が禁止されているので、その期間分として支給されるというわけです。

ただし、これは社会保険など、国民健康保険以外の保険に加入している必要があります。無職であったり、フリーランスであったり、社保がない会社に勤めている場合は、残念ながらもらえません。

国民健康保険と、社会保険の制度に、ありがとうございます!

育児がはじまった。育児手当てに、育休手当て

妊娠、出産、育児でもらえるお金と条件まとめ。ただし期間中の保活を忘れると大変な事に!

産後56日の「出産手当金」期間が終了しても、最長、生後1歳2ヶ月になるまでのあいだ「育児休業給付金」として、給与の67%〜50%が支給されます(180日目までは休業開始前の賃金の67%、181日目からは50%)。

ただしこれは、雇用保険加入者に支給されるので、勤めている会社がちゃんと雇用保険に加入している必要があります。小さな会社の場合、加入していない場合が稀にあるので事前に確認してください。

さらに、子どもが中学生になるまで、毎月1万〜1万5千円の「児童手当」が支給されます(3歳未満15,000円、3歳から中学生10,000円)。これは出生届を出したお住いの自治体から支給されるので、無職や育休などは関係ありません。

雇用保険、自治体、ありがたや〜!

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病院が無料! 医療費の助成金

大人が病院へいった場合、医療費は3割負担となります。しかし子供の場合は、多くの市区町村で無料や1回500円など、医療費(薬代含む)の助成制度がもうけられています。

その金額や対象年齢は、お住いの市区町村によって違うのですが、僕が暮らしている東京都世田谷区の場合は、0歳から15歳(到達後最初の年度末まで)が対象期間で、健康保険診療の自己負担分、入院時の食事の自己負担分が助成され、病院は無料、ということになります。

特に幼児期は免疫力が低く、感染病にかかりやすなど、病院のお世話になることも多いので、この制度はとてもありがたいです。

毎月の保険料が高くて文句を言っていたけど、健康保険制度って、こんなに素晴らしかったんですね!

認可保育園、保育料のほとんどが自治体が負担

認可保育園の保育料は、世帯収入(納税額)によって決められます。0円から数万円までと幅は広いのですが、平均的には2万円程度だそうです。

しかし、保育料が本来2万円で済むはずがありません。保育士の給与、施設の費用、給食費用など、それが保護者からの保育料だけでまかなっていないのは、言われなくてもわかるでしょう。

以下、東京都板橋区の事例ですが、園児一人当たりに「本来かかる費用」を公表しています。なんと、0歳児は毎月40万円以上も!

  • 0歳児 406,134円
  • 1歳児 202,984円
  • 2歳児 181,759円
  • 3歳児 108,011円
  • 4・5歳児 97,985円

*参考:板橋区「保育園の運営費用負担割合と園児一人にかかる費用と保護者負担額」(【追記】記事公開終了しました)

この差額分を、自治体が負担してくれています。ちなみに、年齢によって費用が違うのは、園児の年齢に応じて保育士の配置数の規定が違うからです。

自治体、保育園、保育士さんに感謝!

こんなところにも……

これまで、大して活用していなかった街の公園。今は、めちゃくちゃありがたいです! いたるとことにあるし、清潔に整備されているし、安全だし。

他にも絵本がたくさんある図書館や児童施設など、これまで無縁だった地域の施設をしっかりと活用させてもらっています。これらの運営費は税金。いや〜、ありがたい限りです。

独身、新婚時代は払い損だと思っていた税金や保険料ですが、今となっては存分に恩恵を受けています。

時々、子供が関連する凶悪な事件が起きますが、日本は世界的にみても、安全で、清潔で、制度が整った国。アメリカ人に、テレビ番組「はじめてのおつかい」なんて見せるとギョッとされるらしいですね。街には危険がたくさん潜んでいるので、子どもをひとりで遠くに行かせると「ネグレクト(虐待)」とみなされてしまうんだそうです。

子育てをして初めて気づく、日本の素晴らしさ。先人たちの苦労の上に、僕たちは生活させてもらっているんだなぁ、としみじみ感じます。

今、日本が抱えている問題点

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……が、しかし! 日本に暮らす人が、すべて充実した社会保障が受けられるとは限りません。僕だって、冒頭で書いた「国民年金や健康保険の支払いを滞っていたら……」と思いますし、奥さんが勤めていた会社がきちんと社会保険に入っていて育休にも対応してくれたことで、数々の手当をもらえたり、認可保育園に入園することができました。

僕のまわりには、毎日働いているにも関わらず、「もし、今、子どもができたら、生活はどうなるんだろ……?」と不安を口にする人が何人もいます。誰しもが、福利厚生がしっかりとした会社で、正社員で働いている訳ではありません。正社員だとしても、社保がない会社はたくさんあります。

今、日本は「一億層中流」の時代から、貧富の差が広がり二極化が進んでいます。かつて、ビジネスマンたちのあいだで「勝ち組・負け組」という言葉が流行ったように、育児の世代にも格差が生まれています。同じ日本で暮らしていて、社会保障格差が広がってゆくのは、今の大きな課題でしょう。

国民から徴収した税金を、どう使うのかを決めるのは政治家。これまで政治に無関心だった方も、選挙の際に立候補者が掲げる政策や、現職の政治家の動きなどに、目を光らせてゆきたいですね。

あと、妊娠された方は、いろんな手続き忘れずに! 自分でしないと役所からは言ってくれないですよ。

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