赤ちゃんの寝かしつけはマシンが、意思疎通はセンサーが行うと元グーグル社員が育児の未来を予測。スキンシップは不要?
1歳だった頃の息子とペッパー

富裕層経営者向けの経済誌Forbes(フォーブス)の、日本向けウェブサイト「Forbes JAPAN」に、元グーグルの社員が予測する未来の育児について書かれていました。

この記事によると、育児がテクノロジーによって大きく変わるとしています。

たとえば、赤ちゃんを寝かしつけするための「揺らす任務」が機械に取って代わられる。また、赤ちゃんの空腹を察知して授乳してくれるマシンができる。もっと長時間使えるオムツが登場する。センサー技術が進化して、赤ちゃんの意思をマシンが親に伝えてくれる……など。

とにかくテクノロジーの進化により、育児が機械化・自動化され、親の負担が大幅に軽減されるということです。

■関連リンク
元グーグル社員が予測する「テクノロジーと育児」の未来 | Forbes JAPAN

愛情ホルモン「オキシトシン」は無視?

みなさんは、こんな未来についてどう感じましたか?

僕はここに、大きな欠点があると考えました。

女性は出産直後、オキシトシンというホルモンが大量に分泌されると言います。オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、心を穏やかにし、人と人との親密な関係を長続きさせるなどの作用があります。

オキシトシンが出ることで、子供に深い愛情を感じ、守ろうとするのです。

もしオキシトシンが無かったら、育児を放棄したり、子供や夫をそっちのけで不倫に走ったりするそうです。

オキシトシンは出産の際にだけ分泌されるホルモンではありません。人と人が触れあったときに多く出ると言われています。母親に抱かれた赤ちゃんも出ますし、赤ちゃんを抱いた父親にも出ます。もちろん仲睦まじい夫婦の間にもオキシトシンが出ます。

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泣いても抱かない育児、サイレントベビー問題

少し前に「学習机の購入率が48.7%に低下」の記事でも書きましたが、かつて「抱き癖がつくから、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこしないほうが良い」と考えられている時代がありました。

この育児法が広まったきっかけは、1946年にアメリカで出版された「スポック博士の育児書」です。ここには「抱き癖が付くから赤ちゃんが泣いても放っておく」「母乳は甘え癖が付くのでミルクを与えるほうが良い」などと書かれていました。本書は翻訳され、世界中で読まれ、1946年以降では『聖書の次に売れた』と言われています。

しかし、赤ちゃんを放っておくことで、泣かない・笑わないサイレントベビー問題が起き、今では「泣きは赤ちゃんのコミュニケーション、しっかりと抱っこしましょう」とされ、さらにWHOは母乳育児を推奨しています。

サイレントベビーは、大人になってもその禍根を残します。自分は受け入れられないと自信を持てず、他者と親密な関係が築けないのです。心を閉ざしてしまったり、逆に不安から他者に執着しすぎたり。

そうです。まさにオキシトシンが《ない時》の状態です。

イメージ画像:551の蓬莱「あるとき ないとき」CM

スキンシップは大切だとわかったのに、また繰り返すの?

オキシトシンの発見は、およそ100年前なのですが、愛着に作用すると言われ始めたのは1990年代以降です。それまでは、オキシトシンに子宮を収縮させる作用があることから、妊娠促進剤として使うものだと認識されてきたのです。

「スポック博士の育児書」が出版された半世紀前は、育児にオキシトシンが関わっているとは考えられていませんでした。だから『抱き癖』などと、親子の触れ合いを否定するような表現がなされていたのです。

話は最初に戻りますが、赤ちゃんの抱っこをマシンが行い、赤ちゃんの様子をセンサーが見守るようなことが広まれば、また人の心に闇を残すと思うのです。

テクノロジーの進化は、母親と赤ちゃんを遠ざけるものではなく、家事や仕事を楽にする方向へ注力して欲しいですね。最近はスマホ育児の是非が議論されていますが、今はちょうど分岐点にいるのかも知れませんね。