オキシトシンで男性も育児脳になれる!妻のイライラもなくなる! ……だけど父親の育児参加にデメリットがあるかも。

NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?2 ~母と“イクメン”の最新科学~」が、先日放送されましたね。第一弾は母親に焦点をしぼったものでしたが、第二弾は父親育児の科学的解明もたっぷりと盛り込まれていました。

父親の育児脳についての証明は、なかなか面白かったです。NHKはかつて「産後クライシス」という言葉を流行させましたが、ここでは産後の良好な夫婦関係について科学面から描いています。なぜ妻がイライラしているのかわからない男性は必見ですよ。

3月30日に再放送もあるので、見逃した方はぜひ見てみてください。それも見逃した方は、そのうちNHKオンデマンドでも有料配信されると思います。

■関連リンク
→ NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?2 ~母と“イクメン”の最新科学~」(【追記】記事公開終了しました)

男性部分のみザックリ紹介。最後に「男性の育児参加は、デメリットもあるんじゃないの?」と、自分も意見も書き添えました。

母親は抜群の育児脳を持っている! そもそも男女の脳のつくりが違う。

160329_hahaoya_chichioya_nou_chigai_ikuji

母親は、赤ちゃんの泣き声に素早く反応できるよう、育児に役立つ抜群の脳機能を持っている。男性はその脳を持っていない。

「なんで、夫だけマイペースで食事してるんだよ!」
「君もゆっくり食べれば、だって? はぁぁ〜っ!?」
「あ、子供が泣いてる。なんで気づかないの?!」

妻は、夫の鈍感さにイライラしてしまう。そして、夫はなぜ妻がイライラしているのかわからない。

実はこれ、そもそも脳のつくりが違うのが原因。哺乳類としての進化の過程で、メス(女性)は「子供を育て上げる脳」を作り上げてきました。そしてオス(男性)は、「母親が安心して子育てができるように、敵が来たら追い払う、食べ物をたくさん持って帰る」能力を進化させてきたのです。

太古からの進化において、母親と父親の《役割分担》が受け継がれてきていたのです。

男性の脳も、母親の脳機能を持つことができる!

日本の男子大学生に、週1回2時間の育児体験を3ヶ月続けてもらいました。

すると、育児体験をする前と比べて、子供の泣き顔を見たときの脳活動が複数の箇所で活性化していることがわかりました。育児体験を通じて、「わが子が可愛らしい、大事にしたい、育てたい」という気持ち(父性)が、徐々にはぐくまれていたのです。

番組にゲスト出演していたタレントのユージさん(3児の父)は、夜中に寝ているときであっても、赤ちゃんの「カサッ」という物音で「あ、起きる」と気づき、すぐにミルクをつくりに行くそうです。(すごい!)

愛情ホルモン「オキシトシン」は、不倫予防効果もある。

160329_Oxytocin_aijo_holmon

イスラエルで行われた実験で、「男性が、わが子とたっぷり触れ合うとオキシトシンが放出される」ことがわかったそうです。さらに、子供の体内のオキシトシンも増え、父と子がとても深い愛情でつながっている状態であることがわかりました。

では、このオキシトシンとは何なのか?

別名「愛情ホルモン」と呼ばれ、出産を機に、女性の脳に放出されるホルモンなんだそうです。

ドイツでは、親子間だけでなく夫婦間においての実験も行われました。オキシトシンは愛情を強めるホルモン。もし、オキシトシンがたっぷり出ている男性の目の前に、美人女性が現れたら……?

愛情が深まっているのでメロメロに惹かれるのかと思いきや、なんと女性を拒否。

え? なぜ!?

オキシトシンは、男性にパートナーがいる場合、魅力的な女性をみても意欲を抑える働きがあるそうです。夫婦関係を長続きさせ、子供が安定して育つ環境を守ろうとしてしまう、ということです。

愛情ホルモン・オキシトシンとは、不特定多数の異性に愛情が湧くのではなく、家族に対して愛情が高まるホルモンだったのです。

160329_Oxytocin_chichioya_kazoku_mamoru

番組では言っていませんでしたが……オキシトシンのメリットとデメリット。

Wikipediaによると、オキシトシンについてこう書かれています。


オキシトシンは良好な対人関係が築かれているときに分泌され、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させる

オキシトシンをヒトに投与する実験が行われたが、鼻からの吸引によるこの実験では金銭取引において相手への信頼が増すことが判明。盲目的に信頼したといえ、損害を蒙ってもオキシトシンが再投与されれば再び相手を信頼し、不利な取引契約を締結してしまう。

Wikipedia「オキシトシン」より一部引用


 

オキシトシンは、男性を育児脳にして、家族への愛情を高める作用はあるものの、逆に、男が本来持っているはずの「敵と戦い、食べ物を持って帰る能力」が低下してしまうということではないでしょうか。

  • 闘争欲(とうそうよく)- 敵と戦う!勝ち上がる!
  • 遁走欲(とんそうよく)- 逃げかくれする。危機察知!
  • 恐怖心(きょうふしん)- ヤバイものを見抜く!

オキシトシンにより、出世欲などの闘争心が減退し、さらに浮気もしなくなり、とても穏やになってしまうということです。

このあたり、ちょっと悩ましいですね。

私ごとですが、30代に入ってから転職し、大阪から東京に引越しました。「睡眠と休日もいらねぇ!」とバリバリと仕事に打ち込み、40代に入ってからの独立後も「自分の実力で一旗揚げたい」と意欲に溢れていました。しかしここ最近、「稼ぎはそこそこで、家族との時間をたっぷりとって、楽しく平和に暮らしたいなぁ〜」「夜や週末はできるだけ家族と過ごしたい」と意識が変化しました。これって、もしかしたらオキシトシンのせい?

子育てはいつまでも続くわけではありません。いずれ子供は親離れをして巣立って行きます。その時、僕が稼ぎが少ない夫であったら……。ヤバイ! 熟年離婚の危機じゃないですか。

オキシトシンの放出は、闘争心をなくさない程度にとどめておいた方が良いのかな。でも、わが子が可愛いんだよなぁ〜。

コメントを書く

ここにコメントを入力してください
ここにあなたのお名前を入力してください(本名でなくてもOKです)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください