滑り止めで関学に入った甥っ子のはなし。親は一度も「勉強しろ」と言ったことがない

先日、大阪出張があり、そのついでに実家へ立ち寄ってきました。

大阪では、僕の両親と妹家族が暮らしています。

妹は早くに結婚したので、子どもは20歳の大学3年生(男)と、18歳の大学1年生(女)です。夫婦共働きで、頑張って子育てしています。

さて今回は、帰省時に久しぶりにゆっくり話してきた、20歳の大学3年生のこと。甥っ子の話をします(勝手にごめん!)。

30分を豪華ステーキに変えた、外国語学習法

困っている訪日外国人

甥っ子は、兵庫県にある関西学院大学の3年生です。高校生の頃から「先生になりたい」という目標を持ち、現在は外国語を勉強しています。

学校の授業に加え、人に教えることを実践するため塾講師のバイトをしています。さらに、街で見かけた、困っている外国人に声をかけるという実践トレーニングも行なっているそうです。

近年、大阪では外国人観光客が激増しています。急成長渡航先ランキングで、2016年、17年と2年連続大阪が「伸び率世界1位」になっています。そんな背景もあり、街では困っている外国人をよく見かけるわけです。

先日、甥っ子がユニバ(USJのことを大阪ではユニバという)へ遊びに行った際、パーク内にあるレストランで激怒していた中国人家族と出くわしました。店員さんと揉めていたそうです。

そこで甥っ子は、双方から「どうしたのか?」を聞き取りました。

中国人「残った料理をテイクアウトしたかったのに、勝手に下げられた」
レストランの日本人「わかった。だから代金は全額返金した」
中国人「金ならあるんだ!」

レストランの日本人スタッフは、代金を頂かなかったので、これ以上どうすれば良いのか途方に暮れている様子です。

そこで甥っ子は、「はは〜ん」と理解しました。中国人は「お代は頂かない = 馬鹿にしている」と思っているのではないか、と気づいたのです。要は、日本人にプライドを傷つけられた、と。

そこで甥っ子は、「お代を頂かないのは、日本式の最高のお詫びなんです」と中国人に説明しました。決して上から目線で馬鹿にしている訳ではない、と。

すると中国人は理解し、甥っ子に「サンキュー」と感謝を伝えたそうです。ここまでの所用時間30分。

このトラブルに対し、お店側は長時間揉めていたそうで、それを仲介してくれた甥っ子はお店から大変感謝されました。そのお礼に、「お店で好きなものを好きなだけ食べて行ってください」と言われたそうです。

甥っ子は、メニューにあった一番高いステーキを注文し、ライスとパンの両方をつけてもらいました。すべて無料で。

甥っ子はこのとき、

  • 外国語と外国文化の生きた学習をした
  • 人に感謝された
  • 時間をステーキという価値に変えた

という、素晴らしい体験をしたのです。これは大人でもなかなかできません。そのエピソードを聞いて、僕は「甥っ子、すごい奴やな」と感嘆しました。

こうした外国人とのコミュニケーションを、日々ストリートで実践しているそうです。学べて、人の役にも立つ。双方が徳をする素晴らしい行動です。

親「勉強しろ、と一回も言ったことがないのに、自主的に勉強を始めた」

自主的に勉強する甥っ子

ちなみに甥っ子は、滑り止めで関学に入りました(現役です)。目指していた国立大学に落ちたためです。

関学といえば、同志社と並ぶ西日本筆頭の私立大学。そこに滑り止めで合格するとは、なんというか凄い奴だなと、驚かされます。

ちなみに、甥っ子の両親である妹夫婦にたずねると、「勉強しろって一回も言ったことないにの、この子勝手に勉強を始めたねん」と言うではありませんか。

実は高校入学時は、学年の下の方の成績でした。

しかし、当時通っていた塾の先生だったかが素晴らしかったらしく、それがきっかけで勉強の楽しさを知り、勉強にのめり込むようになったのです。高校2年生の頃には、学年トップを争う成績に。さらに、こうやって勉強する楽しさを教えてくれた先生にも憧れるようになり、自分自身、教師を目指すようになりました。

甥っ子にとって、勉強は楽しいことなのです。

親は子に勉強させるのではなく、学ぶ楽しさを教えよう

バスケットボールをする学生

僕は、甥っ子とその家族を見ながら、子育てについて大いに考えさせられました。

妹夫婦は、子ども達にほとんどのことにおいて強制・強要することはありません。ただ、好きなことを一生懸命させてあげる環境を作ることに徹しています。

甥っ子の話ばかりしましたが、姪っ子はダンスとバスケに夢中になりました。勉強を放り投げてまで、ダンスやバスケに熱中したのですが、両親はそれをいつも応援していました。

しかし高校2年生のころ、姪っ子は「自分の好きなことを続けるためには勉強が必要」と気づき、そこから勉強のスイッチが入りました。自らの意思で。そうして学力を伸ばし、今年4月、現役で希望の大学に入学しました。

 

3歳からはじめる、絵の具でお絵かき。

さて僕たち夫婦は、まだ子育ては初心者。子どもはひとりで、3歳です。

周りでは早くも、保育園から幼稚園に転園させたり、大学付属の幼稚園に転園させたり、早期教育に取り組む親が大勢います。世田谷区という土地柄もありそうですが……。

そういう光景を目の当たりにすると、僕たち夫婦は少なからず心がざわつくのです。

でも、子どものやる気は、強制では生まれません。しかも、無理やりさせても、それは親のエゴだとも言えそうです。

僕は、妹家族から得た学びを参考に、「好きなことを一生懸命させてあげる環境を作りを意識したいな」と思います。先日の記事にも書きましたが、息子が物作りが好きです。料理をしたり、折り紙・切り紙をしたり、絵を描いたり。

僕の嫁さんは、息子に毎晩しっかりとお絵描きや折り紙に付き合ってくれています。ありがたいことです。また最近は、文字にも興味が湧いたようで、ママは平仮名や数字も教えてくれています。

そのおかげで息子は、絵本の字や、街の看板などで、読める字に出くわすととても嬉しそうにします。

子育てのやり方は人それぞれなのでルールなんて作れないのですが、子どもの教育について「心がざわついている」方は、何かの参考になれば幸いです。

しかし、甥っ子と姪っ子の将来は、ほんと楽しみです! 一体、どんな風に成長していくのだろう。かっこいいです。

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