保育園と幼稚園の違い。飛行機にたとえたらエコノミークラスとファーストクラス、だそうです……
画像:世田谷区保育の質ガイドライン「なるほど! せたがやの保育」

男性保育士のてぃ先生が、ハフポストに寄稿した記事に、こんな一節がありました。

「幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラスでしょ。客層を混ぜたら品位が乱れる。」

幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラス? :HUFFPOST

「エコノミークラスの客を入れるくらいなら、このまま幼稚園ごと潰れた方がマシ。」

幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラス? :HUFFPOST

これは、関東のある幼稚園の園長先生が、園長会で話した言葉だそうです。

近年、「保育園と幼稚園の機能をあわせ持つ施設『認定こども園』を作ろう」と、政府や自治体によって推進されています。ここには「幼稚園を認定こども園に変えて、待機児童問題を解消しよう」という目論見があるのですが、そもそも幼稚園が動いてくれないと認定こども園にはなりません。

で、実際は認定こども園はなかなか進んでいないそうです。

てぃ先生は、こうした実態の背景には、柔軟に取り組む幼稚園がある一方、頑なに反発する幼稚園があるからだ、と言います。

子育て中の皆さんは、どう思いますか?

■参考リンク
幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラス? :HUFFPOST

保育園と幼稚園の違い

多くの方は、こういうイメージがあるのではないでしょうか。

  • 保育園 – 保育・遊び
  • 幼稚園 – 教育・勉強

保育園は児童福祉法に基づいて運営される福祉施設です。それに対して幼稚園は、学校基本法に基づいて運営される学校です。

そもそもの成り立ちも違えば、管轄する省庁も違います。保育園は医療、介護、年金などを担当する厚生労働省で、幼稚園は小中学校と同じく文部科学省が管轄しています。

  • 保育園 – 福祉施設
  • 幼稚園 – 学校

あながち、「保育園は保育で、幼稚園は教育」は間違いでは無いと言えそうなのですが……。

保育園、実際は「養護」と「教育」の合わせ技

世田谷区保育の質ガイドライン「なるほど! せたがやの保育」 表紙

これは、うちの3歳の息子が通っている、東京都世田谷区の認可保育園で配布していただいた本。世田谷区保育の質ガイドライン「なるほど! せたがやの保育」です。

 

世田谷区保育の質ガイドライン「なるほど! せたがやの保育」 マンガ

この本の最初の項目に、「保育園は子供を預かってくれるだけで、教育とかしてくれないじゃん」なんて話をするご夫婦が登場します。

そこに偶然居合わせた保育士が、「それは違うよーっ」とモヤモヤ……。

では、保育園では何をしているのか?

保育園は、養護(心と身体のケア)と教育(学びの支援)を一体で取り組んでいるのです。教育を、いわるゆる学校お勉強ととらえず、園児ひとりひとりに合ったサポートを行なっているのです。

具体的には、

  • 興味を持つ力
  • 探求する力
  • 人と強調する力
  • 最後までやりぬく力

……など人間が生きてゆくために必要なチカラ、「底力」を育てているということです。

この本は、PDFでも無料配信されています。もっと知りたい方は、以下のページへアクセスしてください。

■関連リンク
なるほど!せたがやのほいく(世田谷区保育の質ガイドライン):世田谷区

では何故、幼稚園はファーストクラスと言うのか?

ファーストクラスとエコノミー

冒頭でご紹介した、幼稚園の園長先生のドキッとする発言。

その幼稚園がファーストクラスである具体的な理由は書かれていませんでしたが、おそらくこんな事情があるのではないでしょうか。

  • 利用者は専業主婦家庭(裕福 / セレブ)
  • 子供は私立小学校を受験予定

保育園は0歳から利用でき、朝から夕方・夜まで預かってもらえます。それに対し、幼稚園は3歳を過ぎてからで、利用時間は1日4時間程度です。

保育園から私立を受験する子供もいますし、保育園の親も高収入な方はたくさんいます。ただ、なかには富裕層向けの幼稚園もありますので、こうした一部の幼稚園にとっては、「認定こども園になりたくない」というのは理解できます。

この園長の発言は、特別な富裕層向けの幼稚園として存続させたいと考えているからのでしょうね。

ちなみにセレブ向け幼稚園の様子は、2015年TBSで放送されたドラマ「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」で垣間見ることができます。Amazonプライム会員は見放題ですので、会員の方は良かったら見てみてください。これが幼稚園カーストか!……と驚かされますよ(とはいえ良い話なのでご安心を)。

広がる格差社会と、子供の貧困

正規雇用と非正規雇用

1970年代、日本人は「一億総中流」と言われ、家庭によっての経済格差はそれほどありませんでした。しかし近年、政府は「一億総活躍」を掲げ、専業主婦や高齢者も労働者にすべく画策しています。

今日本では、少子化と高齢化が進み、このままでは社会保障など国が維持できなくなってきています。それに加え日本は、世界のなかでの競争力を弱め、日本国内の経済を低下させ、国内の高所得者と低所得者の二極化を起こしたのです。

今年2017年2月、東京都は「子どもの貧困」に関する調査結果を発表しました。それによると、生活困難な家庭は2割を超えたということです。子供を塾に通わせてあげられなかったり、本やおもちゃを買い与えられなかったり、生活費そのものが苦しかったりしています。

これを打破する道はあるのでしょうか? アベノミクスはたいした経済効果は得られませんでしたね。経済は国の政策が大きく影響するので、今後の政治に期待したいところです。


「幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラスでしょ。客層を混ぜたら品位が乱れる」


こうした将来不安の中、教育者として人前で、品位のない差別発言をするのはやはり良くないです。子供達はこんな精神は受け継がず、「おともだちを愛する心」を育んで欲いと願います。

■パパやる関連記事じなのです 保育園と幼稚園、教育の違いが不安な方へ。心配ありません、50年以上前から教育内容はまったく同じなのです保育園と幼稚園、教育の違いが不安な方へ。心配ありません、50年以上前から教育内容はまったく同じなのです