「母親だろ!子育ては君に……」が常識だったのは、ごく一時期間でした。江戸時代、育児の監督責任者は父親。

今となっては信じられませんが、「亭主元気で留守がいい」なんてテレビCMがお茶の間(*1)で大ウケしていました。1980年代にオンエアされた、KINCHOの防虫剤「タンスにゴン」のCMです。

亭主は会社で働いて家庭にお金を入れるだけで良く、家には居ない方が良いよね〜、という主婦の共感をうまくつかんだキャッチコピーでした。

この頃の日本は、社会的に主婦(女性)が仕事を得るのが難しい時代であったので、「夫は仕事、妻は家事と育児」という分業制が主流だったのです。そのため、夫の「家族サービス」なんて言葉もありました。おなじ家族なのに《サービス》とはなんだか他人事ですが、それだけ夫婦で分担されていたということです。

実際、夫婦共働きの世帯は、1980年は614万世帯でしたが、今は1,000万世帯を超えており、現代において夫婦分業制は少数派になりつつあります

もし今、このCMを放送すると「性差別だ〜!」と炎上するのは確実でしょうね。

*1. お茶の間 – 今でいうリビング。これも過去の言葉ですね。

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外国人もびっくり! 江戸時代、父親が子育ての主役だった

画像参照元:美しき日本の面影 明治初期のようす
画像参照元:美しき日本の面影 明治初期のようす

では、日本では、昔から「夫は仕事、妻は家事と育児」だったのでしょうか。

これに関して、興味深い記事を見つけたのでご紹介します。江戸時代の子育てについての記事です。

 


<武士の場合>
父親は、子に学問を教える「教育パパ」でした。上級武士と下級武士の垣根はあったものの、それを乗り越えて勘定方の地位を得るなど、能力次第でエリートへの道も拓けたからです。

<農家の場合>
農家でも父親の子育ては重要でした。作物を工夫し、土地を富ませ、それを次代に譲ることが人生の一大事。村で出来高の少ない家が出れば、一蓮托生で村全体の責任になるため、落ちこぼれを出してはならなかったのです。

江戸時代はなぜ「イクメンが普通」だったか:PRESIDENT Online より一部抜粋


 

子どもへの教育は、親にとって重要な課題。江戸時代には、父親が責任をもって子どもを育てて、学ばせていたそうです。

気になったので、さらに調べてみました。

すると、江戸末期から明治初頭に訪日した外国人たちが、「こんなに子育てに熱心な父親は見たことがない。日本の子どもは幸せなんだろう」と、多くの方が記録を残していたようなのです。

専業主婦が誕生したのは、大正時代

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では、どのタイミングで妻が育児の主役になったのでしょうか? これに関しても同記事に書かれています。

 


明治以降、日本が西欧に追いつこうと邁進する中で、職場と家庭は分離し、子育てにおける父親の役割も次第に消失していきました。

女性だけが家事育児を担う専業主婦は、男性がサラリーマンとして月給を貰うようになった大正時代に生まれ、高度成長期に広がりました。

江戸時代はなぜ「イクメンが普通」だったか:PRESIDENT Online より一部抜粋


 

《サラリーマン》と《月給》という仕組みが「専業主婦」を生みだし、「育児は妻の役目」という風潮を作り出したようです。しかも専業主婦が広まったのは高度成長期(1950年代〜70年代)だそうで、歴史的にみればすごく最近のことだったのです。

とにかく、資本主義が男性から育児を分離したと言えます。歴史を知るって面白いですね!

時代によって変わる、社会の常識

よく言う、「君は母親だろ!子育ては任せてるんだから……」というフレーズは、昔かか続く普遍的なものだと思っていましたが、そうではなく、時代とともに移り変わるものだったのです。

夫「母親だろ! 育児は君に任せてるんだ……」
妻「はぁ、だれが決めたのよ!?」
夫「……時代が」

「妻」=「家事・子育て」が当たり前だと言われたのは1950年代以降。しかも、今となっては、そんな発言をする人は少数派です。

父親の役割とはなんなのか?
今は社会が変化し、「父親」の定義を考え直す過渡期なのでしょうね。

そんなの常識だろ!と思うことも、本当かどうか調べてみよう

当たり前だと思っていることが、実は当たり前じゃないかもしれない。

今回のことに限らず、何事も頑固に思い込みはせず、一呼吸おいて、ほんとうに当たり前のことなのかどうかを自分で調べてみるとなかなか面白いです。

常識は変わる。

常識は永遠ではないんですね。
当たり前だと思っていることも疑ってみる!

今回はそんなお話でした。

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