妊活中や妊娠初期の「葉酸」摂取は、ここ数年で一般的になりました。母子手帳にも葉酸の必要性が書かれていますからね。
ただ、ビタミンB6が「つわり」に効果があるというのは、僕は知りませんでした。みなさんは、ご存知でしたか?
雪印メグミルクグループの雪印ビーンスターク株式会社が、子どもを二人以上出産した経験を持つ女性500人(22歳~45歳)を対象に、栄養成分となる「サプリメント」の摂取状況、および「つわり」に関する実態を把握することを目的として、インターネットで調査を実施しました。
今回は、その調査結果をご紹介します(雪印ビーンスターク株式会社プレスリリースより)。
■調査期間
2018年3月27日~3月29日
妊娠前・妊娠時の栄養摂取に関する調査結果
■ トピックス
- 妊娠前・妊娠時にサプリメントを摂取した人は全体の約半数しかいない
- 摂取したと答えた人のうち、妊娠時に摂取したサプリメントは「葉酸」「鉄分」と答えた人が多数
- 妊娠中の摂取が一番多いのに対して、つわり時は摂取率が大幅に減っている
- 「葉酸」を摂取した理由については「赤ちゃんの神経管閉鎖リスク」を下げるためと、具体的な回答した人が約6割
- ビタミンB6を摂取していた人は全体のうち約1割未満と少なく、ビタミンB6がつわりに効果があると知らなかった人が大半という結果に
妊娠前・妊娠時にサプリメントを摂取した人は、全体の約半数のみ
子どもを二人以上出産した経験を持つ女性500人(22歳~45歳)を対象に調査したところ、「妊娠前や妊娠時にサプリメントを摂取しましたか?」という設問において、約半数の女性のみが「摂取した」と回答。サプリメントを摂っていない女性が半数もいることがわかりました。
サプリメントを摂取した女性に聞くと、妊娠時に摂取したのは「葉酸」「鉄分」と答えた人が多数。妊娠中と比べて、つわり時には摂取率が大幅に減っている傾向も
次に妊娠時、サプリメントを摂取した女性253人に「妊娠前、妊娠中、つわり時と、どのようなサプリメントを摂取しましたか?」と聞いたところ、多くの女性が葉酸と回答しました(妊娠前で4割超え、妊娠中では9割以上)。
ついで、鉄分、カルシウム、と妊娠期に特に不足しがちな栄養素をサプリメントで補っている様子がうかがえました。
また、全てのサプリメントに関して、妊娠前、妊娠中、つわり時と比較すると妊娠中の摂取が一番多い半面、つわり時は摂取が大幅に減っており、つわりの影響から栄養素の摂取が減少する様子がうかがえました。
「葉酸」を摂取していた理由については「赤ちゃんの神経管閉鎖リスク」を下げるためと回答した人が約6割
葉酸を摂取した理由については「赤ちゃんの神経管閉鎖リスクを下げるため」と答えた人が約6割近くおり、赤ちゃんの健康に対する意識の高さが見られました。
ビタミンB6を摂取していた人はサプリを摂取していた人のうち約1割未満。さらに、ビタミンB6がつわりに効果があると知らなかった人が大半という結果に
妊娠時にビタミンB6を摂取していた女性の割合は全体の約8%と少ないものの、摂取頻度は「毎日摂取していた」「ほぼ毎日摂取していた」と回答した人を合わせると約8割を超えました。しかし、その効果においては知らない人がほぼ多数。ビタミンB6がつわりに効果的と知っていた人は2割にも満たないことがわかりました。
産科・婦人科 マミーズクリニックちとせ 院長 島田茂樹先生コメント
日本の妊婦の葉酸摂取率は10%から20%。赤ちゃんを守る葉酸が摂取できていない
神経管閉鎖障害という病気があります。妊娠初期に神経管がうまく形成されなかった場合に、二分脊椎症、あるいは無脳症という病気が発症してしまうのです。この神経管閉鎖障害の発症を、お母さんが葉酸を飲むことによって減らすことができます。
日本でも厚生省から、「食品からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品(サプリメント)から、1日葉酸0.4mgを摂取すれば神経管閉鎖障害の発症低減が期待出来る」ということを情報提供するよう日本医師会や産婦人科学会に周知を依頼しています。
しかし、日本の妊娠女性の葉酸摂取率はいまだ10%から20%にとどまっており、発生率は低下していません。アメリカでは既にサプリメントが普及していることに加え、シリアルに葉酸が添加されることなどが義務づけられており、発症率は低下しています。
つわりの時期こそ、サプリメントで葉酸摂取を
当クリニックにて実施した、つわりがある方へのアンケートでは、「栄養不足を意識したことはありますか?」の質問に対し「意識したことがある」58%、「非常に栄養不足を意識したことがある」18%、あわせて76%の方が栄養不足を意識しているという結果が判明しました。
つわりの時期に必要な栄養の中には、もちろん葉酸も含まれます。すべての妊娠を希望される女性は、胎児の神経管閉鎖障害を予防するために毎日0.4mgの葉酸摂取が推奨されています。妊娠初期の、つわりで食べられない時にこそ、サプリメントで葉酸を摂取する必要性が高まると考えます。
つわりにはビタミンB6が有効
いくつかの論文で、ビタミンB6がつわりに有効だとする報告があります。
日本産婦人科ガイドラインの2017最新版では、つわりの緩和には、ビタミンB6を投与するという治療法が記載されています。2014年度では“投与を考慮する”となっていましたが、この3年で“考慮する”から“投与する”と一段進んでいます。一方、アメリカでは2015年から既にビタミンB6の投与は推奨レベルAです。
当クリニックでも、つわりがある方に、ビタミンB6を25mgと、葉酸400マイクログラム(0.4mg)を1日量として5日間、摂取していただき、吐き気がどうなるかというテストを20名の方にさせてもらいました。その結果、70%の方で吐き気が改善、65%の方で食欲の改善がみられました。
つわりは軽いうちに改善しなければ日に日に悪くなるという傾向があります。
そして悪くなると経口摂取もできなくなる、つまり食べられない、飲めないという他に、薬やサプリメントすら飲めなくなるということを意味します。そのため、つわりは軽いうちに改善させることが非常に重要だと考えています。
妊娠初期は赤ちゃんを授かった喜びを感じて、毎日を幸せに過ごしていただきたい時期。つわりが軽減されて笑顔のお母さんが増える世の中になることを祈っています。
雪印ビーンスターク、妊娠前・妊娠初期向けのサプリメント
最後に、雪印ビーンスタークのサプリメントをご紹介します。「妊娠前」「妊娠中」「つわり」期に摂りたい栄養素がそれぞれ配合されています。
妊娠前から妊娠期に大切な栄養素が1つになったサプリ2商品
「ビーンスタークマム 葉酸+鉄+亜鉛」は、特に赤ちゃんが欲しいと思っている方におすすめのサプリメントです。妊娠前~妊娠期に必要な栄養素である「葉酸・鉄」に加え、妊娠を希望している女性を対象とするアンケート調査で多くの方が摂りたいと回答した「亜鉛」を1日1粒で摂取できます。
「ビーンスタークマム 葉酸+鉄+Ca」は、妊娠中の女性が摂りたいと回答した上位3種類の栄養素を1日3粒で摂取できます。
以下、栄養素に関する情報です。
葉酸
水溶性ビタミンB群の一種である葉酸は、先天異常の1つである神経管閉鎖障害との関連が指摘されています。厚生労働省は、妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性に通常の食品に加えて栄養補助食品等から1日400μgの葉酸を摂取するよう呼びかけています。
*「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」平成12年12月28日
一方で妊娠前や妊娠中の女性の葉酸摂取に関して、課題があることが指摘されています。厚生労働省 難治性疾患克服事業・研究班 葉酸普及研究会のWEBサイトでは、神経管閉鎖障害の一つである二分脊椎の発症率について諸外国での発生頻度は減少しているのに対し、日本では増加傾向であるというデータが掲載されています。
また、日本先天異常学会は平成28年12月に「葉酸サプリメントの摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクを減らしましょう」というメッセージを発表しています。
(メッセージ抜粋)「日本先天異常学会は、神経管閉鎖障害(脳や脊髄の生まれつきの障害)の発症リスクを低減するために次のメッセージを発信します。妊娠を計画している女性、または妊娠中と考えられる女性が、妊娠前4週から妊娠12週までの期間、葉酸サプリメントによって毎日葉酸を400マイクログラム = 0.4mgを摂取すると、お子さんに神経管閉鎖障害が起きるリスクが低下します。…中略… 妊娠女性の葉酸サプリメントの摂取は10〜20%に留まり、神経管閉鎖障害の本邦発生率は減少傾向が示されていません。……以下略」
出典:日本先天異常学会
鉄
血液と関係が深く、女性が不足しがちな栄養素の一つです。ヘモグロビンの構成元素で、酸素の運搬に重要な役割を担っています。赤ちゃんの成長に重要な栄養素で、妊娠期(特に中期~後期)は多く必要とされています。
厚生労働省の「平成24年国民健康・栄養調査報告」によると、「日本人の食事摂取基準(2015 年版) 」における妊娠中期・後期の推奨量(付加量を含む)が1日21.0mg~21.5mgであるのに対し平均摂取量は6.1mgで、推奨量の3分の1にも満たないことが分かっています。
亜鉛
身体の中の多くの酵素に含まれ、細胞の成長や分化に関わる重要なミネラルです。200種以上の酵素の活性化、ホルモンの合成や分泌の調節、DNA合成、たんぱく質合成、免疫反応の調節など、体内の種々の生理機能に重要な役割を果たしています。
妊娠期に特に摂取すべきミネラルですが、成人女性の半数以上が推奨量を摂取できていない栄養素ともされています。
カルシウム
母体から胎児に供給される重要なミネラルです。当社の調査では、妊娠初期の女性の約4割、妊娠中期~後期の女性の約5割が、カルシウムの摂取を心がけていると回答しています。
「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」の18歳以上の女性の推奨量は1日650mgです。一方、平成24年度国民健康・栄養調査によると、20歳代妊婦の平均摂取量は429mgで、推奨量に比べて、約200mg不足しております。
ビタミンB6配合。妊娠初期の食べられないママのためのサプリメント「ビーンスタークマム つわびー」
産婦人科医と一緒に考えた、妊娠初期の食べられないママのためのサプリメントです。ビタミンB6 25mg、葉酸400μgを1日3粒で手軽に摂取することができます。特に葉酸摂取が重要な妊娠初期の女性におすすめです。
商品名:ビーンスタークマム つわびー
対象:妊娠初期の食べられない女性
容量:30粒入り(約10日分)
摂取目安量:1日3回、1粒ずつ
主な栄養素:ビタミンB6 25mg(ピリドキシン塩酸塩30mg)、葉酸400μg
特長
- 産婦人科医と一緒に考えた、妊娠初期の食べられないママのためのサプリメントです。
- 飲み込みやすさを考えてコーティングされた直径8mmの小粒タイプです。
- 無味無臭の、水で飲み込むタブレットです。
個包装
- 持ち運びに便利な個包装タイプ。
- 1包1粒入りで使いやすい。
- 職場や外出時にも持っていきやすいデザインです。
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母子手帳にも書かれている妊婦の葉酸摂取。染色体異常(先天性疾患)を防ぐため、妊娠前からの取るのが重要
*アメリカでは、パン、米、パスタなどの穀物に葉酸を配合するよう法律で決まっています。さらに妊娠可能な全女性にサプリメントを勧めています。世界と日本を比較しました。