ドラマ「就活家族」を見て、50代の失業リスクにビビる! 転職も就職もできない過酷な現実

2017年1月からはじまった民放・冬ドラは、仕事の忙しい時期と重なってしまい思いっきり見逃してしまいました。そんななか、インターネットで見逃番組が1週間限定で見られるTVer(ティーバー)で、テレ朝の「就活家族」のみかろうじて見ています。

第一話を見て、「展開が無理すぎてリアリティがないな。2話目は見なくていいや……」と思ったのですが、2話目放送時にTwitter上で盛り上がっている様子をみて、「やっぱりもう一話だけ見てみよう」「もう一話だけ」と思っているうちに、ついついハマってしまいました(只今第4話)。

50代の会社員は失業リスク怖すぎ! 転職も就職もできない

ドラマ「就活家族」は、東京都世田谷区で暮らす4人家族の物語り。

  • 夫(50代) 大手企業で人事部長を務めるエリートサラリーマン
  • 妻(50代)中学校の教師
  • 長女(25歳)ジュエリー会社勤務
  • 長男(22歳)大学生、就活中

主役は50代の夫。就活しているのは長男だけなので、その彼の就職活動を巡るストーリーだと思っていました。ネタバレを避けるために詳しくは書きませんが、あれよあれよと言っているうちに、家族全員が同時期に退職の危機に陥ってしまうのです。

そんななか、僕がビビったのが夫(50代)のピンチ。

夫は役員昇進を目前にして、あらぬ疑いをかけられ退職の危機に追い込まれてしまいます。エリートサラリーマンだった夫は、会社を辞めてもすぐに高待遇で転職・就職できると思っていました。しかし、高待遇どころか、条件を下げても就職先なんて見つからないのです。

ハローワーク(番組では職業リサーチセンター)では、担当者にこんな現実を突きつけられます。

「希望職種がずいぶん贅沢と言いますか、こんな夢みたいな高収入を希望されましても……。たしかに立派な経歴ですが、そういうのは通用しないし、かえって求人側が及び腰になることもある。むしろ(経歴は)邪魔になるとお考えください

職種は営業、またはマネジメント。年収は800万円以上を希望。

日本の会社員、簡単に首にならないとは言うけれど……

「You’re fired!(お前はクビだ!)」

ドラルド・トランプ米国大統領は、選挙立候補前、自身が司会をつとめるテレビ番組でこの決めゼリフで人気があったそうです。

アメリカの映画やドラマを見ていても、突然解雇される場面がよく出て来ますよね。

これは、日本ではそうはいきません。法律により、よほどの理由がないと一方的には解雇できないからです。そのため企業は、退職金上増しなどを条件にリストラを進めたり、左遷や降格で自己退職に追い込んだりします。

労働者は法律でしっかりと守られているようで、実のところ、足元は常に危ういのです。

そして、その退職の危機が50歳代で訪れてしまったら……。

アラフォーの団塊ジュニア世代。近い将来大規模な失業者を排出する可能性あり

出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ

1973年前後の第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニアは、男女合わせておよそ1年齢あたり200万人ずついます。

そして2017年の成人式ではおよそ123万人が成人を迎えました。ちなみに、0歳から10歳あたりの子供は、男女合わせておよそ100万人しかいません。

<1年齢あたりの人口>

  • 40歳前後 200万人
  • 20歳前後 120万人
  • 10歳以下 100万人

 

これをピラミッド型の会社組織に当てはめると、このままでは逆三角形になってしまいます。平社員、主任、係長、部長……役職があがるにつれて社員数が増える。そんなことはあり得ませんよね。

日本に大量の移民がやってきて若い労働者が急増するなどの大変化がない限りは、40代、50代は溢れ出してしまうのです。

ピラミッド構造の会社組織に残れる人は限られている。子育て世代に迫る危機!

ドラマ「就活家族」をみて痛感したのは、会社での役職が上であったり、会社での実績があったとしても、中年になれば、それらは再就職にほとんど役に立たないということ。

日本はまもなく中年が溢れ出す時代に突入し、会社に残りたくても残れない社員が噴出するでしょう。必死で会社にしがみつくか、日頃より転職先(天下り先)を考えておくか、それとも会社に頼らずとも稼げるよう起業の準備をしておくか。

近い将来、定年退職まで勤め上げることができるのは、ごく一部の人か、公務員くらいになるはずです。突然の解雇や会社の倒産に備え、「いざとなれば起業して自分で稼ぐから大丈夫」というくらいの心構えを持っていた方が良いのかもしれません。

ところで、団塊ジュニア以降といえば、まさに子育て世代。ここにまもなく未曾有の危機がやってくる……と考えるのが順当でしょう。ドラマ「就活家族」の夫の姿は、まったくの他人事ではないのです。

「ぶっとんだ展開でリアリティが無い」と思って見始めたドラマですが、10年後、20年後を想像すると、なかなかシビアに突き刺さり、いろいろ考えさせられます。

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