東京都に申請する「不妊治療の助成金」が、わかりづらい! 申請数を抑えるために、わざとややこしくしているのでは無いか……と、疑ってしまったほど。
なぜ、分かりづらいのか。
その理由は、以下の2つ。
- 説明文が難しい
- 必要書類を揃えるのが超面倒
読解力が低い僕ですが、これまで計2回、東京都に助成金を申請し、無事にお金を受け取ることができました! そして今、3回目の申請準備をしているところです。
今回は東京限定の話になりますが、「東京都特定不妊治療費助成」を受けるためのステップを、くだけた文章でわかりやすくお伝えします。
また、僕たち夫婦は世田谷区在住です。世田谷区には区独自の不妊治療助成金制度があり、ありがたくも「東京都」「世田谷区」のダブルでお金が受け取れるのです。
記事後半では、世田谷区への申請手順についても解説しました。
目次
- 【手順1】自分たちが対象者であるかを、まずは確認
- 【手順2】申請期限に間に合っているかを確認
- 【手順3】不妊治療の領収書は大事! 一連の治療分をまとめよう
- 【手順4】不妊治療を受けたクリニック・病院に、特定不妊治療費助成事業受診等証明書を書いてもらいます
- 【手順5】戸籍謄本・住民票を用意する
- 【手順6】夫婦の所得(源泉徴収票、確定申告書など)を準備する
- 【手順7】特定不妊治療費助成申請書を自分で書く
- 【手順8】書類一式を揃えたら、書留などで郵送します
- 【手順9】「東京都特定不妊治療費助成」の書類をじっくり読む
- 東京都の不妊治療助成金、いくらもらえるの?
- 世田谷区へ不妊治療の助成金を申請する方法
- 【不妊治療の結果】わが家は4度の不妊治療に挑みました
*【お願い】助成金の申請条件などは、変更になることがあります。申請する際は必ず、東京都及び世田谷区のホームページをご確認ください。
【手順1】自分たちが対象者であるかを、まずは確認
東京都特定不妊治療費助成は、誰でも受けられる訳ではありません。東京都民であるなど、いくつかの条件を満たした方のみが申請できます。
条件については、主に以下の2点をご確認ください。
- 妻の年齢
- 夫婦合算の所得
まず、妻の年齢に関して大事なことを言いますね。「初めてこの助成を受けたときの治療開始日の年齢」がポイントです。
本記事執筆時点では、妻の年齢「43歳以上」は助成金対象外となっています。治療期間の初日、妻の年齢が43歳以上である場合は申請できないのです。ただし、今43歳以上であっても、治療開始日が42歳以下であれば申請可能です。
また、助成金は年齢によって受け取れる回数が変わります。
- 妻の年齢が39歳までの夫婦
通算6回まで - 妻の年齢が40歳以上の夫婦
通算3回まで
ここでも、重要なポイント。
この年齢は「初めてこの助成を受けたとき」です。
39歳で不妊治療を始めたら、その後、年齢を重ねても大丈夫です! そりゃ、当たり前ですよね。年を取る訳ですから。
ちなみに我が家では、妻が40歳のときに不妊治療を開始したので、助成金が受け取れるのは通算3回までです。あと一年早ければ6回だったのに……残念!
それと、所得が高い方も、残念ながら助成金対象外です。
以前は、夫婦合算の所得額が「730万円未満」が対象でしたが、今は「905万円未満」に対象者が拡大されています。ちなみにここで言う所得額は、ざっくり言うと手取り額です。
詳しくは、東京都福祉保健局のホームページをご確認ください。対象年齢、通算回数、所得など、これらの数字は変更になる可能性があるので(ここでは本記事執筆時、2020年の情報をもとに書いています)。
【手順2】申請期限に間に合っているかを確認
助成金の申請は、いつでも良い訳ではありません。申請期限があります。
*年度とは、当年4月1日から翌年3月31日までを指します。
この申請期限を過ぎた場合は助成を受けられないので、くれぐれもご注意ください。
たとえば……
令和元年8月6日に治療終了の場合、申請期限は令和2年3月31日(消印有効)となります。
ちなみに、不妊治療の結果は問われません。妊娠しても、しなくても、助成金は受けられます。
【手順3】不妊治療の領収書は大事! 一連の治療分をまとめよう
助成金の対象となる不妊治療は、「体外受精」と「顕微授精」です。
いずれかに該当する一連の治療分の領収書をまとめます。採卵、受精、培養、移植などです。
不妊治療は健康保険適応外で100%自己負担ですので、治療費は大抵20〜30万円以上になると思います。それらの領収書を、まずは手元に揃えるのです。請求書や治療明細などの書類もあれば、こちらも併せて。
そして、これらのコピーを取りましょう。申請時はコピーでOKです。
領収書は大事です。後から区に助成金を申請する際などにも使いますので、領収書原本は絶対に失くさないようご注意ください!
また余談ですが、不妊治療を始めるときや、助成金の申請をする際は、それ専用のファイルを買うのをおすすめします。他の書類や領収書とごちゃ混ぜになるとわかりづらいからです。
我が家では、このファイルを使っています。不妊治療のクリニックでもらった書類をすべて綴じ、領収書もまとめています。便利ですよ!
【手順4】不妊治療を受けたクリニック・病院に、特定不妊治療費助成事業受診等証明書を書いてもらう
ここからは、いよいよ書類作成に入ります。
まず「東京都特定不妊治療費助成」へ申請するための用紙一式を手に入れましょう。用紙は、不妊治療を行うクリニックや病院でもらえます。また、インターネットからダウンロードすることも可能です。
同じ内容ですので、どちらでもOKです!
- 申請書のダウンロードページ(色々ありますが、迷ったら一番上の最もファイルサイズが大きいものを選んでください)
いくつかの書類がありますが、「特定不妊治療費助成事業受診等証明書」は、医療機関で書いてもらう必要があります。つまり、不妊治療を受けたクリニックや病院です。
- 用紙「特定不妊治療費助成事業受診等証明書」
- 領収書のコピー
この2つを持って、不妊治療を受けたクリニック・病院へ行ってください(遠方で行けない場合は、先方にご相談ください)。そして、窓口でこう言うのです。
すぐに書いてもらうことはできません。大抵1〜2週間ほどかかります(要注意! 3月末の〆切ギリギリにならないように)
費用については、申請書類を書いてもらうのに有料の場合もあれば、無料の場合もあります。また、書いてもらった書類を郵送してくれるところもあれば、取りに行かないといけないところもあります。
クリニック・病院によって異なります。
【手順5】戸籍謄本・住民票を用意する
助成金の申請には、「戸籍謄本(全部事項)」と「住民票」も必要です。
注意点は、戸籍謄本です。
住民票は今お住まいの地域の役場などですぐに発行してもらえます。しかし、戸籍謄本は本籍がある役所へ申請しないといけません。
わが家の場合、住まいは東京都世田谷区ですが、本籍は大阪府岸和田市です。そのため、戸籍謄本は岸和田市役所に郵送で発行を申請しないといけないのです。これに1週間〜10日ほどかかります。
郵送で戸籍謄本を依頼する場合は、余裕を持って手配しましょう。
【手順6】夫婦の所得(源泉徴収票、確定申告書など)を準備する
助成金の申請時には、夫婦の所得を証明する書類も必要です。
会社員やパート・アルバイトの場合は「源泉徴収票」、事業主の場合は「確定申告所」です。これらの書類を準備します。
ちなみに、必要なのは「前年」分です。
ただし、助成金を申請する日が《1月1日から5月31日》までの場合は「前々年」分となります。
【手順7】特定不妊治療費助成申請書を自分で書く
手順5の「特定不妊治療費助成事業受診等証明書」が準備できたら、いよいよ自分たちで記入する「特定不妊治療費助成申請書」を作ります。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 所得額
- 申請額
- 振込先
これらの項目を記入します。所得額は【手順7】で準備した金額、申請額は【手順5】の金額を書けばOKです。
【手順8】書類一式を揃えたら、書留などで郵送します
ここまでくれば、ようやく申請できます。
揃えた申請書類は、都庁に持ち込むのではなく「郵送」です。大切な書類ですので、普通郵便ではなく、書留や特定記録郵便で送りましょう。
また、郵送した書類は返却されません。あとから区へ助成金を申請する際にも必要な書類があるので、提出する前に、必ず全てのコピーをとって手元に保管しておきましょう。ここ大事です!
郵送する書類は、本記事執筆時点では以下のとおり。
- 特定不妊治療費助成申請書(手順8)
- 特定不妊治療費助成事業受診等証明書(手順5)
- 住民票(手順6)
- 戸籍謄本(手順6)
- 所得の証明書類(手順7)
- 領収書のコピー(手順3)
- 通帳のコピー
【手順9】「東京都特定不妊治療費助成」の書類をじっくり読む
以上。
ここまでが「東京都特定不妊治療費助成」を申請する流れです。
その上で改めて、「東京都特定不妊治療費助成」の書類をじっくり読んでみてください。
書類は、東京都福祉保健局のホームページでダウンロードするか、不妊治療のクリニック・病院でもらうことができます。
いきなり見ると「わかんねぇぇーー!」となりがちですが、おおまかな流れを知ってから読むと、スムーズに理解・準備ができると思います。
それでは頑張りましょう!
東京都の不妊治療助成金、いくらもらえるの?
さて、助成金の金額についても触れておきます。
もらえるお金は、治療のステージによって金額が異なります。たとえば、卵胞が発育しなかった、採卵したがよい卵が得られなかった、受精しなかった、胚移植まで行ったなどです。
それらのステージにより、1回の不妊治療につき「7万5千円」から「20万円」までが定められています。ただし、初回の申請に限り「30万円」を上限に支給されます。
わが家は、胚移植まで進んだので、初回は30万円を頂きました。2回目は15万円です。
先にも書きましたが、不妊治療はほとんどが保険適応外です。治療を受けるのに大きな費用がかかります。収入にゆとりが無いご家庭(夫婦合算で年間905万円未満)にとっては、助かる制度です。手続きは面倒ですが、該当する方は必ず申請するようにしましょう。
世田谷区へ不妊治療の助成金を申請する方法
不妊治療の助成金は、東京都だけでなく、各自治体でも独自に制度をも設けているところがあります。つまり、「東京都」と「〇〇区」のダブルで助成金がもらえるという訳です。
東京都内でも、例えば世田谷区は助成金があるのです、周辺の目黒区、大田区、渋谷区などでは助成金制度がありません。
ここからは、世田谷区での不妊治療助成金の申請方法についてお伝えします。
以下、本記事執筆時点での情報です。
- 東京都特定不妊治療費助成制度の承認決定を1年以内に受けていること
- 夫婦(東京都特定不妊治療費助成制度が認める事実婚の夫婦を含む)のどちらか一方が治療を受けている期間に世田谷区に住所を有していること
対象となる世帯は上記のとおり。
ここでのポイントは、「東京都特定不妊治療費助成制度で承認された後に申請する」ということです。つまり「まずは東京都に申請、後から世田谷区へ申請」という流れになります。
手順は以下のとおり。
- 世田谷区のホームページから申請書類をダウンロード
- 書類をプリントアウト
- そこに含まれる「世田谷区特定不妊治療費助成申請書兼請求書」を記入(住所、氏名、銀行口座)
- 書類一式を揃えて、世田谷区役所へ提出、または郵送
世田谷区役所へ提出する書類は、以下の4種です。
- 世田谷区特定不妊治療費助成申請書兼請求書(治療1回につき1枚必要)
- 特定不妊治療費助成事業受診等証明書【手順5】のコピー
- 不妊治療費の領収書【手順3】のコピー
- 特定不妊治療費助成承認決定通知書のコピー
4の「特定不妊治療費助成承認決定通知書」は、助成金申請後、東京都から郵送されます。「OK出たんだ。よかった」と、捨てないようにご注意を!
世田谷区への申請書類は、「また病院へ行って書いてもらわないといけない」といった面倒な書類はありません。すぐに準備ができるでしょう。
ちなみに、世田谷区からもらえるお金は、治療ステージに応じて「10万円」「5万円」があります。東京都の分に上乗せさせる形になるので、非常に助かります。あと、言うまでもありませんが、かかった治療費以上にはもらえません。
詳しい内容や申請書のダウンロードは、以下のページをご覧ください。
【不妊治療の結果】わが家は4度の不妊治療に挑みました
最後に、わが家の不妊治療についても軽く触れておきます。
パパやるでは、二人目妊活や不妊治療について、これまで一切触れませんでした。明るい話題でもないし、悲しい思いもしたので……。
わが家は、僕、妻、息子の3人家族です。
一人っ子な訳ですが、実は「兄弟が欲しい」と、ここ何年か妊活・不妊治療を頑張ってきました。
最初は、第一子を出産した育良クリニック(東京都目黒区)へ相談し「タイミング法」などに取り組みました。その後、杉山産婦人科、加藤レディースクリニック(いずれも東京都新宿区)で、体外受精と顕微授精を取り組みました。
色々ありましたが、結果的に今もなお一人っ子です。
僕たち夫婦は、第一子は不妊治療無しに授かり、元気に生まれてくれました。その時はわからなかったのですが、こうして不妊治療を経験すると、「子どもを授かるって本当に奇跡なんだな……」と痛感しています。
この記事を書くにあたって、嫁さんとも改めてそんな会話もしました。
不妊治療については、また別の機会に記事にしたいと思います。今回は助成金の申請のお話ということで、以上とさせて頂きます。
ここまで読んでくれた方は、不妊治療中・不妊治療後の方かと思います。赤ちゃんが授かることを、心よりお祈り申し上げます。