子どもに多い感染症、いわゆる「うつる病気」は数々あります。その中でも「りんご病(伝染性紅班)」は、比較的重症化しにくい病気です。
今年10月下旬から11月上旬にかけて、息子が通う世田谷区の認可保育園で大流行しました。0歳児から5歳児クラスまで、全6クラス。総勢100人を超える園児がいる保育園で、およそ5人に1人が発病したのです。
11月初めの金曜日、息子を保育園に迎えに行くと、どうもほっぺが赤い。
熱でもあるのかな……。
僕が「大丈夫? しんどくない?」と訊ねると、息子は「元気!」とガッツポーズを見せてくれました。おでこを触っても、お熱はなさそうです。ただ、やっぱり心配なので、かかりつけの小児科で診てもらいました。
見事、息子もりんご病に感染していました(今は完全に治っています)。
- 登園、登校はできるのか?
- 大人が感染するとどうなるのか?
- 妊婦の感染は、流産・死産リスクがある
など、今回は「りんご病」についてお伝えします。
りんご病は、熱もなく、機嫌も良い
まずは、この発熱マトリックスを見てください。これは僕がすごく気に入っている本で、子どもの病気がパッと見でわかりやすく解説されている「はじめてママ&パパの0〜6才病気とホームケア(主婦の友社)」に、掲載されている図です。
ここにある「りんご病」は、もっとも平熱に近くて機嫌も良い、という位置にあります。
感染・発病しても、症状としては軽症というわけです。
息子が「元気!」と言っていたのも、まさにこの図の通りでした。
りんご病とは
では、りんご病とは一体どんな病気なのでしょうか。
保育園に掲示されていた解説と、国立感染症研究所感染症情報センターの情報を参考に、りんご病について解説します。
原因はウィルス、感染経路は飛沫
まず、りんご病の正式名称は「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と言います。「ヒトパルボウィルスB19」とうウィルスが原因で発病する感染症です。
咳やくしゃみなどで飛び散る「飛沫(ひまつ)」で感染が広まります。そのため、保育園や幼稚園、小学校などで集団感染しやすい病気です。
かかりやすい年齢は5〜9歳、一度かかればも免疫ができる
患者の年齢分布(5歳毎)では、5〜9歳での発生がもっとも多く、次に多いのは0〜4歳です。
また、りんご病は一度感染すると免疫ができるので、ふたたび感染するとはありません。ただし、きちんと免疫が作られかった場合は、大人になってからかかることもあります。
流行時期と潜伏期間
りんご病は季節問わず年中感染します。主に秋、冬、春に多くなっています。また、ほぼ5年周期で流行がおきています。1987年、1992年、1997年、2001年……。
潜伏期間は、10〜20日です。
主な症状
その名の通り、りんごのようにほっぺたが赤くなります。両頬に、蝶の羽のような赤い発疹が現れます。また、身体や手に網目状の発疹が見られることもあります。
1週間程度で消失しますが、消えても再び出てくることがあります。
登園・登校は? 頬が赤い段階では感染力なし
保育園や幼稚園にもよりますが、「頬が赤くなっても登園可能」の場合が多いようです。なぜなら、ほっぺは赤くなっているときには、ほとんどウィスルが出ておらず、ほとんど感染力がないからです(人に移さない)。
もっとも多くのウィルスを出している時期は、頬が赤くなる7日〜10日前です。
治療は対処療法のみ
りんご病の特効薬はありません。病院では対処療法になります。
【注意】りんご病、妊婦の感染は要注意! 流産や死産のリスク
りんご病は、発熱もほとんどなく、子どもの機嫌も良いので、たいしたことがない病気だと考えがちです。
しかし、大人が感染すると危険な場合があります。
手首や指、膝や腰に強い痛みが出たり、手の指が曲がらなくなったり、階段の上り下りが不自由になったりします。また、特に注意すべきは妊婦です。
妊娠中の女性が感染すると、おかなの赤ちゃんに血液の供給がうまくいかなくなり、胎児が貧血になったり、胎児水腫(身体に水がたまる)になって、流産や死産になる場合があります。
先にお伝えしたように、一度感染すれば免疫があるので感染しなく(しずらく)なります。自分が抗体を持っているかどうかは、病院で検査することができます。妊娠中、妊娠を検討している方は、調べてもらうと良いでしょう。
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