不妊治療に保険料が支払われる、女性向けの生命保険がはじまる。日本生命、ChouChou!(シュシュ)

近年、日本では晩婚化にともない不妊治療を受ける割合が増えてきています。厚生労働省の発表によると、35歳以上で出産する女性の割合がここ十数年間で急増。体外受精で生まれる子供の数と割合も増えてきています。

体外受精や顕微授精などの不妊治療は健康保険適応外のため、その費用が高額であることがメディアでしばしば話題になっています。一部助成金を用意している自治体もありますが、基本的には、医療費は100%本人負担です。

体外受精の場合、1回30万円程度。顕微授精の場合は40万円ほどになります。1回の治療で妊娠が成功するとは限らないため、多くの場合、何度も不妊治療を受けることになります。その金額が100万円を超えることはざらで、数千万円にのぼる方もいるようです。

ChouChou! シュシュ。日本生命が、日本で初めて不妊治療をサポートする保険を提供

日本生命保険相互会社 平成28年9月5日発表の資料より
画像参照元:日本生命保険相互会社 平成28年9月5日発表の資料より

ニッセイこと日本生命が、2016年10月2日より不妊治療費の一部を負担する保険をはじめると発表しました。「ChouChou!(シュシュ)」という、女性向けの新商品です。

これは、単純に不妊治療だけを対象にした保険ではありません。生命保険の特約として含まれています。具体的には、この4つをおさえた保険となっています。

  • 3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)
  • 不妊治療
  • 出産
  • 死亡

興味深いのが、出産時も保険金が支払われるという部分。出産時は、国民健康保険から「出産育児一時金 42万円」が支払われるのですが、この保険に入っていれば、さらにニッセイからも支払われるということです。しかも回数無制限で。

一人目は10万円ですが、5人目以降は100万円もらえます。

出産給付金
画像参照元:日本生命保険相互会社 平成28年9月5日発表の資料より

不妊治療費に対する支払いは、まだまだ微妙……かも

日本初の不妊治療にも適応するこの保険ですが、まだ手放しでは喜べません。なぜなら、受けられる給付金が少ないからです。

先に不妊治療は1回につき30〜40万円ほどかかるとお伝えしましたが、ニッセイの保険から支払われる保険金は、1回につき5万円、もしくは10万円です。

  • 不妊治療 1〜6回目:5万円
  • 不妊治療 7〜12回目:10万円(給付は最大12回まで)
特定不妊治療給付金
画像参照元:日本生命保険相互会社 平成28年9月5日発表の資料より

 

また、大事ポイントがもうひとつ。それは「不担保期間 2年」という部分です。これは、「保険に加入してから2年間は適応外ですよ」ということです。突然襲われる病気とは違い、不妊治療は計画的に行うものですので、仕方ないといえば仕方がありませんが、注意が必要です。

不妊治療費の際にお金がもらえるとはいえ、僕個人としては、まだまだ微妙であるという気がしました。

不妊治療を10回受けて300万円かかったとしても、ニッセイの保険でもらえるお金は70万円なので、夫婦に大きな金銭的負担がかかるのは変わりないからです。

保険金は、およそ月1万円

毎月の保険料
画像参照元:日本生命保険相互会社 平成28年9月5日発表の資料より

ちなみに気になる保険料は、年齢や保険期間にもよりますが、およそ月額1万円になります。

ちなみに保険期間満了時には一時金が受け取れますので、掛け捨て保険という訳ではありません。これを安いとみるのか、高いと見るのか。悩ましいところですね。

この保険について詳しく知りたい方は、「日本生命 ChouChou」などで検索してみてください。まだ発売前の保険ですので、日本生命のサイトにはまだ販売ページは用意されていませんでした。

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