子どもが赤ちゃんの頃、育児の主役はどうしても母親になります。授乳があったり、本能としての癒し効果があったりするからです。
男性向けの育児書を読んでも、「パパはママのサポートをしよう」と書かれているのをよく見かけます。僕もそれには賛同で、ママが育児に追われているあいだに家事をしたり、ママに休んでもらうため赤ちゃんを散歩に連れ出したりしていました。
しかし、子どもが成長し3〜4歳を過ぎると、ちょっと状況が変わってきます。子どもの遊びがアクティブになるので、パパの出番が一気に増えてくるからです。
「よし、頑張るぞ!」
そんな折、僕は先日、4歳の息子からハッとさせられました。ある「気づき」をもらったのです。それは……。
子どもの得手不得手。続けさせる? 違うことをする?
過去のエピソードを、少しお話しします。
息子の2歳の誕生日、わが家は「ストライダー」(ペダルなしキックバイク)をプレゼントに選びました。周りの子ども達がスイスイ乗っていたので、息子も楽しんでくれるだろう、と思ったからです。
しかし、息子はなかなか上達しません。ペタペタ、ヨチヨチと進むだけで、スイスイとは程遠い状態です。
それが何か月も続き、僕は「息子には不向きなのだろう」と思うようになりました。また、「苦手なものを頑張らせるより、他の得意なことを伸ばしてやろう」とも思えました。
親のその冷めた感情が息子に伝わったのか、息子自身が飽きたのかはわかりませんが、息子はストライダーの練習をやめてしまいました。
ところがしばらく後に、友人(一児の母)が息子にストライダーの乗り方を教えたところ、突如成長し始めたのです。おぉ、やった! びっくり!
後日、僕は息子とふたりで公園へ行き、ストライダーの特訓をしました。
「もっとしっかしろ足でける!」
「シューっと滑るようにすれば良いんだ」
など、テクニックをアドバイス。
その結果、1年9か月越しにストライダーに乗れるようになりました。
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ストライダーにやっと乗れた! 練習の仕方と、乗り方を教えるコツ
息子からテクニックではなく、「練習すればいいんだよ」と勇気づけられる
今度は、つい先日のことです。
4歳5か月の息子は、今、ベーゴマのような駒のおもちゃに夢中になっています。
夜、僕が仕事から帰ってくると、「パパ、駒しよう!」と玄関に駆け寄ってくることがあり、とても可愛いです。
とにかく息子はハマっているので、なかなか手強いのです。僕が本気で勝負をしても、息子に連敗することがあります。
パパ「うーん、こっちゃんに勝ちたいな」
息子「練習すれば良いんだよ。何回も練習すれば強くなれるよ」
・
・
・
えっ。
練習すれば、
強くなれる。
僕はこれまで、子どもにはテクニックというか、やり方を手ほどきすることが大事だと思っていました。苦手だったストライダーを練習するときも、「足でしっかりと地面を蹴る」「シューと滑ってみて」など、方法を教えていたのです。
でも、その本質は「練習」ですよね。
ストライダーに限らず、すべての遊びにおいて、上達には「練習」が欠かせません。まさかパパが息子から教えられるなんて。
しかも僕は、息子から「練習すれば強くなれる」と、勇気も与えられたのです。
なんという成長っぷり!
僕は胸が熱くなり、泣きそうになりました。
これはきっと、保育園で保育士さんが教えてくださったのだと思います。ちょうど運動会の前だったので、園児たちに「今はできなくても、練習すればできるようになる」と、励ましてくださったのでしょう。
保育士さんの愛情と情熱。本当にありがとうございます!
勇気づけ・勇気くじき、あなたはどっちを選ぶ?
さて、そんな「勇気」について。
以前、熊野英一さん著「アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本」という本をパパやるでご紹介しました。父親向けのとても良い本です。
■パパやる関連リンク
家族を笑顔にしたいのに、なぜか妻がイライラ。夫の悩みをアドラー心理学で解決する
その第2弾が出版されました。
今度は、「アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本」というタイトル。仕事と家庭を相互に補い合う関係と捉えて、生活全体を充実させる方法が書かれています。
表紙の帯には「生産性向上は子育てから学べ!」とありますね。
まだ読んでいる途中ですが、本書に「勇気」について書かれた箇所がありました。
「勇気づけ」と「勇気くじき」についてです。
唐突ですが皆さん、少し考えてみてください。
わが子が、勉強や遊びで、どうしても上手くできない事があったとします。このとき親は、子どもに対してどんなアドバイスができると思いますか? また、あなたならどのように声をかけますか?
困難に直面したとき、そばに居て欲しいのはどんな人?
- 必ずできるようになるから大丈夫! と、励ます
- お前のためだぞ! と、叱る
これ、前者が「勇気づけ」で、後者が「勇気くじき」になります。
本書にはこうあります。一部引用します。
“困難に直面して、ただでさえ勇気がくじかれそうになっている相手が必要としているは、心配の押し付けではありません。くじけそうな気持ちに共感し、失敗するかもしれな恐れをともに分かち合い、「かならずできるようになるから大丈夫」「チャレンジに失敗しても、もういちどやればいい」と、優しく力強く伴奏してくれる、あなたという支援者の存在ではないでしょうか。”
……ハッ!
息子がパパに言ってくれた「練習すれば良いんだよ。何回も練習すれば強くなれるよ」という言葉。まさにこれは、息子からパパへの勇気づけではありませんか。
もし、あのとき息子が、「パパは下手だね」「僕には勝てないよ」と言っていたら、僕は勇気をくじかれ、息子と駒で遊ぶ意欲を失くしていたかもしれません。
本書では、親が子に勇気づけを与える事例が紹介されていますが、わが家では逆パターンでパパが勇気づけられました。
ちなみに、この「勇気づけ」は、親子の間だけではありません。
夫婦関係、
上司部下の関係、
さらに自分自身へも活かせます。
困ったとき、悩んだとき、怒りそうになったとき。
勇気くじきを選ぶのか、
勇気づけを選ぶのか。
この選択肢が、いつも目の前にある。そう考える習慣を身につけると良さそうです。
家庭と仕事を両輪に、家族を笑顔にするため前へ進もう!
休日、僕が「アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本」を読んでいると、息子がパパにこう言いました。
息子「それ、何の本なの?」
4歳児にひと言で説明するのは難しいので、僕は表紙の絵を見せてこう言いました。
パパ「子どもとママに、『パパだいすき!』と言ってもらえる方法が書いてある本だよ」
家庭を持つ男性にとって、「家族を笑顔にする」というのは大きな目標のひとつではないでしょうか。仕事のために家庭を犠牲にしてはいけないし、家庭のことばかりで稼げないもの困ってしまいます(専業主夫というスタイルもありますが)。
パパは、仕事と家庭を両輪として、前へと進まないといけないのです。片輪走行では目的地にたどり着けません。
家族の笑顔のために頑張っていきたいですね! 心にいつも「勇気づけ」を。
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