これまでじわじわと低下してきた日本の出生数が、いよいよ急落するフェーズ(局面)に入ってきました。
2016年、日本の年間出生数が初めて100万人を下回りましたが、それからわずか3年で、90万人を割り込むと、見込み数が報道されたのです。
厚生労働省の施設等機関である国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した推計では、90万人を下回るのは2021年ということでした。2年先も予測できないというお粗末さです。
団塊ジュニア世代が40代後半に
上のグラフは、政府が発表する出生数を、僕がExcelグラフにまとめたものです。
1985年頃から、なだらかにグラフは右肩下がりを描いてきました。しかし、これからはそうはいきません。急落が始まります。
その理由は、団塊ジュニア世代の高齢化です。
団塊ジュニア世代とは、1971年から1974年までに生まれた世代のこと。
この世代は、晩婚化・晩産化により出産の時期が広範囲に広がりました。第3次ベビーブームは起きませんでしたが、出生数100万人台を長らくキープし続けていられたのは、団塊ジュニア世代の存在があります。
その団塊ジュニア世代が、いよいよ40代後半に入り、出産期を過ぎてしまったのです。
この先は、合計特殊出生率(ひとりの女性が生む子どもの数)が急増したり、移民を大量に受け入れたりしない限り、出生数の維持や増加はあり得ません。
政府は「子孫を残したい」という本能に、ストップをかけている
なぜ、子どもを生まなくなったのか?
これは正しい疑問でしょうか。
人間はじめ、地球上のあらゆる生物は子孫を残すよう遺伝子に刻まれている、と言われています。「わが子が欲しい」と願うのは本能なのです。
では、その本能に抗って子どもを生まない、というのは不自然に思えます。
議論すべきは、
なぜ、子どもが生めなくなったのか?
ではないでしょうか。
少子化対策は、政府の政策が大きなカギを握っている、と言われています。
ぼく個人的には、政府批判ができるほど政治に詳しい訳ではありませんが、この出生数の低下は政府が招いた結果だと考えています。
一例をあげるとキリがありませんが、非正規雇用が増え、給料は上がらず、税金が上がり、日々の生活でギリギリ。そんななか、子どもを育てるための環境を整えるのは大変です。
わかりやすく言えば、「子どもができれば貧乏まっしぐら」なイメージを持ってしまう若者が大勢いるため、子どもが生めないと思うのです。
政府は長らく「少子化対策」に取り組んでいるようですが、本当に子どもが大切なら、子どもが生まれた世帯に、集めた税金を圧倒的に分配すべきだと思います。現状、それをしないばかりか、不安ばかり募らせています。
政府の少子化対策は口先だけ、だと言わざるを得ないでしょう。
子育て世帯に税金を投入すると経済は回る
税金には、一部の人だけに富が集中しないようにする「富の再分配」の役割もあります。
その分配先を子育て世帯にすることは、少子化対策になるだけでなく、日本経済の活性化にもつながると思います。なぜなら、子育てにはお金がかかるので、分配後はすぐに使うからです。
衣食住といった基本的なことだけでなく、親は子どもに将来への投資をしたくなります。習い事をさせたり、レジャーなどで様々な体験をさせたり(これも生きる力を授ける本能かもしれません)。
そうすれば、日本の経済は活性化しますよね。内需が喚起され、新たなビジネスも誕生し、それがグローバルに展開するかもしれません。富の分配先として、子育て世帯への投入は悪くないと思うのです。
若者の日本離れが進む
昨今「若者の〇〇離れ」が叫ばれています。若者の車離れ、新聞離れ、ゴルフ離れ……。
このままいけば、「若者の日本離れ」は必然だと思います。
日本は、義務教育で英語を教えているのに、ほとんどの日本人は英語が話せません。これは憶測ですが、「わざと英語が話せない教育をしているのではないか」と思えます。もし、ほとんどの日本人が英語を流暢に話せると、日本を出て外国で暮らす日本人が増えてしまうからです。
でも、今の僕たちに必要なのは生き抜くための選択肢。日本にすがることではありません。
日本の現状や将来を憂う方は、今後「世界で活用できるスキル」を身につけると良いでしょう。
たとえば、プログラミングができれば世界で活躍できますし、eスポーツはじめゲームの世界も言葉の壁を超えて広がっています。また、調理、美容、カメラ、映像などのスキルを磨くのも良さそうです。
「外国語」+「世界で使えるスキル」
これに尽きると思います。リモートワークも進んでいますし、5G時代になれば手術すら遠隔でできるようになると言われています。場所にとらわれない、つまり日本で暮らすことにこだわらないスキルを身につけることが、これからの日本人には欠かせないと、僕は考えています。
今回は「出生数早くも90万人割れ」というニュースを見て、思うところを走り書きしました。乱文失礼します。
2015年生まれの子どもが、最後の100万人台ベビーになりました