乳幼児虐待は母親だけの責任ではない。パパになる男が知っておくべき女性の変化。

乳幼児虐待は母親だけの責任ではない。パパになる男が知っておくべき女性の変化。

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乳幼児虐待は母親だけの責任ではない。パパになる男が知っておくべき女性の変化。

ニュースで時々報じられる母親による乳幼児虐待の事件をみて、「自分が産んだ赤ちゃんに暴力を振るうなんて信じられない!狂ってる!」と思っていました。自分がお腹を痛めて出産し、か弱い赤ちゃんや小さな子どもを目の前にして、何故そんな事が出来るのか…と。

しかし、妊娠・出産・育児について知識を得る事によって、「虐待(ネグレクト)に至る可能性は、あり得る事かもしれない」と思うようになりました。それは何故なのか?そして男性の立場としてすべき事はあるのでしょうか?

男性にはわからない、女性を支配するホルモン。

すくすく子育て「産後ママの体と心 ~心編~」
*テレビ画像:NHK すくすく子育て「産後ママの体と心 ~心編~」より

女性の妊娠とは、単にお腹が大きくなって「カラダが重くなる」だけではありません。また出産とは、「子宮から赤ちゃんを出す」という行為だけではありません。

妊娠中、女性ホルモンは上昇を続け、出産後、女性ホルモンが急落します。

男性には生理がないので、日々ホルモンバランスの変化にさらされる事はありません。基本的には、毎日精神的にも肉体的にも安定しています。ですので、女性ホルモン云々…と言われても、ピンとは来ないでしょう。

しかし女性は、ホルモンによって「変化が起きる」というより、もはやホルモンに「支配されている」と考えてもよいくらいだと思います。ホルモンバランスにより、精神的にも、肉体的にも、大きな変化が起きます。

このホルモンの変化が、妊娠・出産・育児期に、大きな振り幅で増減するのです。

過激に例えるなら、ハイになる薬を投与され続けられ、突然シャットダウン。そこにダウナー系の落ち込む薬を投与される。極端ですが、女性に比べて安定的な男性にとっては、「これくらい激しい事が起きているんだ」とイメージする方が理解しやすいでしょう。

とにかく、母体は凄まじい変化にさらされているのです。

もし、頼れる人が居なかったら…。

社会からの孤立

母体は、妊娠・出産・育児で肉体的に大きな負担が掛かり、そのうえ大きな振り幅でホルモンバランスが増減し、気持ちまでもがグルングルン。その時に、頼れる人が居なかったり、さらに言えば、逆にストレスが与えられるような状況であれば、どうなるでしょう。

これも男性にとっては想像しにくい状況です。また極論ではありますが、こんな状況を想像してみてください。ストレス、不安、疲れ、ストレス、不安、疲れ、ストレス、不安、疲れ…「もうやめてくれ」と懇願する肉体的・精神的余裕もない状況で、その呪縛から逃れる事が出来ない。

意識がもうろうとして「無意識に自分でも信じられない行動をとってしまう可能性」は、あり得るのではないでしょうか。

虐待をしてしまった母親は、「殴ってやろう」「殺してやろう」と思って、妊娠、陣痛、出産を経たのでは無いはずです。「絶対に虐待なんてしない」と思っていても、精神的・肉体的に疲労のピークを迎え、さらに悪い環境が加わるなど、取り巻く状況によってはあり得るのかもしれない。そう思うようになった訳です。

外野からの厳しい視線「母親の責任」を止めよう!

社会の厳しい視線

この記事の冒頭で「信じられない!母親が狂っている!と思いました」といった事を書きました。そもそも、これが問題なのです。妊娠・出産・育児について知らない時は「悪魔のような母親」をイメージし、ニュースから受ける憎悪の矛先は、すべて母親に向けていました。

これは、僕自身が勉強不足であり、未熟でした。

ホルモンバランスが大きく増減し、精神的・肉体的に不安定となっている中、「自宅にこもっての育児」「育児がうまく行かない辛さ」「頼れる人が居ない」「社会からの孤立」「すべて母親の責任という世間のイメージに重圧を感じる」など、人によって様々な問題にさらされます。

これら襲いかかる「取り巻く状況」を含めて、すべて母親の責任と言えるでしょうか。取り巻く状況というのは、第三者がつくるものです。第三者というのは、父親、家族、友人、仕事仲間、ご近所など、当事者である母親以外の人達のことです。

ニュースで報じられた母親は、ひとりで勝手に苦しんだのではなく、第三者がつくりあげた取り巻く状況も加わって、さらに追いつめられたのかもしれません。第三者が無意識に考えている「育児=母親の責任」などのイメージが、時には狂気を与える切っ掛けになるということです。

男性は、女性について学んでおく事が大切。

いつやるの。いまでしょ。

妊娠・出産・育児期に起きる女性の変化、という知識があることで、女性に対して「なんて酷い母親なんだ」という意識は低下するでしょう。むしろ、心広く、優しく接することが出来るようになるはずです。

先にも書きましたが、男性は女性に比べると毎日が安定しています。そんな男性にとっては、産前産後の女性の気持ちに納得いかない場合もあるでしょう。もし男性が、女性や妊娠・出産・育児について勉強をしておけば、「何故あいつは!」といった怒りやイライラを、「俺もがんばろう!」という前向きな気持ちに切り替える事ができるのではないでしょうか。

そういった意識が取り巻く状況・環境を優しく暖め、新米ママなど女性を守ることができる社会にすることが出来ると思います。「ひどい女だ!」と怒る前に、ぜひ男性とし出来る事はないかと考えてみたいものです。