保護者間の連絡網って、案外むずかしいんです。
友人同士であればLINEグループが手軽で便利ですし、仕事のプロジェクトチームでのやりとりではFacebookグループが結構良い感じです。
だけど、保育園、幼稚園、小学校などの保護者間のやり取りは、そう簡単には行きません。なぜなら、みんながスマートフォンやパソコンを持っているとは限らないからです。政府が発表したスマートフォンの普及率は67.4%(2015年統計)。
3人に1人は、まだガラケー(フィーチャーフォン)なのです。
スマホをバリバリ使っている方からすれば、「まだガラケー?(笑)」と思うじゃないですか。でも、結構いるんですよ! ガラケーはネット通信費が抑えられる分、月額通信費が安いですからね。また、IT関係の仕事をしている方でも、個人情報の漏洩を恐れてあえてガラケーを選択している人もいます。
ということで、今回はガラケー、スマホ、パソコンが混在するメンバー間での連絡ツールについて考えてみます。
【比較1】LINE グループ
スマホ :☆☆☆☆☆
ガラケー:☆☆
パソコン:☆☆☆☆
LINEはスマートフォン用のアプリとして誕生したので、スマホでの使い勝手は抜群です。パソコンでも使えますが、専用アプリをインストール&起動しないといけない、セキュリティ対策のためすぐに自動ログアウトするなどで、ちょっと面倒です。
そして一番の問題が、ガラケーです。LINEはガラケーでも使えるのですが、LINEグループに大量の投稿があったや場合、スクロールして閲覧するのが非常に面倒なのです。スマホであれば指で簡単にスクロールできますが、ガラケーの場合は、十字キーを何度も押して画面をスクロールし、そして次のページをクリック。LINEは気楽に投稿できるのでコミュニケーションが活発になるというメリットがありますが、ガラケーユーザーにとっては、その大量の投稿がデメリットになってしまうのです。
また、ガラケーにはプッシュ通知がないので、ログインしない限りグループに新しい投稿があったかどうかわかりません。(静かで良いかもしれませんが……)
【比較2】Facebook グループ
スマホ :☆☆☆☆☆
ガラケー:☆☆
パソコン:☆☆☆☆☆
僕はフリーランス(個人事業主)で、仕事上、いくつかのグループに属して別々のプロジェクトを同時進行で進めています。その際、大活躍しているのが、このFacebookグループ!
Facebookグループ内の投稿は、ひとつのトピックスとして独立しているので、その直下でコメントのやりとりをすることで、話題が散らかったり、LINEのように流れ去ってしまうこともありません。メンバー全員にお知らせしたいときはFacebookグループに投稿し、個人的に連絡がある時はFacebookメッセンジャーを利用します。どちらも既読が付くので、読んでくれたかどうかもわかります。
一言で言うと、超便利です!
ぜひこれを保護者の連絡網で活用したい。
……が、しかし。FacebookもLINE同様、ガラケーでも使えるのですが、使い勝手が良いとは言えません。もともとパソコン用に作られ、その後スマホ用に最適化されたサービスですので。
それ以前に、Facebookには別の重大なデメリットがあります。Facebookはプライベートな投稿をしている場合が多く、同じ保育園だからといってアカウントを知られるのが嫌……という問題です。登録内容によりますが、生年月日、出身地、出身校、友達関係などを知られるのは、確かにちょっと嫌ですよね。仲良くなってからだと良いのですが、入園していきなり「Facebookのアカウントを教えて」なんて言えません!(笑)
【比較3】メーリングリスト
スマホ :☆☆
ガラケー:☆☆
パソコン:☆☆
メーリングリストって、まだあったんだ!(笑) と思う方もいるでしょう。90年代、2000年代前半に流行った、グループ間のコミュニケーションツールです。決められたメールアドレス宛にメールを送信すると、登録されたグループ全員にメールが配信される仕組みです。
メールの送信は、パソコン、スマホ、ガラケーに関係なく、すべての端末で利用できます。ですので、結論としては「メーリングリストが端末に関係なく、みんなが使える」ということになります。
ただし、メッセンジャーアプリでのやりとりが主流となっている現在において、いちいちメールでやるとりするのは面倒ではあります。
ということで、ここからはメーリングリストのメリット・デメリットについて、掘り下げて考えてみます。
王者決定! 優勝はメーリングリスト。ただしデメリットも……
僕の息子(2歳)が通う保育園では、父母会の役員間のやりとり、クラスの保護者間のやりとりに、数年前からメーリングリストを採用しています。僕は今年度の父母会(保護者会)の会長をさせていただいているので、新年度の4月、前年度の役員さんにサポート頂きながら、まずはメーリングリストの準備を行いました。
これが、意外にもめちゃくちゃ大変だったのです……。
■大変その1 正しいメールアドレスの収集が大変!
保護者の皆さんからアドレスを伺う際、父母会の申し込み用紙に手書きでメアドを書いてもらいました。まぁ一発で全員の正しいアドレスが揃うことがない、と言えるでしょう。
- 「.」(ドット)と「-」(ハイフン)がわかりにくい。
- 「I」(あい)と「1」(いち)がわかりにくい。
- 迷惑メール対策のため、非常に長いメアドにしている場合があり、本人もうる覚え。
■大変その2 ドメイン拒否で届いていなかった!
全員のアドレスを登録し終えたあと、「本メールの受信できたら、確認ためご返信をお願いします」と最初のメールを投稿しました。しかし、返信を頂けない方がいる。
なんとか連絡を取り合って聞いてみると、ガラケーでドメイン拒否(許可をしていない)設定だったため、届いていないことがわかったのです。
■大変その3 連絡が取れないから、手紙でやりとり
保護者同士、毎日顔を合わせる訳ではありません。ですので、返事を頂けない方は「届いていないのか」「返信をしていないだけかのか」がわかりません。そこで僕は、メール受信の確認に、アナログの手紙を活用しました。
僕たちがお世話になっている保育園では、園児ひとりにつき、ロッカー(鍵なし)が一つ割り当てられます。そのロッカーに、「先日メールを送ったのですが、届いていたでしょうか? もし届いていないようであれば、以下のアドレスにメールをお送りください」といった旨の手紙を入れました。
それでようやく、連絡が取り合えるメーリングリストが完成したのです。完全に揃うまで、1ヶ月弱掛かりました。(汗)
メーリングリストは、気軽に投稿・返信しづらい
LINEグループであれば、気軽に「オッケ〜!」「いいね!」と一言返信をしたり、「イェイ!」とスタンプだけで返信することが可能です。
しかし、メーリングリストになると、どうしても堅苦しくなるのです。
「○○様
お世話になります。
……。
以上、どうぞよろしくお願いします。
署名」
といった具合に。
僕はそうならないように、「様」ではなく「さん」で始めたり、顔文字を使用したりしましたが、やっぱり堅い流れになってしまいます。返信もしづらいし、新しいトピックスも投げかけにくい。この辺りは、全体の空気感かと思いますが、僕はちょっと難しいな……と感じました。
ただ、同じクラス用のメーリングリストは割と気さくにやりとりできるのですが、役員用のメーリングリストはまるで仕事のやりとりのような堅さで……。^^;
まとめ
結論しては、古いツールであるメーリングリストが誰でも使えるツールとなります。とはいえ、やっぱりLINEやFacebookに比べ、面倒くささがあります。
もちろん、この他にもサイボウズなどのグループウェアもありますが、これらは逆に敷居が上がってしまって、使いづらくなってしまうでしょう。
余談ですが、保育園の父母会の役員メンバーに、東京に本社がある日本の超有名IT企業や、アメリカのカリフォルニアに本社にある超大手IT企業に勤めている方がいます。そんなIT戦士たちがいるにも関わらず、やっぱり旧式のメーリングリストを選ぶしかないのか……と、ちょっと寂しくなります。
他に良い連絡ツールを知っている方いましたら、ぜひアドバイスいただけると嬉しいです!
【追記 2017年4月28日】1年間の任期を終えました
保護者の顔と名前がわからない、役員間の空気が堅苦しくなるなど、「苦労」と「良かったこと」の両面からお伝えします。
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