闇バイト強盗から家族を守る! 町内会やPTAで実践できる地域防犯のポイント

昨今、主に高齢者が暮らす家を狙っての強盗が頻発しています。留守を狙っての泥棒ではありません。強盗です。

これまでは、オレオレ詐欺・還付金詐欺・架空請求詐欺といった騙して金を盗る『特殊詐欺』が多かったのですが、そうではなく家に押し入って、家人を殴って縛りつけ、「金のありかを言え」「キャッシュカードと暗証番号を教えろ」などと迫り、用が済んだら撲殺するなど凶悪事件へと手口が広がってきています。

特殊詐欺であれば、ITリテラシーを高めたり、銀行のATMで注意喚起を行ったりなどの対策はありますが、強盗となると知識だけでは防げません。

闇バイト強盗が避けるのは、犬を飼っている家

柴犬

家に押し込む強盗事件の実行犯は、指示役から指示を受けた、いわゆる闇バイトの若者です。犯罪や強盗のプロではなく、SNSやアルバイト情報アプリなどから応募する素人が強盗を実行します。

犯罪のプロであれば、他人の家に侵入し、金品を強奪することには慣れていると思うのですが、素人はほぼ未経験です。そのため、指示役は素人でも強盗できる家を選定しないといけません。

このとき、狙いたくない避ける家があるそうです。

それは、犬を飼っている家です。

防犯アドバイザーの京師美佳氏に“狙われる家”と“狙われない家”をテーマに、自宅の防犯対策を教示してもらった。

 

強盗犯にとって、犬を飼っている家は鬼門です。なにもシェパードやドーベルマンでなくてもいいんです。 マルチーズのような小型犬であっても、夜中にワンワン吠え続けていたら、近所の人に気づかれやすくなります。事前の準備段階でも、犬を飼っている家は、敬遠されると思われます

 

Yahoo! ニュース「闇バイト強盗が”狙う家”と”避ける家”の違いは…キーワードは「犬」と「ダミーカメラ」より

たしかに、家がたくさんある中で、わざわざ犬がいる家が選ばなさそうですね。

ちなみに、防犯アドバイザーの京師美佳さんは、以前X(旧Twitter)で、餌付けされるリスクについても発信されていました。しかし、その日のためだけに雇われる闇バイトに餌付けをする余裕はありません。業者などを装って何度も事前に訪問している訳でないですからね。

やはり、闇バイト強盗対策としては、犬を飼うのは効果的と言えそうです。

ただ、番犬の意味合いで犬が求められ、まるで時代が過去に戻ってしまったような印象ですね。

闇バイト強盗が避ける街は、防犯意識が高い地域

では、自分の家だけが守らればいいのか? その結果、お隣さんやご近所さんの家が狙われることになるかもしれない。そうならないために、「この地域は避けておこう」と強盗に思わせることが肝心です。

そこで活躍できるのが、町内会(自治体・町会)や、小・中学校のPTAです。

 

【町内会】夜警やパトロールで目を光らせる

町内会の火の用心

日本には、ご近所さんの集まりである町内会があります。近年は「若者が加入しない」などで衰退気味ですが、たいていどこの地域にもあるでしょう。

僕が暮らす東京都世田谷区の某町内会では、毎年年の瀬が近づくと町内会の方による『夜警』が実施されています。いわゆる、火の用心です。数人でチームを組んで、拍子木を打ち鳴らしながら、町内を練り歩きます。

火の用心といいつつも、泥棒対策も兼ね、不審者がいないかもチェックしています。

この夜警は僕も経験があり、地元の大阪府岸和田市で暮らしていた頃は、青年団で毎年12月に下旬に実施していました。毎日のべ6時間ほど、町内を見回ります。6時間歩き続けるわけではなく、数チームつくって交代しながらです。

岸和田市は『だんじり祭』で知られる地域です。屈強な若者が各町内を練り歩いていたので、今にして思えば、結構な防犯対策になっていたかと思います。

「地域に不審者を近づけない」「この地域で強盗させない」ためにも、今一度、町内会の役割を考え直して見てはいかがでしょうか。町内会の行事に参加するのを面倒に感じている若者であっても、「夜警メンバーの募集」であれば挙手してくれる人はきっといるかと思います。自分の家、祖父母の家、隣近所の家を守る手助けになりますからね。

 

【PTA】警察と協力しながら防犯パトロール

PTAパトロール強化区域
帰省中の大阪でみかけた地域の看板です

僕は、去年とおととし、息子が通う東京等世田谷区の某公立小学校でPTA副会長を2年間務めさせてもらいました。

同小学校のPTAでは、保護者の防犯パトロールが毎年熱心に行われています。僕もその活動に賛同し、パトロールの仕方を解説するビデオを他の保護者さんと協力しながら制作するなど、前向きに取り組ませてもらいました。

パトロールは、児童の登下校の時間帯が中心にはなりますが、毎日、保護者が学区内を見まわっています。

年に数回ではなく、ほぼ毎日です。

たすきをつけた保護者が、3人程度でチームを組んで子どもたちに声掛けをしたり、不審者がいないか、通学路に危険はないかをチェックします。同時に、ゴミ袋も持参し、美化運動も並行して行っています。

また、世田谷区では子どもたちの安全確保のために「こどもをまもろう110番」という運動も行っています。これは世田谷区に限らず、全国的に行われていますよね。

世田谷区の「こどもをまもろう110番」

そのおかげかどうかはわかりませんが、くらしの安全マップをみても、学区内での子どもが被害者の不審者事件はほぼ発生していません。

ちなみに、PTAの「防犯パトロール」や「こどもをまもろう110番」活動は、地域の警察署や区役所と連携しながら実施しています。パトロールなので素人判断では危険を伴うので、「パトロールは必ず2人以上で実施する」などの指導を受けています。

先の町内会と同様、PTAも衰退傾向ではありますが、地域安全を守る一旦を担っていると思いますので、改めて活動の意義を見出して見てはいかがでしょうか。強盗も、わざわざ防犯意識の高い地域は狙わないでしょう。

この地域は防犯意識が高い、と思わせるのが肝心

ここまで読んでくださった方の中には、「いやいや、今さら町内会とかPTAとか昭和かよ!」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、強盗自体、まさか令和の今、こんなに起きるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。少し古風に感じられるかもしれませんが、「地域ぐるみで自分の家を守る」という意識は、今こそ必要不可欠だと感じます。

ちなみに、目的は犯人逮捕や不審者の捕獲ではありません。「この地域は防犯意識が高いな」という雰囲気を高めていくのが肝心です。巡回だけであっても、素人での行動にはリスクがあります。まずは地域の役所に相談し、警察と連携しながら実施するのが安全であり、より効果的でしょう。

こうした地域コミュニティは、防犯に効果があるだけでなく、災害時にも役立ちます。近所の家で誰が暮らしているのかを把握していれば、火災が発生したり、家が崩れたりした際の、救助にも役立ちます。救急隊員がきたときに「この家には、高齢の男性がひとりで暮らしています」など伝えられますからね。さらに、避難所での連携や、復興もスムーズに行えます。

地域での協力体制は、個々の防犯だけでなく、災害時や日常の安心感にもつながるのです。

こうしたきめ細やかさは、地域コミュニティだからこそだと思います。平時は面倒に感じるかもしれませんが、いざというときには大きな力になるでしょう。

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