世田谷区で子育てするには、世帯年収800万円は必要。保活でわかった激戦区の生活費

「結婚して、世田谷区で子育てをしたい。世帯年収はどれくらい必要なの?」

今回は、そんな方に向けてお伝えします。

まず僕たちは、夫婦と息子(生後7ヶ月)の3人家族。東京都世田谷区で暮らしています。目黒区との区界で、最寄駅は東急東横線「祐天寺」「学芸大学」駅です。

近所にある世田谷公園は、遠方からもわざわざ遊びに来る人がいるほどの居心地の良さ。徒歩圏内に、スーパー6軒、ドラッグストアは10軒以上あります。住宅街の中に、飲食店、洋服店、家具店、病院などがあちこちに点在し、日頃の生活においてすべて徒歩でも不自由がないレベルです。

渋谷や新宿などの都心にも近く、仕事をするにも、生活するにも、まったく不自由がない快適なところです。

保活で気づいた、世田谷区の生活費

さて、夫婦共働きで暮らす分には、何の問題もありません。

しかし子供ができて、その状況は一変!

保育料のあまりの高額さに、恐れおののいてしまいました……。

一向に決まらない認可保育園

世田谷区が運営する認可保育園の保育料は、世帯収入に応じで0円〜7万円程度になります(*1)。しかし、これが一向に決まらない!

区の認可保育園が最も低額なのですが、ここに入園するには条件があり、申込者全員が入園できる訳でなないのです。保育が必要な家庭を見極めるための「指数」と呼ばれる点数の合計が高いもの順に、入園内定の声がかかるのです。

僕たち夫婦の指数を世田谷区役所に確認してみると、109点とのことでした。

夫婦がフルタイムで働くことで100点(50 + 50)。あとは実家が遠く育児のサポートが受けられないなど、こまごまと加点されてその合計点数というわけです。しかし、これでは全然足りません。日本一の待機児童が多いと言われる世田谷区では、夫婦共働きなんて当たり前すぎて、入園するにはもっと高い点数(指数)が必要になります。

シングルマザー(シングルファーザー)であるとか、子供が3人いるとか、家で親の介護をしているとか、とても低所得であるとか、そういった緊急を要する家庭の子どもが優先されます。当然ですよね。

*1. 【追記】2019年10月、認可保育園が無償化になりました。延長保育を除く保育料が0円です。

高額すぎる認可外保育園!

世田谷区は、認可保育園の数がそもそも少なすぎます。区長の保坂展人さんも増やそうと努力されているようですが、近隣住民の反対が多発し、開園できる場所探しがまず難しいのだそうです。

新設の保育園を待っているわけにはいかないので、そこでターゲットを認可外保育園へと変更するのですが、こちらも超激戦! しかも、月謝がめっちゃ高い!!

自分たちが何十軒もあたって、今、なんとか入れそうな認可外保育園は、月謝が15〜16万円が相場でした。

保活をする以前は「保育料が10万円って! ないない(笑)」だったのが、完全に概念が崩れてしまい、10万円超えは覚悟の範囲に……。

月謝15万円となると、育休を終えて仕事に復帰する奥さん(もしくは旦那さん)が、最低でも月に20万円、できれば30万円以上稼がないと、共働きする意味は無いんじゃないかと思える保育料です。

世田谷区で子育てをするには、世帯年収800万円が目安!?

世田谷区の家賃相場情報(HOME'S)より
画像参照元:世田谷区の家賃相場情報(HOME’S)

大手不動産会社HOME’Sで家賃相場を確認すると、世田谷区では「2LDK 17万円」「3LDK 20万円」となっています。

子どもが生まれたら、ワンルームや1LDKは厳しいと思いますので、最低でも2K、できれば2LDK以上は欲しいです。

この家賃に認可外保育園の15万円をプラスすると、32〜35万円。

さらに、光熱費、通信費、食費、その他雑費(自営業の場合は、住民税、国民年金、健康保険料なども忘れずに)を加えると、毎月の生活コストは50万円程度が目安となります。

50万円 × 12ヶ月 = 年間600万円!

当然マイカーは持たない場合のコストです。もちろん、急な出費や冠婚葬祭があったり、地方出身者は田舎に帰省する場合もあるでしょう。子どもがいれば、貯蓄もしていきたいところなので、すこし余裕をもって年間800万円が目標といったところではないでしょうか。

2人目、3人目の子どもとなると、その試算はもっと上回るでしょう。

余裕ある貯金か、しっかりとした収入

結論。

僕たちは身の丈に合ったところに住んでいないな……(笑)

と、わかりました。

とはいえ、仕事のことを考えると、今すぐには引っ越せません。早くて1年、遅くとも2〜3年後には引っ越しているかもしれませんね。

最後に、うちの近所で売られていた土地を紹介します。

墓地に隣接している家が取り壊され、その空き地が売り出されています。

小ぶりの家一軒で1億円。まぁ、そういうことですよね。笑

【追記1】東京で普通に子育てをするためには、年間650万~950万円が必要

東京地方労働組合評議会(東京地評)が、東京で普通に子育てするためにはどのくらい費用がかかるのかを公表しました。

東京都練馬区で、43平米の賃貸で4人暮らしなど、慎ましやかに暮らす家庭での試算です。世田谷区の場合は、家賃分がもう少し加算されると思います。

以下、資料より引用です。

 


 

練馬区で子どもを普通に育てるためには、30代で月額約54万円40代で月額約62万円50代で月額80万円(ともに税・社会保険料込み)が必要となる。これは年額に換算すると 30代=約650万円、40代=約740万円、50代=約960万円になる。

ここで想定した「普通の生活」とは、以下のような内容である。

30代は夫婦と小学生、私立の幼稚園に通う幼児からなる 4人家族。43㎡前後の賃貸マンション/アパートに住み、家賃は95,000円。1か月の食費は約11万円あまり(=1人1食300円あまり。夫の昼食は月の半分はコンビニ弁当。飲み会の費用は3,500円だが、行けるのは月に1回のみ)。家族みんなで行楽地に出かけるのは月に1回(1回の費用は8,000 円)。教育費は1か月あたり約28,000円

40代なると、子どもが成長して、小学生と中学生となり、月あたりの教育費は約39,000円に増える。

さらに、50代になると、長男は都内の私立大学に通い始め、一気に学費が跳ね上がる。1か月あたりの教育費は約13万円で、このうち大学生にかかる教育費が約11万円である。学費が家計を圧迫している現状が垣間見える。年々、親の世代の経済力が低下するなかで、奨学金という名のローンに頼らざるえない実情がある。

冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、掃除機、エアコンなどの家電は、量販店で最低価格帯のもので買いそろえ、夫はスーツ2~3着(約24,000 円)を着回しているなど、けっして贅沢な暮らしではなく、むしろ慎ましいとも言える生活である

東京都最低生計費試算調査の結果報告より引用


 

この報告書を見れば、世田谷区で子育て(一人っ子)するには、世帯年収800万円が必要なのは、間違っていないと言えそうです。

子育てには、お金がかかりますね……。

【追記2】子育て世帯の年収、全国と東京の比較

東京は、他の他府県と比べて世帯収入が多いのか?

総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運用管理を行っている政府統計の総合窓口「e-Stat」より、子育て世帯の年収を比較してみました。2022年度の統計です。

参照元:e-Stat 就業構造基本調査 令和4年就業構造基本調査 地域編(全国、都道府県、政令指定都市、県庁所在都市、人口30万以上の市) 世帯単位で見た統計表 

 

【全国】夫婦と子供から成る世帯の年収分布

2022年度 子育て世帯の年収 全国平均の棒グラフ
グラフ クリックで拡大

年収順位

  1. 【1位】1000~1249万円
  2. 【2位】600~699万円
  3. 【3位】 500~599万円
  4. 【4位】700~799万円
  5. 【5位】800~899万円

1000~1249万円の世帯が最多であるものの、年収100万円から2000万円以上に広く分布しているのがわかります。中央値は年収700万円あたりです。

 

【東京都】夫婦と子供から成る世帯の年収分布

2022年度 子育て世帯の年収 東京都平均の棒グラフ
グラフ クリックで拡大

年収順位

  1. 【1位】1000~1249万円
  2. 【2位】1250~1499万円
  3. 【3位】1500~1999万円
  4. 【4〜6位】700〜799万円 , 800〜899万円 , 900〜999万円 ほぼ同数

1000~1249万円の世帯が突出して多いです。続くボリュームゾーンも1500万円超えが多くなっています。

世田谷区に絞っての集計はできませんでしたが、おそらく高収入の傾向はさらに高まるかと思います。ここから推測できるのは2つ。ひとつは東京は稼ぎやすい。ふたつめは居住費が高く、高収入でないと暮らすのは厳しいと言えるでしょう。

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