おむつが外れていない乳幼児の銭湯入浴禁止について

「タトゥーや入れ墨(刺青)を入れた方が、スーパー銭湯や温泉への入浴を拒否された」ということが度々話題になります。ただ、これに関しては近年、外国人観光客の急増などを背景に、小さなタトゥーでばんそうこうなどで隠せるなら入浴可など、多少は柔軟になりつつありますね。

僕が気になっているのは、この問題ではありません。「乳幼児の入浴禁止」についてです。

わが家の息子が2〜3歳になってから気づいたのですが、「おむつのとれていないお子様のご入浴はご遠慮ください」と、乳幼児を規制している銭湯があるのです。

今回は銭湯における、入浴禁止問題についてお伝えします。

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【法律】公衆浴場法で禁止しているのは、伝染病患者と不衛生な行為をする者

法律書

日本には、公衆浴場に関しての「公衆浴場法」という法律があります。この法律では、営業者・利用者に対し、以下の罰則規定が設けられています。

 

営業者の義務違反に対する罰則
伝染性の疾病にかかっている者に対する入浴拒否、又は公衆浴場において不衛生な行為をする者に対する当該行為の制止をしなかった者は、拘留又は科料に処される。

利用者の義務違反に対する罰則
営業者が入浴拒否をしたにもかかわらず公衆浴場に入浴した伝染性の疾病にかかっている者及び公衆浴場において不衛生な行為をした者は、拘留又は科料に処される。

 

簡単にまとめると、

  • 伝染病患者は入浴できない
  • 浴場内で不衛生な行為をしてはいけない

と、いうことです。

【入れ墨・タトゥー】伝染病や不衛生行為に含まれない

入れ墨をいれた身体

まず、入れ墨・タトゥーについて。

男性ならご存知の方も多いと思いますが、町の銭湯へ行くと、彫物を背中にしょった方が結構いらっしゃいます。実は「入れ墨」という文言は、公衆浴場法上には一言もありません。罰則規定にも含まれていないのです。

2017年(平成29年)、国会ではこんな答弁も行われました。

 

質問
一部に入れ墨がある人の入浴を断っている公衆浴場があります。入れ墨があることのみで公衆衛生に害を及ぼすことはないので、法律上入浴を拒むことは出来ないと考えますが、政府の見解を伺います」

答弁
「入れ墨があることのみをもって、対象者がり患者に該当し、又は当該入浴が当該行為に該当すると解することは困難である」

 

法律上も、政府の見識も、入れ墨をしている者の入浴を禁止していないのです。そのため、禁止している浴場は自主規制を行なっている、ということになります。

個人的な意見ですが、日本人で入れ墨やタトゥーを入れる方は、それ相当の覚悟を持って彫物を入れていると思うので、多くは問題ないと思います。ただ、日本が好きで、日本の文化に興味を持った外国人が、入浴を拒否されるのはちょっと気の毒だなと感じます。

【赤ちゃんは不衛生!?】おむつが取れていない子どもの入浴を禁止する銭湯

ご利用のお願い。おむつのとれていないお子様のご入浴はご遠慮ください

あともう一つ、「おむつが取れていない乳幼児の入浴を禁止」している銭湯について。

赤ちゃん禁止?
そんなまさか!?

……と思われるかもしれませんが、僕は子連れで銭湯に行くようになり、その注意書きに気づくようになりました。上記の画像は、関東にある某スーパー銭湯です。

 

ご利用のお願い
おむつのとれていないお子様のご入浴はご遠慮ください

 

禁止の意図は、書かれていないのでわかりません。

ルールは銭湯側の自主規制だと思いますが、この入浴を禁止する理由は、一体何なのでしょうか。赤ちゃんが湯船で「おしっこ」や「うんち」をするかもしれないからでしょうか。

もしそうであれば、尿もれをしやすい妊娠中の女性、便失禁をしやすい高齢者や障がい者なども、入浴規制をしないといけないことになってしまいます。赤ちゃんや幼児だけを規制するのは、どうしても扱いに差別を感じます。

おむつをつけた赤ちゃん

 

ただ、この注意書きには、後から貼ったと思われる「年齢にかかわらず、紙パンツ・紙おむつなどをご利用の方の入浴はお断りしております」の文言もあります。上に「お子様の文字」、下に「赤ちゃんの絵」があるので非常にわかりづらいのですが、高齢者なども対象という意味合いなのでしょうか。

【番外】子どもに厳しすぎる番台さん

瓶入りのフルーツ牛乳

余談ですが、わが子が生まれる前から、夫婦でよく利用していた町の銭湯のことについてもひとこと。その銭湯は、お湯の質が最高で、肌がとてもしっとりします。また、身体がぽかぽかと温まり、極寒の日に自転車で帰っても湯冷めしにくいほどです。

そんなお気に入りの銭湯に、僕は息子が2歳半の頃に連れていきました。

一角にはぬるめのお湯もあるので、幼い息子ものんびりと湯を楽しむことができて大満足。湯上り後は、息子にフルーツ牛乳を買ってあげました。一緒に選んで、一緒に番台へ。

「これ、くーださい」と、ほがらかに。

そのとき、番台さん(女性)は突然厳しい顔つきになり「きちんと座らせて飲ませるように!」と言い放ち、僕はいきなり叱られたのです。お金を払っただけで、まだ開けてもいないのに……。「ありがとうございました」の一言もありません。

その後も番台さんは子どもをにらみ続け、ちょっとでも動くと「ほら!」と声を上げるのです。

一体何なんだ。
僕は、とても嫌な思いをしました。

後日、嫁さんも息子を連れてその銭湯へ行ったら、少しテンションが上がっただけで「騒がせないで!」と叱られたそうです。

乳幼児の入浴を禁止しているわけではありませんが、なぜか子どもに対して異常に厳しい銭湯だったのです。

子どもが生まれたら、好きな銭湯に行けなくなる

銭湯のお湯につかる男性

「タトゥーを入れたら、一部の銭湯に入れなくなる」

これは先にも書いたように、日本で暮らす者であれば、日本の文化・慣習をよく知った上での覚悟なので、仕方がないと理解できるでしょう。

「子どもが生まれたら、一部の銭湯に入れなくなる」

これは、悲しいです。馴染みの銭湯、お気に入りの銭湯に、子どもがいるために入れなくなってしまうのです。赤ちゃんやおむつの取れていない子どもの入浴を規制するのは、経営方針ですので口出しできることではありません。

「子どものおむつが取れるまで、3〜4年くらい我慢しろ!」

と思われる方もいらっしゃると思いますが、一旦離れると子ども入浴可の別の銭湯へ行くようになるので、これまでの銭湯とは疎遠になります。実際、うちの息子はおむつが外れていますが、先の厳しい番台さんの銭湯には一度も行かなくなってしまいました。

銭湯は単にお風呂としての役割だけでなく、老いも若きも集える「社交の場」でもあるのではないでしょうか。

個人的な意見ですが、僕は「銭湯はウェルカムな精神で満ちて欲しい」と願っていますし、タトゥーをした外国人の入浴うんぬんの話にしても、日本人のふところの深さを知ってもらえる良い機会だと捉えればいいのに、と思っています。

思いやりが溢れる空間であって欲しいですね、銭湯は。