子育てが始まると、「この先、毎月どれくらいの稼がないといけないのだろう?」と、多くの家庭でお金の心配をするかと思います。
先日、埼玉県の県労働組合連合会(埼労連)が、「埼玉で人並みの生活をするには、月収50万円必要」との試算を発表し、それを朝日新聞が報じています。
埼玉県内で人並みに暮らすには月約50万円の収入が必要で、子供が大学に入ると支出が急に増え、奨学金がないと成り立たないとする調査結果を、県労働組合連合会(埼労連)と有識者がまとめた。
7割以上が持つ物を「必需品」とし、それを持つ生活を「普通の生活」と定義。回答者がよく買い物をしている店などで実際の価格も調べた。
たとえば洗濯機は約6万円のものを国税庁の決まりをもとに耐用年数を6年として割り算し、月額を836円とするなどして、家具・家事用品の月額負担は1万8356円と積算。
【月50万円】小学生と幼稚園児の兄弟がいる家庭
記事内では、様々な子育て家庭の試算パターンが掲載されています。パパやる読者に近い事例としては、未就学児と小学生の兄弟がいる場合がありました。
- 【家賃】5万5,000円(2LDK、約43平米)
- 【食費】10万8,000円
- 【交通・通信費】3万8,000円
- 【教育費】2万7,000円
- 【車】ない設定
これらに、7割りの人が持つ物「必需品」の月割りや、税金・社会保険料などを加算すると、およそ50万円になるということです(年収600万円)。
家賃のおよそ10倍の生活費とは、結構高額な気がしますね。
食費の10万8千円は一見高いように感じましたが、日割りすると3,600円。家族一人あたり900円。酒代や外食も含めると妥当というか、節約しているような気もします。
ただ、これはあくまでも「人並み」の生活をした場合。家電、家具、スマーフォフォン、習いごとなどの費用を削ることは可能です。
子供が高校生と大学生になったら、月68万円
子育て家庭の生活費は、大学生になったら急激に増えるとニュース記事にも書かれており、その試算も掲載されています。
- 【教育費】9万円
- 【交通・通信費】5万円
兄弟の上の子が、埼玉県から東京に私立大学に通う場合、特にこの項目が増加。月の生活費は税などを加えると月額「68万円」になるとのことです(年収816万円)。
これらは埼玉県の郊外での試算ですので、東京都心部であれば家賃は毎月プラス10万円は加算されると思います。
生活費高っ! 人並みなんて目指さない……という生き方ができるか?
かなり高額な生活費ですね。子育て世代の平均給与っていくらでしたっけ? 年収200万円以下が一千万人を超えたってニュースもありましたね。毎月50万円や68万円となると、夫婦2馬力でも厳しい家庭は多いのではないでしょうか。
もちろん家事や子育てをしながら、場合によっては親の介護などをしながらという家庭もあるでしょう。
そうした仕事だけに集中できない生活リズムで、稼ぎ続けるのは相当ハードです。「お金に追い立てられる生活が幸せなのか?」と、疑問を感じてしまいそうです。
少子化が叫ばれて久しいですが、子供が生まれたら馬車馬のように止まることなく働き続けないといけないという過酷な状況がそびえていると、やっぱり一歩踏み出しにくくなりますよね。
自分たちの価値観
もちろん「人並み」を目指さない生き方というものあります。
僕の嫁さんの友達に、しばらくは東京で子育てをしていたのですが、のちに瀬戸内海に浮かぶ島へ引っ越したご家族がいます。金銭的な理由じゃないですよ。生まれ故郷なのです。
そんな田舎で古民家を借り、オシャレに改装し、農業をしながら暮らしています。一度泊まりに寄せてもらったことがあるのですが、地域に根ざした農業イベントを開催したり、都心で暮らす人に向けてネット通販をはじめたり、東京とは違う価値観を得てとても楽しそうでした。
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寄り道バザール
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生活環境をガラッと変えるのは勇気がいりますが、今暮らしている地域の「人並み」にこだわる必要があるのか? それが本当にわが家の幸せなのか? と、根本を考えてみるのも良いかもしれません。
ガラッと変えるのか・変えないのかは別として、それくらい考え方に余裕があると、心がいっぱいいっぱいにならなくて良いかもしれません。