PTAでは、パソコンを使う作業がしばしばあります。
委員や役職にもよるのですが、広報や会計など資料作成をする立場にいる方や本部役員は、ほぼ必須と言えるでしょう。
そこで主に使われるアプリケーションは、Microsoft ExcelとWordです。
ExcelやWordでつくられたファイルが送られてきたり、PTA会員らと共同でファイルを作成したります。担当者一人で作業を完結し、その後「他の誰にもシェアしない」「後任にも引き継がない」などであれば、好きなアプリケーションを使えばOKです。しかし、人にシェアしたり、複数人で共有したりする場合は、共通のアプリケーションを使う必要があります。
そのため、「Microsoft Excel」と「Microsoft Word」、もしくはそれらがパッケージング化された「Microsoft Office」はPTA活動において欠かせないアプリケーションとなります。
さて、今回お伝えするのは、Macユーザーはどうしたら良いの!? について。
Macにはそれらに類する、Apple社製の表計算ソフト「Numbers」と文書作成ソフト「Pages」が無料でついています。これで対応できるのでしょうか。それともExcel、Wordは必要なのでしょうか。解説します。
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PTA役職別、Excel・Wordの必要度
申し遅れましたが、僕は東京都内の某公立小学校に通う小学3年生の息子を持つ父親です。PTAへの委員・本部への参加は3年目となり、初年度は学級代表委員、2年目・3年目は副会長を務めさせていただいています。
また、個人が保有するパソコンはMac(MacBook Pro)です。
そんな環境の中で、ExcelとWordを使用する機会が多々あると実感しています。具体的に、どのような場面で必要なのか? 役職別に解説します。
会長・副会長
会長・副会長は、所属する学校のPTAだけでなく、各種協議会や役所の方など、学校内外との交流が頻繁にあります。
こうした中で、ExcelやWordでつくられたファイルのやりとりが結構多いのです。
閲覧だけであれば、スマホやGoogleスプレッドシート・ドキュメントなどで開くことはできますが、編集をしたり、いちからつくったりする場合はExcel・Wordは必要になります。
必須度:★★★★★(4)
一例
- PTA委員とのやりとり
- 学校の先生方とのやりとり
- 全国・都道府県・自治体ごとのPTA協議会とのやりとり
- 行政(区役所・市役所・町役場)とのやりとり
- その他、対外的なやりとり
会計・会計監査
会計は、予算作成、決算書作成、日々の入出金管理、PTA会費の管理などを行います。
会計にとって、特にExcelは必須と言えるでしょう。会計ソフトや会員を管理するための専用アプリなどを導入している場合は不要かもしれませんが、年度末には決算報告書をつくることになると思いますので、そこでは何らかの表計算ソフトが必要になるはずです。
また、後任の方への引き継ぎも考えると、やはり汎用性が高いExcelやWordは便利です。
必須度:★★★★★(5)
書記
書記の業務はPTAによって様々かと思いますが、その名の通り文章・資料を作成する委員です。ここは、Excel・Wordにこだわらず、MacのNumbers・Pages、Googleスプレッドシート・ドキュメント、またAdobe Acrobatなどでも良いでしょう。
ただし、後任の方への引き継ぎも考えると、みんなが使いやすいソフトを選ぶ方が良さそうですね。
必須度:★★★★★(4)
広報委員
広報委員の活動は、昨今バラエティー豊かになりましたね。かつては広報誌が主流だったのですが、今はSNSを活用するPTAが増えています。特にInstagramが多く、あとはX(旧Twitter)がちらほら。SNSは校外にも公開されるので導入は要検討ですが、各PTAでは「大人の顔はOK、子どもの顔はNG」「個人が特定されないよう画像加工をする」など工夫しながら上手く運用しています。
また、印刷所に依頼する本格的な広報誌をつくる場合は、Adobe InDesign、Illustrator、Acrobat Proなどのプロ向けのソフトが必要になります。
広報委員は、どんな広報活動をするのかによって、必要なツールを決めれば良いでしょう。
必須度:★★★★★(3)
学級代表委員(学年委員・学級委員)
クラスや学年を代表する委員です。クラスや学年単位でお楽しみ会などを開催したり、担任の先生を招いての茶話会を開催したりします。また、学年によっては授業の中で行われる「まち探検」「ミシン」などで保護者のサポートが必要な際、学級代表委員が声掛けや選出を行うこともあります。
パソコン作業は特にありませんが、チラシや活動報告書などを作成する場合は必要になるでしょう。
必須度:★★★★★(1)
文化委員
文化委員は、保護者や教員に向けて講習会・勉強会などを開催します。行政から補助金が支給され、その予算で講師を招く場合が多いかと思います。
ExcelやWordは特に必要ありませんが、案内チラシを作成する際にあれば便利くらいでしょう。
必須度:★★★★★(2)
郊外委員
校外委員の役割はPTAによって違いが結構ありそうですが、その名の通り学校の外の活動です。たとえば、地区班をつくって児童の登下校の見守り、挨拶運動、防犯パトロール。学校によっては、防災訓練やベルマークも郊外委員の管轄になっているところもあります。
また、〇〇区PTA協議会、東京都小学校PTA協議会などの団体への会合出席や、警察署や消防署との連携もあります。
ExcelやWordは特に必要ありませんが、案内チラシを作成する際にあれば便利くらいでしょう。
必須度:★★★★★(2)
選考委員
選考委員は、来年度のPTA委員を決める役割です。全会員向けに募集をおこなったり、推薦者にお声掛けをしたり、ポイント制度を導入しているPTAは取得数を参考に人選したり、学校によってやり方はは様々です。
昨今、個人情報保護法により名簿化していないPTAもあるかと思いますが、会費を集めたり、ポイントを管理したりする際は、最低限の名簿は必要になります(法律及びPTA規約に基づいて運営)。
案内資料を作成したり、最低限の名簿作成をしたりする際、ExcelやWordがあった方が便利かもしれませんね。
必須度:★★★★★(3)
各種イベント系委員
縁日、花火大会、フェスタ、バザー、ワークショップなど、子ども達が楽しめる様々なイベントを開催しているPTAでは、各イベントごとに実行委員を設置している場合があります。
イベントは1日だけの開催であっても、規模によっては何度も会合を重ねたり、準備に何日もかけたりします。また、自分たちの学校内だけでなく、地域の町会・自治会、飲食店・菓子店、近隣の小学校・幼稚園・保育園なども交えて、開催することもあります。
大きなイベントであれば、地域の掲示板・回覧板でチラシをまわしたり、行政経由でPDFを配信してもらうことも。
WordやExcelの必要度は、イベント内容や規模によりけりです。
必須度:★★★★★(3)
卒業対策委員
幼稚園年長・小学6年生・中学3年生の保護者は卒業対策委員(通称:卒対)を設けているところが多くあります。卒業する子どもたちの記念品を準備したり、先生方にお礼を行なったり、保護者による催し物を実施したりします。
ある程度の名簿化は避けらず、お金も扱うので、Excelはあると便利です。
必須度:★★★★★(2)
MacのPagesとNumbersはPTAで使えるのか? WordとExcelとの互換性について
さて、ここまでPTAの役職別にWordとExcelと必要性についてお伝えしました。
ここからはMacユーザーに向けてお伝えします。
記事冒頭でも書きましたが、MacにはApple製のOfficeのようなソフトが無料で付いています(iPhoneやiPadにも付いています)。総括してiWorkといい、以下の3つのアプリケーションがあります。
iWork(Apple版Office)
- 文書作成「Pages」(Microsoft Wordと互換性)
- 表計算「Numbers」(Microsoft Excelと互換性)
- プレゼンテーション「Keynote」(Microsoft PowerPointと互換性)
これらでWordやExcelの代用は可能なのですが、大きな問題があるのです。先に結論からお伝えします。
【結論】共同作業をするのは、ほぼ無理
Wordで作ったファイルはPagesで開くことができ、Excelで作ったファイルはNumbersで開くことができます。しかし、その逆ができないのです。
Pagesで作ったファイルの拡張子は「.pages」。Wordはこのファイルを開くことができません。
Numbersで作ったファイルの拡張子は「.numbers」。Excelはこのファイルを開くことができません。
これは致命的です。
【Pages・Numbersでファイル書き出し】Word用・Excel用に変換するとレイアウトが崩れる
ただし、PagesでWord用に書き出すことができ、そのファイルであればWordで開くことは可能です。同様にNumbersでExcel用に書き出せば、Excelで開くことは可能なファイルがつくれます。
これならいけるんじゃないか! と思いますよね。
しかし、PagesはWordではありませんし、NumbersはExcelではありません。機能が違うので、PagesやNumbersで作ったファイルを変換してもレイアウトが崩れるのです。
一例をご紹介します。まず、こちらはNumbersで作成したスプレッドシートです。これをExcel用に書き出して、Excelで開くと……
レイアウトが完全に崩れています。もはや最初の面影がなく、数字もグラフもすべて消えています。
ごくごく単純な表計算であればレイアウトがほぼ崩れませんが、Numbers特有の機能を使うと、それがExcelに対応していないのです。しかもこれはNumbersの基本的な機能しか使っていません。
これはPagesからのWordファイルへの書き出しも同様で、画像の文字も回り込みなどレイアウトが崩れます。
PTAではWordとExcelで統一しておいた方が無難
PagesとWord、NumbersとExcel。似ているようで、実は結構違うのです。
複数人で同じファイルを作ったり、来年度の担当者に引き継いだりするのは無理です。
僕が所属する小学校PTAでの事例ですが、過去に広報さんがPagesでおしゃれなチラシを作成してくれたのですが、後任の方がそのファイルを開けず、Macユーザーにファイル変換してもらうということがありました。しかし、Wordではレイアウトが大幅に崩れてしまい、結果、イチから作り直すことに……
PTAのような大勢が関わる団体は、汎用性の高いOffice関連ソフトを使うのが無難だと思います。
ひとりで完結するならPagesやNumbersでもOK。しかし、共同作業をしたり、後任者へ引き継いだりするのでれば、WordとExcelにすべきかと思います。
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Microsoft Officeはサブスク版と永続版があるのですが、僕は永続版を購入しました。Mac版Officeを買うなら、Amazonのオンラインコード版が最安値です!
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【余談】Googleドキュメント・スプレッドシートで統一するのもあり
最後に余談。話が広がりすぎるので、気になる方のみお読みください。
PTA協議会などの外部団体から送られてくるファイルはWordとExcelが主流なので、本部役員のうち最低でも誰か一人はWordとExcelを持っておくのが良いでしょう。
ただし、自校のPTA全体に関しては、WordとExcelを使わずにGoogleドキュメントとスプレッドシートで統一する方法もあります。Googleドキュメントとスプレッドシートはブラウザで閲覧・編集ができる文書作成・表計算ソフトで、ソフトをインストールする必要はありません。しかも無料です。
具体的には、PTA本部用にGoogleアカウントを作成し、Googleドライブを用意します。そして、PTAで書類に関わる方全員に各自Googleアカウントを用意してもらい、先のGoogleドライブを共有します。
そのGoogleドライブで、PTA関係の書類を一元管理するのです。ブラウザで動くので、Mac、Windows、Chromebook、いずれでも問題ありません。
ExcelやWordとは使い勝手も機能も違うので不便はありますが、共同作業は可能になります。詳しい機能や使い方はGoogle Workspaceのページをご覧ください。
今回は以上です。
PagesやNumbersで頑張ってみようと思っても、結局壁にぶつかるかと思います。個人的にはやはりOfficeを購入するのがおすすめです。
ちなみにOffice関連ソフトに学割やPTA割引はありません。Office Home & Studentという商品名で、家庭向けと学生向けが同じ値段となっています。むしろこれが学割版ということですね。誰でも購入可能です。
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長い記事になりましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました!
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