厚生労働省は、平成27年度(2015年)雇用均等基本調査の結果を公表しました。
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厚生労働省:平成27年度雇用均等基本調査
育休取得率、女性81.5%、男性2.65%
この統計資料によると、男性の育児休業取得率が過去最高の2.65%となりました。およそ20年前は、男性の育休はほぼゼロでしたので、低水準とはいえ伸びていると言えます。
しかし、政府は「2020年までに男性育児休業取得率を13%にする」と目標を掲げています。到底、達成できそうにありませんね。
実は取得率より大切なことが……。女性と男性とでは、休業日数がまるで違う!
日本経済新聞など多くのマスメディアでは、育児休業の取得率のみを報じています。しかし、本当に大切な部分はそこではありません。
上記の表は、男女別の育児休業の取得期間(仕事を休んだ日数)です。これによると、女性は10ヶ月から18ヶ月にもっとも集中していますが、男性は5日未満に集中しています。
たったの5日未満ですよ。1日から4日ということです。
これって仕事を休んで育児を行ったと言えるのでしょうか。女性の10ヶ月から1年半に比べて、あまりにも開きがあり、お粗末すぎます。
法律が変わって、今は母親・父親どちらも育休が取れます!
2010年、育児・介護休業法が改正され、「パパ・ママ育休プラス」が導入されました。
これにより、子供が1歳2ヶ月になるまで(保育所に預けない場合は1歳6ヶ月まで)、父母それぞれに1年までの育休が取得できるようになりました。男性も法律上は1年までの育休が取れるのです。
勘違いしている人が多いのですが、休んでいる間は会社からお金をもらう訳ではありません
ちなみに育休期間中は、賃金の67%〜50%がハローワーク(職業安定局)から支給されます。会社からではないですよ!
休んで会社から給料をもらうのがちょっと……と気兼ねする必要はありません。
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日本男性の育休取得率・取得日数は世界最低レベル
日本は、育児休業を取得する男性は2%台で、しかもその大半が5日未満の育児休業日数という貧素な状況です。
では、世界はどうなのでしょうか?
2012年に発表された資料によると、世界一はスウェーデン。男性は平均480日もの育児休業を取得しています。2位はドイツで365日(ちょうど1年)、3位はカナダで245日です。
これらトップレベルの国のようにはいかないにせよ、近年日本では夫婦共働き家庭が急増していますので、もっともっと大幅な男性の育児休業取得がないと、どこかでひずみが出たり、破綻したりしそうです。すでに待機児童の問題は噴出していますが……。
とにかく、労働者だけでなく、雇い主である事業者も、時代に合わせた「男性の育児休業」を積極的に取りいれて行くべきでしょう。
時代に合わせ、古臭い「子育ては妻の役目」から脱却しましょう!