『オレオレ詐欺』って何年も前から警告されているので、「今や、騙される人は、ずいぶん少ないのでは」と思っている方もいると思います。
しかし! オレオレ詐欺(*1)は年々増え続けているのです。
- 2010年 – 6,888件(112億円)
- 2011年 – 7,216件(204億円)
- 2012年 – 8,693件(364億円)
- 2013年 – 11,998件(489億円)
- 2014年 – 13,392件(564億円)
*1. オレオレ詐欺 – 振り込め詐欺・マイナンバー詐欺
僕はオレオレ詐欺グループのリーダーと会ったことがある。奴らは完全にプロ!
僕は4年前、「オレオレ詐欺」グループの主犯格(30代・男性)と会ったことがあります。
しかも、インタビューもしました。
東京・自由が丘の某カフェでビデオカメラで録画しながら。
なぜ、そんなことをしたのかと言うと、僕がインタビューした相手は「音楽プロデューサー」だったからです。音楽プロデューサーとして、これまでの歩みや、ヒット曲の制作秘話などを取材させてもらっていました。
それから約半月後、ニュースで「オレオレ詐欺の主犯格を逮捕しました」と、その彼が報道されたのです。
まさに青天の霹靂!
全然知りませんでした。音楽は隠れ蓑だったのです。
むしろ取材をしながら、謙虚で穏やかに夢を語る彼を見て、《とても良い奴だ》という印象を受けていました。取材した記事は、雑誌とウェブマガジンに掲載されたのですが、とても好印象な内容です。
僕は、オレオレ詐欺の主犯格を目の前にしながら、「悪い奴」「怪しい奴」と勘づくばかりか、むしろ「良い奴」だと思ってしまったのです。まったく「悪」のかけらも感じませんでした!
だからこそ、オレオレ詐欺グループのリーダー格にのし上がったのだと思います。さらに言えば、主犯格以外のメンバーにも会いましたが、その者は「ママ、心配しないで。僕は東京に出てきて頑張っているよ」と歌っていたアーティスト(歌手)だったので、まったくわかりませんでした。
オレオレ詐欺の犯行グループは、マジでプロです。僕は用心深い方なのですが、それでも気づかなかったのです。こんなプロの詐欺師にターゲットにされれば、高齢者の方は、同じようにいとも簡単に騙され、被害に遭ってしまうと思います。
日本政府が、カンニング竹山を起用し「オレオレ詐欺対策のCM」を制作。
今回、なぜ「パパやる」にオレオレ詐欺をテーマにした記事を書いたのかと言うと、子育て世代の親が高齢者である場合が多いからです。あなたの母親や父親を守るためにお伝えします。
そこでぜひ見てもらいたいのが、この動画です。
これは、内閣府大臣官房政府広報室が運営する国の行政情報に関するポータルサイト「政府広報オンライン」に掲載された、オレオレ詐欺を防止するためにつくられた動画CMです。
「オレオレ詐欺を防ぐのは、オレだ。」
主演:カンニング竹山
監督:犬童一心
楽曲:吉田山田
詐欺被害に遭った母親との電話でハッと気付く……
母親と父親を守るために、あなたが今すぐできること。
息子「もう……ママ、何やってんのよ!」
息子「前にも言ったじゃん。気をつけてねって」
息子「金、渡す? 普通」
息子「はぁ……もしもしママ、聞いてる? もしもし!」
母親「ごめん……」
息子「どう考えたってさ。俺がそんな大金、頼む訳ないじゃない」
息子「俺に電話一本掛けてよ。確認してよ」
息子「聞いてる?!」
母親「……歳、とったんかねぇ」
母親「あんたが……」
母親「助かればと思ったんよ」
息子「……」
日頃、こまめに電話などで親子の会話をしていると、息子の様子がおかしいことにピンと来たかもしれません。おそらく息子は、実家へはあまり連絡を取っていなかったのでしょう。
今、日本では核家族が増えています。親と遠く離れて暮らしている方、あまり連絡を取り合っていない方、簡単な電話一本で良いので、マメに連絡を取るようにしてはいかがでしょうか。
繰り返しになりますが、オレオレ詐欺の犯行を行う者は、表情ひとつ変えず、声色を少しも変えずに、嘘をつくことができます。本当にプロ集団なのです。「プロは簡単に騙すことができる」ということを、どうか頭に入れておいてください。
そして、両親がご健在な方は、ぜひ今すぐ連絡を。