絵本「おちゃのじかんにきたとら」 たった一言、脇役のお父さんがかっこいい!

パパにおすすめの絵本に出会いました。

別にパパのお話という訳ではなく、パパは脇役です。

脇役中の脇役。ちょい役です。

にも関わらず、すごい存在感なのです!

絵本「おちゃのじかんにきたとら」

絵本「おちゃのじかんにきたとら」の表紙

4歳の息子が、長らくお世話になっている皮膚科です。ここの待合室に何冊かの絵本が置いてあるのですが、今回はこれを読みました。

おちゃのじかんにきたとら
作:ジュディアス・カー
訳: 晴海 耕平
出版社: 童話館出版

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絵本「おちゃのじかんにきたとら」で、とらが家の中の食べ物を食べ尽くす場面

家に、お母さんと子どもがふたり。

「お茶の時間」

を、楽しもうとしていました。

そんなとき、玄関のチャイムが鳴ってドアを開けると、そこにはトラがいるのです。「お腹が空いている」と言うので、お母さんはどうぞと自宅に招き入れます。

すると、トラはお茶菓子だけでなく、家中の食べ物と飲み物を完食してしまったのです。

「お父さんの夕食、どうしましょう」

 

絵本「おちゃのじかんにきたとら」で、お父さんに相談する場面

お父さんが買ってきて、子どもとお母さんは昼間のできごとを伝えます。

すると、お父さんが、こう言うのです。

「おとうさんに まかせなさい。いいかんがえがあるよ。コートをきて、レストランへいこう」

お父さんの、器の大きな対応がかっこいい!

こんな感じのストーリーなのですが、お父さんの一言がかっこいい!

僕だったら、不機嫌になって、こう言っていたかもしれません。

  • 「なぜ、トラを家にあげたんだ」
  • 「危機管理意識が低すぎる」
  • 「俺の飯は!」

でも、このお父さんは、まずふたりの話を聞きました。

この姿勢が素晴らしい!

さらに、妻を非難することはなく、「お父さんに任せない。いい考えがあるよ」と口を開いたのです。

か、かっこいい!!!

問題発生時こそ、男の対応が試される

家庭内でトラブルが発生したとき、「パパに任せなさい」の一言が出るかどうか。

男は、ここに掛かっています。

そうすることで「頼り甲斐」や「リーダーシップ」が芽吹き、「あぁ、この家にパパがいてよかった!」と、妻や子どもから尊敬されるのではないでしょうか。

これは、職場でも同じです。

子育て中の男性は、働きはじめて数年経ち、部下や後輩がいる方は多いと思います。部下や後輩のトラブルを「お前が悪い」となじるのではなく、「俺に任せろ、いい考えがある」と引率する姿勢が、上司として役割といえるでしょう。

絵本「おちゃにきたとら」に登場する父親は、ほんのちょい役した。でも、父親としてはここにグサリと刺さるかっこ良さを感じると思います。少なくとも僕はハッとさせられました。

「パパに任せなさい。いいアイデアがある」

この一言、ぜひ使ってみたいですね。

【訃報】2019年5月22日、ジュディス・カーさん死去

追記です。「おちゃのじかんにきたとら」の作者、ジュディス・カーさんが2019年5月22日、英国の自宅で亡くなりました。95歳。

心よりご冥福をお祈り申しあげます。

最も人気のある「おちゃのじかんにきたとら」(1968年)は、少女と母親が自宅でお茶を飲んでいると、突然トラが訪ねてきてあらゆる食べ物を平らげて去っていき、二度と戻らなかったという話だ。

トラに隠された意味があるかどうかはしばしば問われたほか、トラが自宅に押し入って所持品を持ち去ったヒトラーとナチス政権を象徴しているとの指摘もある。

だが、カー氏はこれを否定。この話は娘と動物園に行ったときに思いついただけで、トラに罪はないと説明した。2015年にはロイターに対し「何を考えるべきかを、小さな子どもに教えようとは思わない」と語っていた。

 

英絵本作家ジュディス・カー氏、95歳で死去:ロイターより引用

【追記】ジェンダー問題、男女間の不平等だと騒ぎに

追記です。絵本「おちゃのじかんにきたとら」が、DVやレイプを助長していると騒ぎが起きています。

女性を助ける王子は男性で、助けが必要な無力な者は全て女性です。このようなメッセージを、この本は子どもたちに発信している

男性による女性への暴力の根絶を目指す慈善団体「ゼロ・トレランス」の代表、レイチェル・アダムソン氏は、BBCラジオ・スコットランドの番組で、この絵本が「女性や少女への暴力の原因となる男女間の不平等を助長している」と指摘した。Daily Mailなどが伝えている。

 

「ベストセラー絵本がDVやレイプを助長」と活動家が批判:女性自身より一部引用

本書は50年以上前に作られた本です。当時の様子を残すためにも排除すべきではないですし、読んできた絵本を取り上げることが子ども達に対して正しい教育では無い、と僕は考えます。

時代の変化を知り、その上でお子さんと一緒に本について話をしてみるのが良いのではないでしょうか。

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