日本一待機児童が多い東京都世田谷区。認可保育園の申し込み資料が毎年9月に刷新されるので、世田谷区役所に新しい資料をもらいに行ってきました。
役所で対応してくださった方が超美人で、ちょっと緊張してしまいましたが、変更点や指数獲得のポイントなどを色々質問してきましたので、今回はそれをお伝えします。
世田谷区に限らず、他の市区町村の方にも役立つ内容になっていますので、保活中の方は、ぜひご一読くださいませ。
*行政では「保育所」と表記するのが主流のようですが、世田谷区発行の資料を見ると、「保育園」「保育所」「入園」と混在していますので、この記事では「保育園」で統一しています。
支給認定申請書が追加。要マイナンバーに
新年度より「支給認定申請書」という書類の提出が増えました。
市や区などの行政は、認可保育園利用者の費用の一部を給付費として負担しています。そのため、給付対象の施設を利用する方は、支給認定を受ける必要があります。
……ちょっとわかりにくいですね。
ずばり、今年2016年1月からスタートした「マイナンバー」との紐付けです。支給認定申請書にはマイナンバー(個人番号)を記載する欄があり、認可保育園の入園申し込みでもマイナンバーが必要になったということです。
支給認定申請書には、以下の者のマイナンバーが必要になります。
- 申込児
- 父
- 母
マイナンバーは、現在のところ「税」「社会保障」「災害」の3分野で利用されており、認可保育園の申し込みは、おそらく税と社会保障に関わっているのでしょう。認可保育園に申し込む際、就労状況申請書(就労予定申請書)を提出しますが、言わばこれは自己申告。ズルをする人がいる可能性があります。
ちょうどつい最近、掲示板「発言小町」に、こんな相談が投稿されました。
年末から家族の介護のためパートを辞めなくてはいけません。さすがに専業主婦でうちの保育園に通わせている人はいません。
(中略)パート先の社長は、「ハンコだけでいいなら就労証明書出せるよ」と言ってくださったので、このまま通わせたいと思うのですが、マイナンバー制度が始まってからは、就労していないとバレるものでしょうか?
マイナンバーで、保育園提出の就労状況はバレますか?:発言小町 より一部抜粋
(【追記】記事公開終了しました)
マイナンバーは、「税」の分野で利用されていますので、所得税や住民税の納税がないと就労していないことがバレます。
この支給認定申請書には、「納税状況を調べるぞ!」とは書かれていません。しかし、役所であればデータベースから個人の納税状況を引く出すことができるはずですので、こういった不正を弾くためにも支給認定申請書が導入されたのかもしれません。僕の憶測ですが。
ちなみに、マイナンバーは本人確認とセットで運用することが法律で決まっていますので、認定書提出時は保護者のマイナンバーカード、もしくは運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要になります。
共働き夫婦の、指数獲得のポイント!
認可保育園の入園は、抽選や申し込み順ではありません。申し込み者が、いかに保育園が必要な家庭かどうかを示す「指数」の高い者から優先的に内定がでます。
指数は、保護者が働いている、保護者が病気を患っている・障がい者である、自宅に要介護者がいるなどの「保育の利用基準」と、ひとり親世帯である、すでに認可外保育園を利用しているなどの「保育の調整基準」があります。
これら指数が得られる項目をじっくりと見て、1点でも多く指数を積み上げることが保活勝利への道へつながります。
世田谷区では、「平成29年度4月入園」の申込締切は、平成28年11月30日です。できればギリギリまで1点でも増やせないかを検討すると良いでしょう。ただし、書類の不備などの思わぬトラブルに備えて1週間〜10日前には申し込みを完了しておきたいところです。
■定番の指数
まずは、多くの申込者が得ている定番の指数です。
- 【100点】夫婦ともに週5日以上のフルタイム勤務(父母で各50点)
- 【4点】就労実績が1年以上(父母で各2点)
- 【5点】兄弟が在園中、もしくは同時申し込みの場合
3つめの指数は、いわゆる兄弟ポイント。兄弟がいない場合は仕方がありません。僕たちは第一子目で入園できましたので、兄弟がいないと入れないわけではありません。
■認可外保育園を利用して得られる指数
申込児を保育室、保育ママ、認証保育園、ベビーシッターなどの認可外保育施設に有償で預けていることを常態としている場合。
- 【5点】0歳児クラス申し込みの場合
- 【6点】上記以外の場合
注意点は、「常態(じょうたい)」ということ。たとえば、実家の祖母にみてもらいながら、たまに一時保育に預けているというのは常態にはなりません。実家に預けていたとしても受託証明書として提出することはできるのですが、それが指数にどう響くかは微妙なところ(入園担当者が判断する)。
また、認可外保育園に預けている期間については、入園申し込み書を提出する時点で「受託証明書」があれば、入園1日目であったとしても、数ヶ月前から入園していたとしても、同じく5点、もしくは6点が獲得できます。
ただし、内定判断の最終段階で同点の方で争うことになった場合、預けている期間が長い方が有利となります。詳しくは下記をご参考ください。
【参考】指数が同じだった場合、どうやって内定を決めるのか?
世田谷区では、同じ指数だった場合、納税額が低い(低所得)、認可外に預けている期間が長いなどの方へ内定が優先されます。
- 第一段階:調整基準番号25(*1)に該当する世帯
- 第二段階:保育の理由基準指数の高い世帯
- 第三段階:階層低位順(所得割課税額低位順)
- 第四段階:申込児を有償で預けている期間も長い世帯
- 第五段階:世田谷区に住民登録し、引き続き居住している期間が長い世帯
- 第六段階:累計型の優先順位
*1. 年齢上限がある区内の保育所等(利用調整の対象となる保育施設・事業に限る)の最終年齢クラスを卒園し、引き続き区内の保育所等の利用を申し込む場合
世田谷区・平成29年度用保育のご案内より
希望する保育園は、最大第30希望までに
あと、こまかなことですが、今年からの変更点としては、希望保育園は第30希望までに制限されました。
申込書には第6希望までしか書く欄がないのですが、第7希望以下の保育園を書いた別紙を添えることができました。これまでは制限がなく、いくらでも希望保育園を書き添えてもよかったのですが、今回から30までで切られることになります。
しかし、第30希望となれば、保育園への送迎が大変な場所になりそうですね。
認可保育園合格のコツ。裏技はありません!(きっぱり)
ネットで「保活」を検索していると、合格のための怪しげな資料の販売サイトに出くわすことがあります。読んだことはありませんが、ああいうのは買わない方が良いでしょう。姑息なテクニックを使って内定をもらったとしても、バレれば途中で退園になってしまいます。
僕は、認可保育園に合格するためにもっとも大切なのは、「役所で相談すること」「資料を超熟読すること」に尽きると考えています。
自分がおかれた状況を正直に役所に伝え、獲得できる指数を漏らさないことが肝心です。幼い赤ちゃんを抱え、保活に奔走するのは心身ともに疲れてしまいますが、やはり王道に優るものはありません。
本サイト「パパやる」では、保活に関する経験談をたくさん書き残していますので、よかったら他の記事も参考にしてください。