「幕末から終戦」「終戦から現在」の期間がほぼ同じに。今の赤ちゃんにとっての太平洋戦争は、70代の明治維新くらい昔のできごと

終戦から73年が経ち、戦争経験者が少なくなってきました。

日本の年齢別人口分布表によると、戦時中・戦前に生まれ、現在ご存命の方はおよそ2,000万人いらっしゃいます(総務省統計局参考)。日本人の6人に1人が戦争体験者なので、まだまだ多い印象です。

しかし、徴兵を受け戦地で戦ったり、国内で空襲などの被害に遭ったりし、戦争体験として記憶に刻まれている方のほとんどは、85歳以上の方ではないでしょうか(終戦時12歳)。現在85歳以上の日本人は、およそ500万人です。人口比率的には約4%となります。

あなたの身近に、戦争体験を語ってくれる方はいるでしょうか。

戦争を経験した祖母が、亡くなりました

(中央)母方の祖父 (右上)祖母

今年2018年7月下旬、僕の母方の祖母が亡くなりました。満91歳でした。

僕の血筋の最後の祖父母でしたので、僕はおじいちゃん・おばあちゃんが居なくなってしまいました。また、嫁さん筋の最後のおばあさんも昨年ご永眠し、祖父母がひとりも居なくなりました。

僕は、子どもの頃から、おじいちゃん・おばあちゃんに昔話を聞くのが好きでした。「何回、同じ話すんねん(笑)」ということもありましたが、60年も、70年も前の出来事なのに、まるで昨日のことのように鮮明に話してくれるのが不思議で、面白かったからです。

馬の尻尾をつかんで眠りながら行軍したとか、高射砲で戦闘機や爆撃機を狙い撃ちするのは難しいとか、そんなエピソードです。

僕は、こうした戦時中の話をもう聞くことはできません。寂しいです。

(左)赤ちゃんの頃の僕(右)母方の祖父

幕末(明治維新)から終戦まで、77年

戦時中の祖父

僕たちの世代の多くは、祖父母や高齢者から、戦争体験を聞いて育って来たことでしょう。戦争は実体験していないけど、「戦争を生き抜いた方から直接話を聞いてきた」という経験があります。

太平洋戦争(大東亜戦争)は、僕たちが生まれるよりずっと前の出来事ですが、身近なことであるのを感じたものです。

しかし、今の赤ちゃんや幼い子ども達は、戦争体験者と話す機会はほとんど無いでしょう。子ども達が戦争の話がわかるまで育つ頃には、今以上に戦争体験者と話せる機会は減少しているからです。そうなれば、戦争というのは、遠い遠い昔のことに思えるでしょうね。

どれくらい昔のことなのか?

戦時中に生まれた方にとっての、「幕末」「明治維新」くらい、昔のことなのです。

<年表>
1868年
 明治元年
77年後
1945年 終戦
73年後
2018年 現在

* 2022年に、同じ77年を迎えます。

今の赤ちゃんにとっての太平洋戦争は、70代にとっての幕末・明治維新

「戦争はダメ」

そんなのわざわざ言わなくても当たり前だろ? と感じる方もいるでしょう。しかし、戦争体験者が語りづつけてくれたからこそ、僕たちは「戦争はいけない」と思えるのではないでしょうか。

しかし、鎖国だとか、尊王攘夷だとか、江戸幕府だとか、新政府だとか、今を生きている人たちに言われても、身近なことには感じにくいですよね。遠い昔の歴史として、捉えるのではないでしょうか。

今の子ども達にとっての戦争は、戦時中に生まれた子どもにとっての「幕末」くらい、「太平洋戦争」が昔のことなのです。

  • 今の70代にとっての「幕末
  • 今の赤ちゃんにとっての「太平洋戦争

これが、同じくらいの年数なのです。

毎年同じ繰り返しだけど、伝え続けるのが大切

「戦争を繰り返してはいけない」

この思いを風化させないようにするには、一体どうすればいいのか。

それはやっぱり、世代を超えて、伝え続けることが大切だと思います。

僕は今、悔やんでいることがあります。「おじいちゃん・おばあちゃんがしてくれた戦争の話を、テープに録音したり、ビデオで撮影しておけば良かった」という後悔です。元気なうちは何度も話してくれたあの話が、高齢で話せなくなったり、亡くなってしまえば、もう聞けなくなるからです。

年々数が少なくなってくる戦争経験者。

もしあなたが、そんな方と話せる機会があるのなら、ぜひ記録して残しておくのをおすすめします。今はテクノロジーの進化で、スマホ一台で簡単に残せますからね。

原爆の日や終戦記念日がやってくると、毎年、毎年、同じような話ばかりが繰り返されます。ちょっと面倒に感じることもあるかも知れませんが、これは未来を生きる子ども達にとって、大切なことなのかも知れません。

パパやる「祖父母の思い出」関連記事

僕が祖父・祖母から受け取った、優しさという人生のバトンについて。僕が祖父・祖母から受け取った、優しさという人生のバトンについて
* 終戦11ヶ月前に、長男(僕の父)を産んだおばあちゃんの話

コメントを書く

ここにコメントを入力してください
ここにあなたのお名前を入力してください(本名でなくてもOKです)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください