「子どもが食事中にじっとしない」
お子さんが食事中に席を立ったり、うろうろしたりして、じっと座ってくれなくて困ったことはありませんか?
わが家には6歳の息子がいるのですが、2歳でベビーチェアから出て以来、ずっと悩んでいます。その度に……
- 「行儀悪いよ」
- 「ちゃんと座って食べなさい」
- 「保育園でもそんなことしてるの!?」
と、叱るのですが、効果があるのは一時的。まぁ無理ですね。笑
そんな折、サッカーの本田圭佑さんが、「子どもの食事中にじっとしない問題」で、思いも掛けないツイートをされていたのを見かけました。これはすごい!!
今回は、本田圭佑さんのツイートと、その凄さについてお伝えします。
本田圭佑さん「座っていたら、敵からごはんを守れる」
「ご飯の時は椅子に座ってね」
と椅子の上に立ってる1歳の息子には理解できないのは当然。ただ、言葉が理解できるようになった時「なぜ?」と聞かれたら、自分はなんて説明するんだろう。
鈴木良介さん(NowDo株式会社 取締役副社長兼COO)が、疑問を投げかけるツイートをしました。
これに対し、本田圭佑さんが以下のリプライ(返信)をしたのです。
ご飯を取り上げて、「ほら、大事なご飯を座りながら食べないと、こうやって敵に取られるよ」、「そう、座ってたら取られそうになっても守れるやろ」って自然界はこんな感じ。
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) 2020年7月14日
なるほど! サッカー選手らしい、見事な回答ですね。
問題に対して、ズバッと本質を返しています。
「当たり前だから」では伝わらない。納得のいく説明で、子どもは動く
親は子どもに、生活の基礎をいろいろ教えます。
- 挨拶をしようね
- 歯みがきをしようね
- 夜は寝ようね
- 道路には飛び出さないで
- 人を叩かないで
書き出せばキリがありません。
でも、これを「当たり前だから」「みんなやってるから」「常識だから」では、なかなか上手くいきません。無理矢理させたとしても、それは親に従わせているだけ。
それよりも納得のいく説明があれば、子どもはちゃんと理解して、前向きに取り組めるようになります。たとえば「虫歯にならないよう歯を磨く」「大きくなりたいから夜はちゃんと寝る」など。
でも、食事中の問題に関しては、なかなか上手い説明が無かったんですよね。僕たち大人だって、なんとなくそうしているうちに習慣化したので、「理由?」と言われると困ってしまいます。
そこを、本田圭佑さんは、見事に説明してくれました。
現代は飽食の時代ですので、食べ物を人に取られるということは、ほとんど無いかと思います。
でも、じいじ・ばあば世代の子どもの頃は、物が少なく、兄弟も多かったので、食事中に歩き回っていたら自分の分が無くなっていた……なんてことは日常茶飯事だったかもしれません。もっと昔にさかのぼれば、それこそ本当に敵に食事を盗られることもあったと思います。食糧を巡って戦を繰り広げてきた歴史もあるくらいなので。
そんな昔話をたとえに出しつつ、子どもに説明すれば理解してもらいやすくなるでしょう。「当たり前だから」「みんなやってるから」には無い、本質的な説明だからです。
本質を考える習慣を
少し脱線しますが、2020年に小中高の「学習指導要領」が改訂されました。
最大の変更ポイントは、以下のとおりです。
グローバル化や人工知能・AIなどの技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代。子供たちには自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、よりよい社会や人生を切り拓いていく力が求められます。学校での学びを通じ、子供たちがそのような「生きる力」を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校から順に実施されます。
政府広報オンラインより一部引用
つまり、従来の詰め込み型の教育ではなく、自分で考える力を持たせよう! ということ。
5ステップ
- 課題を見つける
- 学ぶ
- 考える
- 判断する
- 行動する
この流れを身につけ、最終的には「生きる力」にするというもの。
このとき、最初のステップ「課題を見つける」ができていないと、2、3、4……と上手く進めません。
「なぜ、食事中は椅子に座っていないといけないのか?」
これを課題だと思わず、「常識だから」で済ませてしまったら、どうでしょう? 自ら考える力も、生きる力も、育まれません。
マナーとして教えるだけでは、旧来の「詰め込み型」と同じになってしまいます。
本田圭佑さんは、それを課題だと認識し、その本質を解き明かしました。
子育てをしていると、他にも様々な課題に直面しますよね。
そのとき僕たちは思考停止せず、「本質な何なのか?」「課題は何だろう?」と、考えみると良さそうです。もちろん、親子で上記5ステップを実践してみるのもいいですね!
今回は、気づきをくれた本田圭佑さんに感謝です。ありがとうございました。