子を持つ父親なら観て欲しいな、と思える映画でした。
母親の息子であるという立場、小さな命を育むパパとしての立場、そして成人し家を出た息子を持つ親父の立場。男が歩んで行く一生を、様々な視点で想いを巡らせることができる不思議な感動作でした。
とはいえ、壮大なスケールで描かれる映画ではありません。
1週間から、せいぜい2週間程度の家族の日常を切り取ったドラマです。ストーリは、とてもシンプル。「お母さんに脳腫瘍(ガン)がわかって、突然の余命1週間宣告。それをきっかけに、残った家族が奮闘する」という展開です。出演者も少ないので、途中でストーリーがわからなくなるという心配もありません。家族のようすが、スーッと頭に入ってきます。
主な出演者はこんな感じ。
- 母 – 明るい性格。病気になる。
- 父 – 妻の病気に狼狽。
- 長男 – しっかり切り盛りしようと責任感を持つ。
- 次男 – お調子者で気楽な性格。
ふたりの息子は、すでに大人で家を出ています。長男は既婚、次男は独身です。
父「一週間って、何の単位って聞いてんだ!」 長男「俺だってわからないよ。医者にそう聞いただけだから」
医師「この病院で何軒目?」 次男「10軒目です」 医師「そんなにまわれないでしょ」 次男「あ、嘘つきました。6軒目です」
家族のもとで育った男にとっては、ハッとさせられる場面もあるかと思います。
結婚して、夫となり、そして父になる。そして子供達は成長し、いずれ夫婦ふたりの生活になる。そこで妻が病気になり、先立たれてしまうという可能性もある。
男として、どう覚悟を決めて生きるべきか、ということが考えさせらえる映画でした。冒頭でも書きましたが、シンプルな映画ですので気楽に観ることができます。僕は、嫁さんと息子が寝静まった深夜に、別の部屋で伝票整理をしながら見入ってしまいました。
特に男性の皆さんに、おすすめしたい映画です。名作でした。