アドラー流、おねしょ克服方法。ほめない、叱らない

すべての悩みは、対人関係の悩みである。

心理学者 アルフレッド・アドラー

NHKの番組「100分de名著」で、話題の心理学者アルフレッド・アドラーが取り上げられていました。アドラーの名前は知らなくても、青い表紙のこのベストセラー本は書店やコンビニで見かけたことがある方は多いでしょう。

「嫌われる勇気」は、アルフレッド・アドラーを解き明かした解説本ですが、番組ではアルフレッド・アドラー自身の著書「人生の意味の心理学」が解説されています。

その番組内で、子供のおねしょ(夜尿症)の原因と克服方法がアドラー心理学に基づいて説明されていて、とても興味深かったのでご紹介します。

【原因】おねしょが治らないのは、対人関係にある

アドラーは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っています。たとえば、死も「愛する人との別れ」ということで、対人関係の悩みといえるのだそうです。

では、子供のおねしょも対人関係……?

番組にゲスト出演している、アドラー心理学の第一人者・岸見一郎さんはこう説明します。

 

指南役・岸見一郎さん


子供は親から思うような注目が得られないので、親が困ることを、一番困るタイミングでする。

そのひとつが、おねしょである。

おねしょをする子供の多くは昼間は大丈夫。夜中に親を起こすとか、実際におねしょをすることで、親の注目を引こうとするのだ。


 

司会の伊集院光さんは、その子供の気持ちが刺さるほどわかる! と言います。なぜか?

【実体験】伊集院光さん、小4まで毎晩おねしょ。親への甘え方を知らなかった

伊集院光さんは、小学校4年生までおねしょをしていた

実は、伊集院光さん小学校4年生までおねしょをしていたそうです。毎日、毎晩。

当時、一緒に暮らして居たお兄さんは身体が弱く、両親は長男につきっきりでした。そんな環境もあって、次男の伊集院光は周りの人から「ひとりで偉いね」「よくできた子だね」と、いつも褒められていました。

褒められるのは、良いことではないか?

でも、そうではなかったのです。褒められ続けたせいで、甘え方が全然わからなかった。

だけど、おねしょをすると布団が汚れるから、その後は親が「こっちにおいで」と呼んでくれて、親の部屋で一緒に寝ることができるようになる。多分、親と一緒に寝られるのが、すごく嬉しかったんだと思う。

伊集院光さんは、自身の過去をそう語りました。

【アドラー流・解決方法】おねしょにまつわるコミュニケーションを一切やめる

アドラー心理学で解きほぐすと、おねしょを治すには「叱らない」「褒めない」「注目しない」ということが大切なんだそうです。

たとえば、寝る前に「冷たいものは飲んじゃダメよ」と言わない。朝起きたとき「昨日はおねしょしなくて偉かったわね」と褒めない。

おねしょをすること・しなかったとに注目しない。まずは、そこから始めます。

では、親は何もしなくて良いのか? というと、そうではありません。お母さん、お父さんは、「おねしょをしなくても、あなたのことはちゃんと見ているよ」というメッセージを子供に伝えないといけません。

子供は親にもっと注目されたいと思っているのだから、ちゃんと見ていると安心させてあげる必要があるのです。

もし、この親からのメッセージが伝わっていなければ、仮におねしょが治ったとしても、すぐに別の症状が出てしまうのだそうです。

何のためらいもなく、人はただちに別の症状を身につける。

心理学者 アルフレッド・アドラー

簡単だけど、ちょっと勇気がいるアドラー療法

おねしょに関するコミュニケーションをすべてやめることで、おねしょが治るというのは、なかなか意外でした。でも、おねしょを叱ってはいけないし、しかなった朝に褒めてはいけない、というのは親として覚悟が必要ですよね。

そういえば、これってイヤイヤ期なんかも同じかもしれません。「ヤダー!」と、だだをこねることで親に注目されると、ますますヤダヤダが加速してしまう。

子育てにおいてアドラー心理学を取り入れると、親子関係、対人関係において、いろいろなヒントが得られそうです。そういう僕は、まだ関連書籍を一冊も読んでいなくて、NHKの番組で初めて内容を知ったんですけどね。

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