保育園、幼稚園、小学校低学年頃までは、いつも「バイバーイ!」と元気に挨拶してくれていた子供が、ある日突然、無口になって挨拶をしてくれなくなった。もしくは逆に、あなた自身が子供だった頃、なぜか近所の人に挨拶ができなくなってしまった。そんな苦い経験はありませんか。
思春期に入り、恥ずかしくなったからなのか?
それとも、大人が嫌いになったり、ウザくなったのか?
年末年始の帰省中、大阪のマンションで暮らす僕の妹がそんなことを話していて、「そうだったのか!」と気づいたのでご紹介します。
思春期の意味は? 年齢はいつから、いつまで?
その理由をご説明する前に、挨拶をしなくなる(挨拶ができなくなる)時期、思春期について考えてみましょう。
思春期とは、子供から大人になる準備期間。そもそも思春期とは、何歳から何歳までの時期を言い、具体的には何が変わるのか? 少し調べてみました。
まず、思春期の言葉のルーツを探ると、その意味がわかりそうです。
思春期を英語でいうと「puberty(ピュバティ)」になります。この単語は、pubes(恥毛、陰毛)と似ています。語源についてはわかりませんでしたが、欧米では『下腹部に発毛する時期を思春期』だと考えていると言えるでしょう。また、思春期に達した状態を「pubescence」と言います。
そして日本語の「思春期」は、春を思う時期と書きます。春は、青春の春。こちらも語源はわかりませんでしたが、日本では身体的な変化というより心の変化、『恋の芽生え』を思春期としているのではないでしょうか。
こういったことから「思春期とは、異性を意識しはじめ、身体は妊娠できる状態になりつつある時期」と言えるでしょう。
先の下腹部の発毛以外にも、男性は声変わりをしたり、筋肉質になったりします。また女性は、生理が始まったり、バストがふくらんだりします。医学的には第二次性徴と呼ばれているもので、小中学校の保健体育の時間に習ったアノ時期のことです。
思春期の年齢については、心と身体の変化なので、もちろん個人差があります。多くの意見をまとめると、およそ11歳(小学5年生)から18歳(高校3年生)あたりの年齢を指すことが多いようです。
大人の「バイバイ」は、思春期の若者を子供扱いしてしまっている
子供から大人へと脱皮しつつある時期、思春期。
子供はこの時期、心身ともに大きく変化しているのに、周りの大人はいつまでも子供だと思っていませんか?
さて、ここからが本題。僕の妹は、同じマンションに暮らす思春期の子供に「バイバイ〜」と挨拶をしても、ほとんど返ってこなくなってしまいました。これはおかしい……と思い、あることを試したのです。
それは、子供を大人扱いするということ。
小学校高学年以降の子供に、「おはようございます」「さようなら」と、丁寧に挨拶をするようにしたのです。すると子供たちから、挨拶が返ってくるようになりました。
彼らは、幼い子供の頃のように、大人に対して「バイバイ」と無邪気に手を振ることができなくなっていたのです。
10歳を目安に、大人は子供たちへの接し方を変えよう
生まれた頃から知っている近所の大人たちは、いつまでも子供に見えてしまうでしょう。でもそれは、当の本人にとっては辛いのです。
バイバイから、さようならへ。
〇〇ちゃんから、〇〇さんへ。
ある日突然大人扱いするのは不自然ですが、10歳頃を目安に接し方を少しずつ変えて行くと、良い関係がキープできるのではないでしょうか。子供とのコミュニケーションが上手くいかなくなった方は、挨拶に限らず、接し方全般を見直してみても良さそうです。