熊本県にある慈恵病院(jikei-hp.or.jp)。赤ちゃんを育てられないお母さんが、匿名で我が子を託すことができる「赤ちゃんポスト」がある日本で唯一の産婦人科病院です。
そのポストの事を、慈恵病院では「こうのとりのゆりかご」と名付けています。
そして、その「こうのとりのゆりかご」を舞台としたTVドラマが、先日TBSで2時間ドラマとして放送されました(こうのとりのゆりかごは完全匿名ですので、ドラマは実話ではありません)。
■パパやる 役立つテレビ番組
→ 赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」で乳児を守る慈恵病院がTVドラマ化。
病院の熱い想いと、温かい愛情
このドラマをみるまで、赤ちゃんポストに対して、冷たく、寂しい印象を持っていました。
しかし、こうのとりのゆりかご設立への病院の熱い想い、そしてそこで働く医師や看護士さん達の温かい愛情。持っていたイメージとは全然違うものでした。
親に妊娠が気づかれないまま、自宅で孤独に出産した女子高校生。男の家を転々としていて誰が父親かわからない母親など、ドラマでは赤ちゃんを育てる事ができない様々なお母さんが登場します。病院では「赤ちゃんの命を救う事」を最優先に、ポストを通じて預かった赤ちゃんを大切にします。
「赤ちゃんは、みんな生まれて来た意味があるの」。そう言いながら。
具体的には、預かって2,3日は、お母さんが戻って来るんじゃないかと緊張しているそうです。そして、2週間が経った頃、赤ちゃんは病院から乳児院へと手渡されます。乳児院とは孤児を育てる施設です。
こうのとりのゆりかごを始めて6年
___「赤ちゃんの命が助かれば良いと思ってたけど、すぐに大きくなるから、その先のことも考えないといけないね」。
こうのとりのゆりかごを始めるにあたって、「安易な捨て子が増えるのではないか?」という懸念点も指摘されていました。実際、僕もドラマをみながら、年々増加してゆくのではないか…と思ったのですが、実際年々増加しているのは『相談件数』。むしろ預け入れは減っています。
この数字からも、病院の深い愛情が伝わって来るように感じます。
慈恵病院のウェブサイトでは、ドラマ放送にあたって、院長のメッセージが公開されています。よかったら、合わせて読んでみてください。
“困った時には電話で相談できます。
どうしようもないときには預けていただくことも可能です。
「こうのとりのゆりかご」は、特に赤ちゃんの殺人という最悪の事態を避けるための最終手段です。今回のドラマを通じて「こうのとりのゆりかご」の存在を知っていただき、もしも赤ちゃんの健康や生命に関わる事態になった時は赤ちゃんをお預けください。
慈恵病院「テレビ未来遺産ドラマ特別企画 こうのとりのゆりかご」放送にあたってより一部引用”
赤ちゃんの誕生を受け入れられないお母さんがいる。そんなお母さんと赤ちゃんを助ける病院がある、人がいる。
これまで知らなかったことばかりです。単純に素晴らしい話とは言えませんが、放送に大変意義のあるドラマだと感じました。再放送やDVD化があるのかは今のところ告知されていませんが、もし見逃した方で見れる機会あれば、ぜひ観て頂ければと思います。