小学生が塾へ通っている割合はどれくらいなのでしょうか。
文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度)によると、年間で1円以上を塾費として支出した世帯は、公立小学校で約55%、私立小学校で約75~80%にのぼります。平均すると、過半数の小学生が塾や家庭教師を利用していることになります。
また、令和3年度の同調査によれば、公立小学校では4年生を境に通塾率が40%を超え、6年生では約半数が塾通いをしていました。私立小学校では、1年生の時点で通塾率が6割を超え、高学年では8割近くに増加します。
公立小学校では、低学年のうちは通信教育や教材系が主流で、4年生ごろから塾の利用を検討する家庭が増える傾向にあるようです。
こうした背景もあり、わが家でも小学校3年生の終わりに、塾について考えることになりました。あくまでもひとつの例ではありますが、塾に通わせるかどうか悩んでいる方にとって、何かの参考になれば幸いです。
小学3年生3学期、友達の影響で「僕も塾へ行きたい」
わが家はひとり息子は、東京都世田谷区の某公立小学校に通っています。
冒頭でお伝えした統計と同様、息子が通う小学校でも4年生から塾を検討する子が急増しました。正確には3年生の3学期からです。学校は4月から新年度ですが、塾は3月から新年度がはじまります。中学受験は主に2月に行われるので、受験終了とともに6年生が卒塾するためです。
保護者同士もこの時期、「塾に通わせるのか?」「どこの塾へ行くのか?」「中学受験を考えているのか?」といった話題が自然と増え、僕自身もPTA活動などを通じてそれを肌で感じていました。ただ、センシティブな話題ですので、お互いに探り探りで……。
そんな折、息子の方から「僕も塾へ行きたい」と、親に相談がありました。聞くと、同じクラスの仲の良い2名の男子が塾通いを決めたので、その影響が大きかったようです。
そのとき息子は、「僕はバカだから……」とも、僕たち親に打ち明けてくれました。決してそんなことは無いのですが、その仲の良い男子2名がとても成績が良いので、自分なりに比較して劣等感を覚えていたのでしょう。
もし、その子たちと別のクラスだったり、特別仲良しではなかったら、自分から塾へ行きたいとは言わなかったかもしれません。いや、きっとそうだと思います。
つまり、友達の影響で、自分から「塾へ行きたい」と言ったのが、塾へ入ることになるきっかけとなりました。
ちなみにその仲良し男子はとても優しい子で、その子が「お前はバカだ」など意地悪を言ったわけではありません。念のため。
妻は賛成・夫は難色……だったのですが
僕たち夫婦は、子どもの教育に関して意見が完全に一致していたわけではありません。でも、「中学受験は親の考えで無理にさせない」という部分については共感し合っていたと思います。
妻は、息子からの「塾へ行きたい」という気持ちを前向きに捉えていました。一方の僕は、「8歳から塾通いだなんて……」と、早期教育が行きすぎている気がして積極的にはなれなかったのです。
僕は大阪出身で、生まれ育った街では小学生で塾へ行く子はほぼ皆無でした。また、中学受験をした子は学年でたった1人でした。そのような幼少期を過ごしてきたので、中学受験や塾通いを当たり前とする風潮に馴染めなかったのです。
しかし、息子の気持ちもあるので、まずはうちの近くにある塾へ連絡して、説明を受けにいってきました。行ったのは僕ひとりです。
結論から言うと、僕は「塾って想像していたより悪くなさそう。学校の勉強のサポートにもなるので、結構良いかも!」と思いました。つまり、こういうことです。
僕の思考ステップ
- 小学校の勉強がだんだん難しくなる
- 塾がサポートしてくれる
- 学校の授業についていけるようになる
- 劣等感がなくなる(先にお伝えした「僕はバカだから……」の発言)
- 勉強が楽しくなる
- 学校が楽しくなる
- 毎日が楽しくなる
ということで、「息子の毎日が楽しくなりそう」と考え、入塾を決めました。
でもね、塾って入塾テストがあるのです。
入塾テストは不合格、少し点数が足りなかった
塾は、入塾希望者の子を全て受け入れるわけではありません。
受け入れられる人数が決まっていると言うこともありますが、それとは別にある程度の学力がないと塾に入れてもらえません。学力が低かったり、不真面目でやる気がなかったりすると、他の子たちに迷惑をかけるからです。
息子は入塾テストを受けました。しかし、点数は足りなかったのです。
入塾できるほどの学力ではなかったのですが、先生の方から「点数は足りませんが、学ぼうとする姿勢は良いので入塾いただいても結構です」と言っていただけました。
なので、ちょっとおまけで入れたと言うわけです。
塾に通い始めた後の変化 算数の成績がグッと伸びた!
そうして、小学3年生の3月から塾へ通い始めた息子ですが、「塾の勉強は楽しい」と言っていました。先生の説明がわかりやすく、さらにわからないことがあればわかるまで何度でも教えてもらえるからです。
実のところ、3年生の中頃から算数が苦手になっていました。小学校の算数の授業が少しついていけなくなっていたのです。
そんな中、学校の勉強に塾が加わることで、算数がみるみる得意になりました。
塾へ通い始めて1年後、4年生3学期の通知表では、算数はオールAになりました。また4年生と5年生の間の春休みに塾で行われた実力テストでは、息子は算数で高得点を取り、塾内で1位でした。
1年前まで算数に苦手意識があったのにもかかわらず、算数が得意になったのです。息子本人も嬉しそうです。いい成功体験になりました。
中学受験が目的では無い塾通いについて
小学生の子どもを塾に通わせる理由について、「中学受験を目標」にするご家庭は多いかと思います。しかし、我が家では、中学受験については積極的ではありません。
本人が学ぶことに対して興味を高め、「どうしても、今もっと勉強をしたい!」という状況になれば検討するかと思いますが、現時点で、親から「あなたは中学受験をしなさい」と働きかけることはしていません。
僕は、小学生の時期に他の興味関心を押さえつけてまで受験勉強をさせるのは正しい選択だとは自信をもって考えられなかったり、中学生や高校生になり、進路について自分自身で考えられるようになってからでも遅くないと考えたりしています。
つまり、中学受験を目的とせず入塾を決めたわけです。
この記事を読んでくださっている方の中には、まさに今、子どもの塾を検討中と言う方もいらっしゃるでしょう。小学生向けの塾は、受験に特化した進学塾、学校の勉強をサポートする学習塾の2つに大別できます。
「絶対に中学受験をさせたい」と言うのであれば進学塾が向いていますが、「学校の授業の理解を深めたい。落ちこぼれにさせたくない」といったご家庭においては、学習塾が向いていると思います。
息子が通う塾はハイブリット型で、同じ塾内に「中学受験コース」と「学校サポートコース」の両方があり、子どもに合わせて選べるスタイルです。
息子は、学校サポートのコースに通っています。受験に特化したコースは、週のうち塾に通う日数が多く宿題も多いですが、息子が通う学校サポートコースでは、週に1回の授業で、宿題もそれほど無理はありません。
今、塾を検討されている方は、進学塾なのか学習塾なのかを意識すると、考えやすくなると思います。
僕は、「小学生の塾=中学受験」というイメージを抱いていたのですが、決してそれだけではなく「できた!」「勉強って楽しい」と感じてもらえるきっかけになることがわかりました。
今回は以上となります。
小学生の塾通いについては悩ましいですよね。もし何かご意見などありましたら、ぜひブログのコメント欄によろしくお願いします。また、SNSで感想や意見を添えつつシェアいただけたらうれしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。