岸田首相・永岡文科大臣が、国会で「PTAは任意団体、入退会は自由」の認識を示しました。2023年3月3日に行われた参議院予算委員会内での、NHK党の浜田聡議員への答弁です。
国会でPTAのあり方について話し合われるのは、僕が知る限りでは珍しいと思います。
昨今、インターネットを中心にSNSや報道メディア等でPTAのあり方や入退会についての議論が起こっていて、同日3月3日にはTwitterで「#PTAの加入は自由」のハッシュタグがトレンド入りしていました。
僕自身、東京都世田谷区の公立小学校のPTAで本部役委員(副会長)を務めさせてもらっているので、PTAのあり方については気になる話題です。答弁の内容を文字起こしし、最後に僕の意見を添えて記事にさせていただきます。
2023年3月3日 参議院 予算委員会
立憲民主党のYouTubeチャンネルが公開していた、国会中継よりPTAに関する答弁のみ引用(文字起こし)。また、冗長的な口語については適宜編集させていただいています。ご了承ください。
それでは、以下どうぞ。
PTAを不要と考える方が多いのではないか。文科大臣はどう受け止めているか?
次にPTAについて、永岡文科大臣に質問させていただきます。PTAは戦後、米国から我が国に伝わったと認識をしておりますが、当時から現在に至るまで時間が経過しており、PTAの存在価値が以前とは異なっていると思います。
端的に言いますと、「PTAを不要と考える方が多いのではないか」ということでございます。PTAに関するトラブルに困って、PTA退会者から私のもとにたびたび相談が寄せられます。
そこで長岡文科大臣にお聞きします。全国各地のPTAに関するトラブルに関して、文科省で把握している情報を踏まえ、文科大臣の受け止めをお願いします。
永岡文部科学大臣「当該PTAが主体的に判断をして、解決するべき」
文部科学大臣 永岡 桂子
報道等を通じて、PTAの入退会等に関するトラブルがあったということは承知しています。PTAというのは、保護者と教員で構成される任意の団体です。「個々のPTAで生じるトラブルについては、当該PTAが主体的に判断をして、そして解決するべきもの」と、考えています。
PTAの入退会は自由であるべき。総理、文部科学省の認識は?
PATは任意の団体ということですが、入退会の自由についてです。私は「PTAの入会、そしてPTAからの退会は自由である」と考えます。文科大臣、総理も、「PTAの入会。そしてPTAからの退会は自由である」という考えであるのかお聞きしたいと思います。
永岡文部科学大臣「PTAは任意の団体、入退会については保護者の自由である」
PTAは、児童生徒の健やかな育成のために、保護者と先生とで構成されます。先ほども申し上げましたが、PTAは任意の団体です。学校・家庭・地域の連携を強化していく上で重要な役割が期待されています。
PTAは任意の団体であることから、その具体の運営につきましては、それぞれ各学校のPTAが自主的に判断をしていくものであり、入退会については保護者の自由である、と考えております。
岸田首相「PTAは学校の児童生徒の保護者と先生とで構成される任意団体。入退会については保護者の自由」
当然のことながら、基本的には文科大臣と同じ考えです。先ほど文科大臣からあったように、 PTAは学校の児童生徒の保護者と先生とで構成される任意団体です。その具体の運営については、それぞれのPTAが自主的に判断をし、入退会については保護者の自由であるものと私も考えております。
PTA退会により子どもが嫌な思いをしないようにすべき
PTAの入退会は自由であるなら、退会によってその保護者の子どもが嫌な思いをすることはあってはならないのではないか、という点です。
PTAを退会すると、たとえば、我が子だけPTAから配布される卒業証書やコサージュなどが受け取れなくなるなどの運用は改めるべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。
永岡文部科学大臣「卒業証書入れなどの配布、誰が配布するかを含めて解決をしていただきたい」
ご指摘の卒業証書入れなどの配布については、子どもが嫌な思いをすることがないように、PTAと学校がよく話し合うなど連携を取りながら、誰が配布するかを含めて解決をしていただきたいと考えています。
PTAの運営に当たって、子どもの気持ちにも配慮をしながら、PTAと学校が連携をしていただくというのが大事だと考えております。
岸田首相「子どもが嫌な思いをしないように」
ご指摘の卒業証書入れ等の配布については、このような PTAの位置づけからすると、国が一定の考えを示すのではなく、子どもが嫌な思いをしないようにそれぞれのPTAと学校がよく話し合い話し合いをするなど連携しながらお決めいただくことが適切であると考えています。
NHK党・浜田議員「PTAに関する議論は今後も続く」
ご答弁ありがとうございます。常に子どもたちのことを第一に考えることが重要だと思います。
PTAに関する議論、今後も続くと思いますが、政府におかれましては国民の声に常にご留意いただきたい旨を申し上げまして質問終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
各PTAは「任意団体である」「入退会は自由」を規約で明確にしよう!
以上が、国会でのPTAのあり方に関する答弁です。
僕自身、「とても真っ当な内容であったな」と感じます。
- PTAは任意団体
- 入退会は自由
- 各学校のPTAが自主的に判断する
これらはわざわざ明言しなくても周知されていることではあるのですが、PTAは前例踏襲されがち。つまり「これまでやってきたことは、これからもやる」ということで、そこに強制力が働いてしまうのです。
PTAの改革は、非常にパワーが必要です。
「今の時代にそぐわないな」
そう感じて変えようと思っても、保守的な意見に翻弄され、改革を実施するのは難しいのです。
ただ、そんなかたくななPTAであっても、上からの意見に対しては賛同しがち。
そのあたりも旧態依然としているなと感じる部分ではあるのですが、今、PTAのあり方に関して国会でも答弁されるほどに盛り上がっていますので、改革できる絶好のチャンスだと感じます。首相や文部科学省の大臣が言っているのですから。
具体的には、PTAの規約を改定し「PATは任意団体、入退会は自由」をしっかりと明記するということです。その上で、新1年生入学時の会員募集に際しても、強制化を無くし自由な団体であることをわかりやすくお伝えします。
僕自身は、PTAに対して前向きな考えを持っています。PTAに参加したことで、たくさんのメリットが得られた経験をしたからです。
強制的にするから反発されるのです。自由参加であることを全面に出すことでポジティブな意識が広がり、より魅力的なPTAへと進化させることができると思います。
最後に余談。
NHK党は、ネットで話題になりやすい団体・組織などをを見出して「〇〇をぶっこわせ」などと煽り、人心を掌握しようとしているきらいがあると感じます。「PTAをぶっ壊せ」という対立方向へ向かわなければいいな……と願います。
NHK党の浜田議員は「常に子どもたちのことを第一に考えることが重要だ」とおっしゃっていたので、子どもの幸せを追求いただけたら、いち小学生の保護者としても嬉しいです!
この話題で、皆さんが組織や活動の確認や振り返りで見直す機会となり、更により良き活動になればいいですね。
たしかに「これまでどおり」を見直すいい機会ですね!