初めての赤ちゃんが生まれたとき、保育所(保育園)と幼稚園の違いについて疑問を持ち、調べる方は多いと思います。このふたつの違いを簡単に言うとこうなります。
- 保育所 – 福祉施設
- 幼稚園 – 学校
……え? 幼稚園って学校なの!?
と思われるでしょう。
そうです、幼稚園は学校です。
保育園と幼稚園の違いは、福祉か学校か
義務教育は小学校からですが、幼稚園も学校基本法に基づいて運営される学校なのです。管轄する省庁も小中学校と同じく文部科学省の管轄です。幼稚園の先生になるには教員免許(幼稚園教諭免許)を取得する必要があります。
そして保育所は、児童福祉法に基づいて運営される福祉施設となります。乳幼児のお世話が困難な家庭のために代わりに保育をするための施設です。医療、介護、年金などを担当する厚生労働省の管轄になります。保育士は、幼稚園の先生と同じく国家試験に合格する必要があります。
ちなみに、保育園は福祉施設ですので0歳から預かってもらえますが、幼稚園は3歳からになります。
保育所でも国歌・国旗。2018年4月から保育所保育指針が改定
さて、本題。
2017年2月14日、厚生労働省が「保育所保育指針」の改定案を発表しました。「来年2018年の4月度からちょっと変更がありますよ〜」ということなのですが、その中に、このような記述があったのです。
保育所内外の行事において国旗に親しむ。(41ページ)
文化や伝統に親しむ際には、正月や節句など我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しんだり、異なる文化に触れる活動に親しんだりすることを通じて、社会とのつながりの意識や国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすること。(42〜43ページ)
保育所保育指針(厚生労働大臣 塩崎恭久):厚生労働省
これを報じたロイターによると、国歌や国旗の記述は初めてだそうです。
厚生労働省は14日、保育所の運営指針について、2018年度からの改定案を公表し、3歳以上の幼児を対象に、国旗と国歌に「親しむ」と初めて明記した。
保育所でも国旗国歌、厚労省:ロイター
(【追記】記事公開終了しました)
文部科学省による幼稚園教育要項には、すでに「幼稚園内外の行事において国旗に親しむ」といった記述はあります。それと同等の記述が、厚生労働省による「保育所保育指針」にも加わるということです。
もう随分前から「学校や幼稚園で国歌を歌ったり、国旗を掲げるのはどうか?」という、賛否両論問題がありますよね。入学・入園、卒業・卒園といったお祝いシーズンになると、きまって不起立や不斉唱がニュースで報じられます。そんな論争に保育の現場も巻き込まれてしまうのでしょうか。
大人の思想はさておき、子供達の幸せや祝福を第一に考えて欲しいですね。
ちなみに、国旗は日章旗(日の丸)で、国歌は「君が代」である、と国旗国歌法に定められています。
保育園で国歌斉唱、皆さんはどう思いますか?
なぜ今になって、保育所保育指針に国旗、国歌が盛り込まれるのか。
- 幼保一元化をすすめているから?
- 「保育園落ちた日本死ね」が流行語になったから?
- 東京オリンピック開催が目前に迫っているから?
理由はわかりませんが、今回の改定案について皆さんはどう思いますか。厚生労働省では、施行の前にパブリックコメント(一般意見)募集を実施しています。ご意見がある方は、ぜひこちらから投稿してください。締切は2017年3月15日です。
- 「保育所保育指針の全部を改正する件」に関する御意見募集について:e-Gov
(【追記】記事公開終了しました)
今後ますます国際化するニッポン。子供達には、何を教え、何を伝えてゆくべきか。そんなことを考える切っ掛けになりそうです。