子供が生まれたら、家族で川の字で寝るのが憧れ。
そんな日本人は多いでしょう。
欧米では、新生児のうちからベビーベッドや子供部屋で寝かせる家庭が主流ですが、日本をはじめ、アジアでは子供が幼いうちは親と一緒に寝る。添い寝する、川の字で寝る、という家庭が多いようです。
しかし、その添い寝や川の字。0歳児に関しては、かなり危険であることがわかりました。
顔にかぶさった布団が取れない、顔が埋まっても寝返りできない
消費者庁が平成22年からおととしまでの5年間に亡くなった1歳未満の子どもの死因を今回初めて分析したところ、ベッドや布団などで就寝中に窒息して死亡した子どもは5年間で160人に上ることがわかりました。
1歳未満の子ども 就寝中に窒息死相次ぐ 大人用寝具が原因か | NHKニュース
(【追記】記事公開終了しました)
赤ちゃんの死亡事故に関するショッキングな統計が報じられました。ただ寝ているだけで、亡くなったというのです。
具体的な事故原因は以下のとおりです。
- 【33件】顔がマットレスなどに埋まる
- 【17件】掛け布団などが顔を覆う
- 【13件】ベッドと壁の間に挟まれる
- 【5件】一緒に寝ていた家族の体で圧迫
掛け布団やシーツがピッタリと口と鼻をふさいだり、柔らかいマットや枕にうつ伏せになってしまったりしても、赤ちゃんは自力で布団を取り払ったり、寝返りを打ったりできません。また、か弱い新生児の上に、自分の体重の20倍もある大人の身体が乗りかかったら呼吸できなくなってしまいます。
日本の原風景といえる添い寝や川の字寝ですが、赤ちゃんが「大人の布団で寝る」「大人と一緒に寝る」というのは、とても危険なことだったのです。
子供用の固めの布団、ベビーベッドで対策を
できるだけベビーベッドに寝かせることや、敷布団やマットレスは子ども用の固めのものを使用し、掛け布団は子どもが払いのけられる軽いものを使用すること、枕やタオル、衣服など口や鼻を覆ってしまうようなものは置かないことなどを挙げています。
1歳未満の子ども 就寝中に窒息死相次ぐ 大人用寝具が原因か | NHKニュース
(【追記】記事公開終了しました)
対策としては、やはり親と一緒に寝ない、固めの布団を使うなどが挙げられています。
0歳児の死因(死亡事故)は、ほとんどが窒息死
2014年までの5年間に起きた1歳未満の乳児の死亡事故のうち、8割が窒息死だったことが、消費者庁の調べで分かった。
同庁が、5年分の厚生労働省の人口動態調査を分析したところ、1歳未満の死亡事故は502件あった。0~14歳の死亡事故総数(約2000件)の25%を占め、14歳までの年齢別では最多だった。502件のうち、窒息死が404件と最多で、交通事故29件、溺死23件と続いた。
乳児の死亡事故、8割が窒息死…就寝中が最多 : 読売新聞
(【追記】記事公開終了しました)
0歳から14歳までの年齢別で、もっとも死亡事故が起きている年齢は0歳です。しかも、死亡事故といっても交通事故など外出先での事故ではありません、家庭内で起きる窒息事故なのです。
また、窒息事故でもっとも多いのは就寝中ですが、次に多いのは授乳後です。母乳やミルクを飲んだ後、ゲップをさせずに寝かせて、寝た状態でゲップをして自分の嘔吐物で窒息することがあるのです。
自宅に初めての赤ちゃんがやってきたとき、どうやって育児をすれば良いのか手探りで行うこともあるでしょう。そんなときに、「赤ちゃんは窒息事故が起きやすいのだ」ということを知っていれば、事故防止につながります。子育て中の皆さん、くれぐれも気をつけてください。