RSウイルス感染症の患者数が過去最多の大流行を起こしている、とニュースで報じられています。今後さらなる拡大が予測され、感染予防の徹底を呼びかけています。
“都道府県別の患者数は、大阪府が580人、北海道が499人、愛知県が354人、東京都が335人、埼玉県が291人、兵庫県が266人、福島県が257人などとなっていて、大都市を中心に感染が広がっています。RSウイルス感染症の流行は、例年、今月から来月にかけてがピークで、患者は今後さらに増えるとみられます。”
RSウイルス感染症 患者が統計開始後最多に:NHKニュースより一部引用(【追記】記事公開終了しました)
RSウイルス感染症とは?
厚生労働省、及び各研究期間が公表している情報から、重要な部分をピックアップしました。
ざっくり言えば、0〜2歳の幼児がかかる重めの風邪。何度か感染しながら抵抗力(免疫力)がつくられる。注意点は、生後半年未満の乳児への感染。重症化しやすい。
<感染経路>
- 飛沫感染と接触感染。ウイルスが眼・のど・鼻の粘膜に付着して感染する
<潜伏期間>
- 2〜8日間
<症状>
- まず、「鼻水」から始まります。そして、38〜39度の「発熱」と「咳」が続きます。初めてかかった場合には、25〜40%の乳幼児で細気管支炎・肺炎の徴候が見られ、0.5〜2%が重症化。呼吸困難等のために入院が必要となる。
<治療方法>
- 基本的には、対症療法(症状を和らげる治療)。特効薬はない。
<回復までの期間>
- およそ1〜2週間
<発症しやすい年齢>
- 生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされている
<予防接種(ワクチン)>
- ない。現在、研究開発の段階
<免疫>
- 麻しんやムンプスとは異なり一度感染しただけでは感染防御免疫が不十分で、何度も発症しますが、通常再感染のたびに症状は軽くなっていきます。(*大人は免疫力があるので発病はしないが、感染はするので、気づかないうちに乳児・幼児に移してしまう可能性はある)
<【要注意】重症化しやすい年齢>
- 母体からの移行抗体(初乳を飲むことで、母親から受け取ることができる母子免疫)が存在するにもかかわらず、生後数週から数ヶ月の期間にもっとも重症な症状を引き起こす。
<流行しやすい時期>
- 主に冬季に流行。10月から12月にかけて流行が始まり、3月から5月頃まで続く。
参考 1. RSウイルス感染症Q&A:厚生労働省
参考 2. RSウイルス感染症とは:国立感染症研究所
参考 3. RSウイルス感染症:愛知県衛生研究所
参考 4. RSウイルスによる気道感染症およびパリビズマブ(シナジス)について:横浜市衛生研究所
うちの息子が通う保育園でも流行しました。
先日、1歳7ヶ月の息子が通う世田谷区の認可保育園で、「RSウイルス感染症のお子さんが◯名でました」といった紙が貼り出されていました。
幸い息子は感染しなかったのですが、感染した園児の親御さんに訊いてみると、「治るのに1週間くらいかかり、その週は毎日病児保育にお世話になりました」とのこと。
回復までおよそ1〜2週間とされているように、2〜3日で治る軽い風邪より厄介といえそうです。とはいえ驚いたのは、2歳までにほぼ100%の子供は一度は感染する、ということ。予防接種もなければ、特効薬もない。幼い子どもにとっては通過儀礼みたいなもんでしょうか。
子どもはいろんな病気にかかるので、育児をしながらかわいそうに感じることが度々あります。子育て中の皆さん、感染・発症しても軽症状で済むよう、ちょっと様子がおかしいな……と思ったら、無理をさせず、早めに病院で診てもらうようにしましょう。