セサミストリートに新キャラ、自閉症の4歳女児ジュリア。68人に1人、アメリカで自閉症の子供が急増

先日、アメリカ・ロサンゼルスで育児中の友人(大阪出身の日本人女性)が、1歳10ヶ月の息子くんとふたりで一時帰国しました。

アメリカから帰国した友達と昼食

 

僕 「今、アメリカの子供たちに人気のテレビ番組って何?」
友達「やっぱり、セサミストリートやなぁ」

セサミストリートとは、エルモやクッキーモンスターといったマペットがたくさん登場する人形劇です。日本でも、2004年まではNHKが、その後2007年まではテレビ東京系列が放送していましたが、今は放送されていません。

最近見かけないことから僕は、「セサミストリートは昔の番組で、もう終わった」と思っていました。アメリカではリアルタイムで新作がずっと放送されていたのですね。

セサミストリートに自閉症のキャラクターが新登場

アメリカの子供たちに最も人気があるというテレビ番組「セサミストリート」ですが、新キャラクターとして自閉症の4歳の女の子「ジュリア」が登場したとNHKなどが報じています。

アメリカの人気子ども番組「セサミストリート」は、1969年の放送開始以来、150を超える国や地域で放送されていて、読み書きだけでなく、人種や障害など幅広いテーマを番組で取り上げてきました。

(中略)

「ジュリア」という名前の4歳のキャラクターは、ぬいぐるみや歌が大好きで、たくさんの歌詞を克明に記憶しているなど、自閉症の特徴も表現しているということです。

米人気子ども番組「セサミストリート」に自閉症の新キャラクター | NHKニュース
(【追記】記事公開終了しました)

日本では地デジ放送がなくても、セサミストリートはYouTubeチャンネルが用意されているので、エルモたちと遊ぶジュリアの姿をインターネットで見ることができます。

ジュリアは、歌とぬいぐるみが大好き!

YouTube – Sesame Street チャンネル

アメリカで自閉症の子供が急増。16年間で2倍、68人に1人

ジュリア登場の経緯には、現在アメリカで自閉症の子供が急増しているという社会背景があります。2000年から2016年にかけて、アメリカで自閉症と診断された子供の割合が倍増し、2016年は『68人に1人』だったそうです。

自閉症は、先天性の脳機能障害と言われています。先天性(せんてんせい)とは「生まれ持った」という意味で、親の育て方が原因でなる訳ではありません。しかし原因については、まだ研究段階です。遺伝や妊娠中のトラブルなど、多方面から研究が進められています。

日本の自閉症については、厚生労働省が運営する生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」に、わかりやすく書かれていました。以下、ポイントをかいつまんでご紹介します。

  • 日本の自閉症患者は100人に1人
  • 自閉症は3つの特徴を持つ。
    1.「対人関係の障害」
    2.「コミュニケーションの障害」
    3.「パターン化した興味や活動」
  • 幼児期では
    「目が合わない」
    「他の子に関心がない」
    「言葉が遅い」
    などで気づきやすい。
  • 「一人遊びが多い」
    「指さしをしない」
    「人のまねをしない」
    「名前を呼んでも振り向かない」
    「表情が乏しい」
    「落ち着きがない」
    「かんしゃくが強い」
    といった特徴もある。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

■関連リンク
自閉症について:e-ヘルスネット

映画「ぼくと魔法の言葉たち」、ディズニーも自閉症をテーマに

映画「ぼくと魔法の言葉たち」ポスター

アメリカでは自閉症への関心が高まっているようです。ディズニーも自閉症の少年を主役とするドキュメンタリー映画「ぼくと魔法の言葉たち」を製作しました。日本では、2017年4月8日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショーされます。

本作は、当時のホームビデオ、現在の本人へのインタビュー、幼いころを表現したアニメーションなどで構成されているようです。

 

ぼくと魔法の言葉たちパパとピーターパンごっこをする2歳の男の子。おしゃべりも上手だし、身体を使った遊びも上手です。

 

ぼくと魔法の言葉たちでも、3歳になる頃、突然話さなくなった。言葉を失ってしまったのです。

 

ぼくと魔法の言葉たち

医師は自閉症と診断。「もう話せないかも……」。

母と父は、息子を抱きしめ「何が起きても愛し抜き、守ってみせる」と決意します。

 

ぼくと魔法の言葉たち

数年後、ディズニーアニメを観ていた子供が、突然「大人になりたくない。ピーターパンみたいに」……と喋ったのです。

 

ぼくと魔法の言葉たち

「俺たちが親友になったのはいつじゃ?」と話すのは父親。両親は「ディズニー映画が息子を変えるかも」と思い、それ以来、ディズニーのセリフで会話をしました。

 

ぼくと魔法の言葉たち

両親の望みは、「息子が一人で生きられること」。

幼かった息子は青年へと成長し、今では未来に立ち向かう自信に満ち溢れれいます。ライオンキングのように。

■関連リンク
「ぼくと魔法の言葉たち」公式サイト

 

セサミストリートやディズニー、こうした世界的な作品が自閉症を取り上げることで、世の中の自閉症への認知が高まりそうですね。自閉症は今のところ治療方法がありません。世界的に「多様な人を受け入れよう」「差別を無くそう」という気運が高まっていますが、まずは世間に広く知ってもらうことが大切です。

僕は小学生の頃、「がんばれ!盲導犬サーブ」という本を読んで、世の中には目が見えない人が居て、犬が人間の手助けをしていることを知りました。もしこの本に出会っていなければ、目が見えない人に対してギョッとしていたかも知れません。

伝えることは本人や家族にとって、とても勇気がいることだと思いますが、知る・受け入れるを繰り返すことによって、少しづづ社会が優しくなってくると思うのです。

日本人のブログ「moroの家族と、ハンドメイドと。」

最後に自閉症の子どもを育てる母親のブログをご紹介します。

現在は小学生ですが、息子さんが自閉症だと気づいたのは2歳の頃です。父親は「俺だって、3歳まで喋らなかったんだから大丈夫」とは言うのですが……。

以下は当時(2012年)の記事へのリンクです。ぜひ最新記事と合わせて読んでみてください。

■関連リンク
自閉症に気付くまで。こもたろ2歳のころ。:「moroの家族と、ハンドメイドと。」

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