飲酒運転・酒気帯び運転の罰則が強化されたのは、いつだったか覚えていますか?
答えは、2002年(平成14年)5月末です。
それ以前は、呼吸中アルコール濃度の違反になる最低度数が高く、今では信じられませんが「生ビール1〜2杯程度だとセーフ」「少し休めばOK」というのがまかり通っていて、実際に飲酒検問でも、その程度では酒気帯び運転にすらなりませんでした(検査の基準値が高かっただけで、飲酒運転は当然厳禁でしたよ)。
また、当時は罰金や点数の処罰も低く、飲酒運転はスピード違反と同じ程度の違反扱いだったのです。
罰則が強化されて、今年で10数年経ちました。「一杯くらい大丈夫だよ〜」から、「飲んだら乗るな!」を常識にさせたのは流石だと思います。
子育て世代は、30歳以上が多いので要注意
現在20代の方は、免許を取ったときから飲酒運転が厳しい罰則でした。30代以上の方は、その境目世代です。今や飲酒運転をする事は無いかと思いますが、罰則がゆるかった時代を知っている世代ですので、「つい一杯だけ……」「飲んじゃったけど、そんなに酔っぱらってないし……」の誘惑に惑わされる可能性がなきにしもあらずです。
また、近年の結婚平均年齢は男女ともにおよそ30歳です。合わせて、初産の平均年齢も2011年から30代になっています。
飲酒運転で事故を起こせば、加害者は自動車保険も国民健康保険も使えません。自分自身が大怪我をして入院しても、治療費・入院費は100%自己負担です(健康保険法116条「自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由にかかる保険給付は行わない」)。物損事故も人身事故も同じくです。
そして、飲酒運転・酒気帯び運転は犯罪ですので、裁判で実刑判決を受ける可能性もあります。仮に飲酒運転で事故を起こさなくとも、検問に合えば、100万円、もしくは50万円の罰金。さらに、即免許取り消し、または即免許停止が待っています。
そんな超ハイリスクな飲酒運転、子育て中の親は絶対にそんな誘惑に負けては行けません! 酔っぱらって気が大きくなる方もいるかと思いますが、そんなの関係ありません。
さらに、飲酒運転をした方は、社会からもこんな制裁が待っているようです。
飲酒運転その後。半数が解雇、退職
昨年2014年暮れ、朝日新聞にこんなニュース記事が出ていました。
“交通企画課によると、今年9~10月、飲酒運転によって免許の取り消し処分や90日以上の免許停止処分を受けた58人から聞き取った。内訳は20~70代の男性53人、女性5人。9割以上が「家庭や仕事面に影響が出た」と回答した。
特に勤務先での処遇は厳しかった。自営業や無職などを除く26人に聞くと、ちょうど半数の13人が「解雇・退職」に。残る13人も「降格・減給など」が8人(31%)、「配置換え」が5人(19%)で、飲酒運転が仕事に及ぼす影響が大きいことがわかった。
飲酒運転その後…半数が職場去る 厳しい現実、浮き彫り:朝日新聞デジタルより一部引用(【追記】記事公開終了しました)”
なんと、会社勤めの半数が「首」!
良くても、降格、減給、配置換えという処分を受けているのだそうです。
繰り返しになりますが、幸いにも事故を起こさなくとも、「高額な罰金」「免許取り消し、または停止」、それに加えて「解雇」の可能性も多いにある。たった一杯が、家族を路頭に迷わせることになってしまうのです。
当然、事故を起こせば、被害者、遺族、加害者家族、みんなが不幸のどん底です。
飲酒運転はスーパーハイリスク。絶対にしないようにしましょう! 記事の最後に、飲酒運転時の処罰を改めてまとめておきます。
運転者に対する処罰(あなたが運転者)
酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
<違反点数>
- 酒酔い運転 35点
- 酒気帯び運転(*1) 0.25mg以上 25点
- 酒気帯び運転 0.25mg未満 (0.15mg以上) 13点
*1. 呼気1リットル中のアルコール濃度
車両提供者に対する処罰(運転者ではない)
運転者が酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
酒の提供者、車両の同乗者に対する処罰(運転手ではない)
運転者が酒酔い運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び運転 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
注意点は、運転者だけではなく「酒の提供者、同乗者、車を貸した者」に対しても、処罰がくだされるという点です。
- 車で自宅に来た友人(家族)が飲酒をした。
- お酒を飲んでいる人に、送迎をお願いした。
どちらも処罰の対象です。また、免許を持っていない(無免許)の方も、同じく処罰を受けますので、「自分は免許持ってないから安心〜」という事はありませんので、何卒ご注意ください。
ちなみに罰金は一括支払いが原則です。払えない場合は、交通刑務所に収監され、労働する事になります。