赤ちゃんや子どもの冬服は、厚着にすべきか、薄着でもいいのか。
「子どもは汗かきだから、薄着でもいいのかな」と思う反面、「風邪をひいては大変だ」と、つい厚手をさせてしまいがちです。これ、みなさん悩みませんか?
実は、たくさん着込んだからといって風邪が防げるわけではありません。もし厚着が風邪予防になるのであれば、僕たち大人だって、冬場はずっと厚着で過ごせば安心です。でも、そんなことはありませんよね。
風邪の原因はウイルスです。風邪予防には、手洗いやマスク、室内の加湿などが有効です。
では、冬場は何を着させれば良いの?
保育園によっては「裏起毛」や「パーカー」が禁止されています。一体なぜ!? 今回は、赤ちゃんや子どもの冬服の選び方についてお伝えします。
新生児のベビー服、冬は暖かく
子どもの冬服を考える際、新生児だけは特別です。
なぜなら、新生児は体温調整機能が未熟だからです。皮下脂肪が少なくて体温が奪われやすかったり、身体を動かして温めることができなかったりします。
そのため、室内にいるときはエアコンや暖房器具で室温が下がりすぎないように注意し、外出時は全身を寒さから守ってあげるようにしてください。
寒い外におでかけするとき
手には手袋、
足には靴下、
頭には帽子を。
ただし、暑くなりすぎることもあるので要注意です。時々、赤ちゃんのお腹や背中を触って、体温が熱くなりすぎていないかを確認しましょう。
また、赤ちゃんは汗をかきやすいので、肌着はコットン100%の物を選び、汗ばんでいたら着替えさせてあげてください。あせもなど肌疾患の予防にもなります。
キッズは薄着で動きやすさ重視。ハイハイしたり、走り回ったり
いよいよ子どもが、ハイハイをしたり、伝い歩きをしたり、歩き回れるようになったら、服選びは変わってきます。重視すべきポイントは動きやすさです。
子どもは、身体を動かしながら発育していきます。
子どもの動きを、服が邪魔してはいけないのです。子どもが活発に動けるよう、冬場でもできるだけ薄着にしましょう。
しっかりと身体を動かすとことで、体温調整機能鍛が鍛えられます。身体が強くなれば免疫力も上がり、風邪もひきにくくなります。子どもは、元気に動き回るのが大事なのです。
冬場の薄着、首と手首がぴったりした長袖がおすすめ
動きやすいように薄着が良いといっても、真冬にTシャツでは寒すぎます。
箱根駅伝などを見ていると、長距離ランナーであれば真冬であってもTシャツで汗ばんでいます。でも、子どもがそこまで動きまわるわけではありません。
いくら薄着が良いといっても、体温を逃しすぎない程度の防寒は必要です。
わが家の息子が通っている保育園では、首と手首がぴったりとした長袖がおすすめだとアドバイスを頂きました。首元と手首がしまっていると、薄手であっても保温性があるからです。ぶかぶかしていない、ロンTや薄手のスウェトなどが良いでしょう。
また、子どもの冬服の基本は「重ね着」です。
動き回っているうちに暑くなるので、調整しやすいのが良いのです。たとえば、「肌着 + 厚手のセーター」ではなく、「肌着 + ロンT + 薄着のスウェット」などのコーディネートです。
ちなみに、自転車のチャイルドシートやベビーカーに乗せたときなど、動き回れない状況ではアウターでしっかり防寒してあげてくださいね。
裏起毛の服、保育園によっては禁止
冬場、子ども服を買いに行くと、裏起毛の服が結構あると思います。
暖かくで良さそうに思うのですが、実は裏起毛の服は避けた方が良いのです。保育園によっては、裏起毛の服を禁止しているところもあります。
なぜ、裏起毛はだめなのか?
理由は、主に3つあります。
【1】動きにくい
裏起毛は、特殊な加工で記事の裏面(内側)を毛羽立たせたものです。ふわふわしていて、生地も厚手なので、子どもが動きづらくなります。子どもの服選びで大切なのは「動きやすさ」なので、この裏起毛が子どもの動きを阻害してしまうことになります。
【2】蒸れやすい
ふわふわの裏起毛の服を着て、汗をかくとどうなるか。服の内側が蒸れ、起毛に汗がたまり、濡れてきます。そうすると非常に不快になります。さらに、汗が蒸発しないと体温調整機能が効かなったり、肌が汗ばみ続けることで肌の病気になったりするリスクもあります。
【3】静電気が発生しやすい
裏起毛は、静電気が発生しやすい性質があります。静電気がたまれば、パチッとショックを受けたり、ハウスダストを引きつけたりしやすくなります。
フード付きのパーカーやアウターは、事故の原因に
裏起毛は健康面で避けるべきですが、子どもの服は安全面からも考える必要があります。
子どもの服は、できるだけシンプルなものを選んでください。
色や柄じゃないですよ。
フードや紐など、装飾が少ない服を選びましょう。
消費者庁が公表している子どもの事故事例に、「滑り台の手すりのつっぱり部分にポンチョが引っ掛かり、首が締め付けられる状態となり、救急搬送されたが後日死亡」という痛ましい事故がありました。
- 頭、首、背中、裾に「紐」「フード」のついた子供服
- 肩に掛ける「かばん」や「リュックサック」のベルト
これらは、公園の遊具に引っ掛かかって思わぬ事故につながる可能性があるとしています。また「首」は身体の中でも弱い部位で、首を締め付ける事故は命に関わるので、特に注意が必要です。
フード付きのパーカーやアウターはデザイン的におしゃれですが、特に公園などへ遊びに行くときは、フード無しを選ぶ方が安心です。
子ども服は、かわいいだけで選ばないでね
長々と書きましたが、まとめると「赤ちゃんは寒さから守ってあげる」「子どもは動きやすさを重視」ということになります。
また、子ども服には安全規格もあります(JIS L4129「子ども用衣料の安全性−子ども用衣料に附属するひもの要求事項」)。非常に長い文章ですので、ここでは割愛します。上の動画は経済産業省が公開している、JIS L4129にまつわる「子供服を選ぶ新基準」です。
*【JIS L4129】4129(よいふく)語呂合わせ
国産の子ども服は、このJIS規格を合格したものが多いと思いますが、インポート物は基準に満たないものもあるでしょう。特に輸入品を購入する際は、ちょっと要注意ですね。
子どもの服は「身体の発達」や「生命」にも関わるので、可愛さだけで選ばず、健康面・安全面を意識しながら服選びするようにしましょう。
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